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恋花火  作者: 聖龍牙
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1話 恋の噂

季節は春、5月。だんだん暑さを感じるようになるこの頃。海夏あまなつ 花火かほが通うともしび高等学校では、とある恋の噂が流れていた。女子達の間で話題になっているのは『恋花火』という花火はなびのことだった。花火かほも真剣に話を聞いている。

恋花火とは、毎月1回打ち上げられる花火はなびのことで、予告無しに打ち上げがされる為、好きな人と見ることができたら恋が叶うと言われている花火はなびのことだ。8月だけは特殊で、毎日打ち上げが開催されるが、全てが『恋花火』と呼ばれる花火はなびではない。8月に打ち上げられる花火はなびの中で恋花火と呼べる花火はなびは、たった1度だけだ。しかも、それもまた予告が無い為、いつ上がっているのか分からないのである。だからこそ、その花火はなびを見ることができれば恋が叶うと噂される。

花火かほには好きな人がいる。幼馴染みの浜辺はまべ 海都かいとだ。顔立ちの良い少年で、頭もよく、スポーツだってできる。文武両道でイケメンときたら女子にモテるわけで。花火かほ海都かいとに近づくことができず、遠くから彼の姿を見つめている。海都かいとはというと、他の女子達に興味が無い為、呼び出される度に困っていた。それ以前に、彼は恋愛自体に興味がなかった。

話は変わり、恋花火の打ち上げ場所になっている『恋海浜れんみはま』という海には、花火はなびの他にも噂が存在する。沖までボートを漕いで、海の上でプロポーズをすると必ず成功するとか、砂浜に自分の持ち物を置いて、それを拾い届けてくれた異性と結ばれるとか。実際に試して結ばれた者達がいる。それも最初はただの噂だろうと言われてきた。しかし、噂を試す者が増え、恋が叶いカップルが誕生していくうちに、噂は伝説となっていった。


「恋の噂、か…」


花火かほは呟いた。海都かいとをちらっと見てみると、いつもと同じ、女子達に囲まれている光景が目に映る。心の中で『モテているのだから仕方ない』と呟いて、窓の外へと目をやった。

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