星のようなヒーロー
あれから3日間の長い長い日にちが経った
湯浅姉妹三女の春菊はドアをノックして耳をすませる
しかし聞こえるのはすすり泣きくらい
・・・・まぁ無理もないか
前の騒動は色々と噂になった
まあそんなことはさておき
やはり練はこの3日間まともにご飯を食っていなかった
またご飯をドアの前に置いて立ち去ろうとしたら
「あら?まだそんなことになってんの?」
次女の夢が寝癖のついた髪をかきながら出てきた
おそらく今起きたのだろう。(ちなみに現在午後の一時)
春菊「夢姉さん。どうしよう。このままだと練は・・・・」
夢「ったく、めんどくさいわね。どきなさい」
そう言って遠慮なくドアをあける夢
春菊は驚いて止めようとするが、すでに練の前に仁王立ちをしていた
夢「いつまでそんなことしてるつもり?」
練「夢姉ちゃんには分からないよ。こんなこと」
夢「確かに分からないかもしれないけど、いいこと教えてあげる。どうして私はこんな風に仁王立ちしてるのか」
そう言って信じがたいが仕方ないという顔をしながらこういった
夢「六道彰は生きてるわよ」
~学校では~
あいつ・・・・今日も学校こなかったわね・・・・
そうとうショックだったのか
由美「どうする?今日も行ってみる?」
輝美「どうせ結果は一緒よ。それでなにが変わるのかも分かんないし」
莉桜「でも人が死ぬって、やっぱり辛いね」
輝美「元殺し屋さんが何言ってんのよ」
そう言って色々な事を考える
彰はなにがしたかったんだろう。
突然現れて、私たちに溶け込み、そしてなにも残さず消えていった
輝美「ったく。ヒーローみたい」
莉桜「ヒーロー?」
輝美「だって、あいつの能力なら、楓が敵になることや、自分が死ぬということすら変えられるのにそれをしなかったんだもん。練を救うという形で、あいつもったいないわねぇ」
由美「へぇー輝美まさかあいつ好きなの?」
輝美「はぁ!?なんでそんなことになるの!」
由美「だって3日前から彰のことしか言わないし、話してるとき脈拍数が多いし、好きってことじゃん!!」
輝美「んなわけないでしょーがーーー!!」
莉桜「照れてる~彰君に見せたかったね」
由美「ほんとほんと~~」
輝美「別にあいつなんか好きじゃないんだから!」
由美、莉桜(うわぁ・・・・ツンデレって分かりやすい)
~ある場所では~
「失礼するわよ」
「貴方が来るとは珍しい。どうかしたんですか?」
「別に。気になったことを聞きにきたのよ」
「ほう。それは?」
「この3日間。彰という人物は来たの?」
「来ましたよ。」
「じゃあ、あの子がどこにもいないというのは、説明出来るかしら?」
「そうですね。一つ言えることは、彰という人物に対して、私は本当の仕事を行わなかった。という説明とだけいっておきます」
「訳がわからないのだけど、あなたの仕事は死んだ者を地獄か天国に送ることでしょ?」
「それだけわかってれば大丈夫ですよ。」
「ふぅん。まぁ考えとくわ」
「また会いましょう。由さん」
「あなたもね。識」
練「死んでないって、どういうこと?」
夢「私に『死を操れる能力』を持ってることは知ってるだろうけど、それで死んでる人を残像として出せることも」
春菊「それは知ってるけどそれが何を指してるの?」
夢「出そうと思えば、楓というやつも出せたし、他の死霊は出せたのに、彰だけ出せなかったのよ」
練「ま、まさか!」
夢「死霊として彰を出せない=死んでないということよ」




