星に連れ去られた和也
夢を見ていた、、、
満天の星空の下、
あたしと和也は、草の上に座って2人で星を見上げている
不意に、無言で彼が立ち上がると
どういうことなのか?、、星に向かって大きく両手を伸ばす、、、
その瞬間!?、、
星の光が、無数のホタル様に彼の広げた手の周りに、集まると彼の体が、、
フワリと浮き上がる!!??
あたしは、慌てて
「和也!!」
「和也!!行っちゃあダメ!!!」
そう言いながら、彼の足にしがみついて引き戻そうとした。
けれども彼は、あたしの方に寂しそうな視線を投げかけると、、
あたしの手を、するりと抜けてそのまま、星のない暗い夜空に、、、
吸い込まれて、、、消えた!?
あたしは、何が何だかわからなくなって思い切り叫んだ!
「和也!!行っちゃあダメ!!!」
・・・・はっ!?、、、
目を覚ますと、元の病室だった。
ポン・ポンという無機質な音。
ぐるぐる巻きのホウタイにまかれてつりさげられた足。
・・・やっぱり、これは、、夢じゃないんだ、、、・・・
水中にいるような、鈍い感覚の中で少しづつ、少しづつ、、、記憶が、、、蘇る。
・・・あの日、あたしは夜勤明けの和也にわがままを言った。
バイクの運転がうまくなったと自慢する和也に、、
わがままを、、、、言った。・・・
「バイクの運転も慣れてきたからさあ!、今度2人で何処か行ってみようよ?」
購入して半年が過ぎ、いつもピカピカに磨いていたバイクにまたがったまま、
和也は、嬉しそうに呟く、
「ほんと!!、じゃ、、海を見に行きたい!!」
「海か~!?、、いつ行こうか?」
運転に慣れてきた彼は、
・・・任せておけ!・・・
というような顔で、あたしに問いかけた。
あたしは、少し意地悪い、、と、わかっていながら、、わがままを、、言った、
、、、云ってしまった、、、
「じゃ!・・今日行きたい!!今からすぐいきたい!!!」
夜勤明けの彼は、
「き!?今日か?~」と、少し困った顔で眠そうな目をこすり擦りした後、
普段の優しい笑顔で、
「よし!では海に、連れてって進ぜよう!リナ殿!」
と、あたしの頭を、何時ものようにぽん、ポンとたたくとおどけながら応えた。
いつものあたしなら、それに応えて
「狼藉もの!」、、
とか言って彼の手を振り払うのだけれど、、、
この時は、本当にうれしくて!うれしくて!
「和也大好き!!」
おもわず、投げかけた言葉と一緒に彼に抱き付いた。
「じ、じゃー早速しゅつぱーっ!」
いつもと違うあたしの反応に、少し照れ隠しのつもりなのか、両手であたしの体を引きはがすと
慌ててバイクにまたがる、
それにこたえるように、彼に渡されたヘルメットをかぶると、
シートにまたがり思い切り彼の体にしがみついた。
早春の空気は、バイクとともに風になったあたしたちの、
ほほを、
なぜるように、
過ぎてゆく、、
小一時間も、過ぎただろうか
すっかり夢見ごごちのあたしは、彼のかけた声にも返事をしなかったようだ。
「リナ!、、リナ!?」
「???、だいじょうぶ?」
彼の声に無反応なあたしに、バイクを交差点のわきに止めると、
「少し休憩しょうか?ここからもう海が見えるよ! ほら!!」
と言いながら、あたしの頭を両手で挟んで・クイッ・と向きをかえる。
そう言われて、やっとその声が耳にとどく、、
「わぁ、、ほんと!!波がキラキラして宝石みたい!」
あたしは、初めて海を見る子供みたいにはしゃいでた。
その時、クラクションの音が、いくつも聞こえた、、、そして、不快な急ブレーキの音、、、
・・・何だろう?・・・
「ねえ!、かずや!、、、???、、、、!?」
あたしは、和也の顔を、見上げた???
彼は、あたしが、、
初めて見る、、、
怖い顔をしていた、、、、、!
「ね、、ねえ!?、、、どう、、、」
あたしがそう言いかけた時
彼の表情は、悲しそうでチョツピリ寂しそうな複雑な表情を浮かべていた。
そして、彼があたしの名を大きな声で叫ぶ、、まるで、、、
{これが最後}
と、言わんばかりに、、、!
・・・その瞬間!・・・
彼は、あたしの背中に手をまわしその場でフィギアスケートでターンをするように、
クルリと向きを入れ替えた、
その刹那、、
あたしは、、、
全てを理解した!
彼の怖い顔の意味も、
彼の複雑な表情の意味も、、
そして、、、あたしへの、、、、、
思いも!!!
あたしの目に、見えたのは、
もう直前まで突進してきている、大型トラックだった。
つぎの瞬間!電気のスイッチを
・・・プチン・・・と切る様に目の前が・・・
・・・真っ暗に、、、なった・・・




