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自殺予防

 ご主人様は普通に働くと決めたようだけど、悪魔と関わってそんなにうまく事が運ぶとは思えないッス。だって私がそうだったッスから。


 あっしは人間時代に嫌がらせを受けて呆気なく世の中に絶望したんス。


 悪魔に魂をあげる約束をしていたので、死後の世界についてもレクチャーを受けていまして。死んだ先に魔界へ行くことが出来るという簡単な誘いに簡単に乗ったのでした。

 願い事は至ってシンプルに、たった一つ。

 痛みもなく死にたい。


 これは最適な悪魔が居るとインキュバス族の悪魔に取り付いて貰い、衰弱死したッス。


 いつ死んでも良いように、身の回りのものは常に片付けていたし、出来るだけ迷惑にならないようにと気を遣って死に支度をしてたものッスねぇ。


 だけど、やっぱり両親は心の底から悲しんでくれたようでした。

 唯一の親友の杏子ちゃんも悲しんでくれて、それだけは心残りなんスよ。


 その後悔はやっぱり先には立たないものなんスよねぇ。

 ……悲しんでくれる人がいる事を完全に忘れてたんス。

 

 それから私は魔界でサキュバスとして転生して、そして人間の生気を吸い取るようになったッス。


 私の経験上、死んだ後に魔界に行くことが出来ると知ってしまったら、命を簡単に考えてしまうんスよねぇ。


 そして、私はメフィスト様に言われて悪魔としてご主人様に仕えているけれど、でも、今のあるじはご主人様なんですよ。

 ご主人も同じような道が用意されているとしたら?

 誰の為に行動するかというと、やっぱりご主人様には真っ当な人生を送って欲しいっスね。

 ご主人の為になるように出来るだけの事はしたいっス。


 でも、時間帯が違うと殆どサポート出来ないし、接点も少なくて……。


 女子高生の容姿を選んだのは私が死んだ時の年齢からなんですが、失敗しましたね。

 後、もう一人サキの字が付いた女性が……これではご主人も迷ってしまう筈ですから、言いつけを破ってでも教えた方が良いようにも思えるんスけど。


 悪魔にとって契約、約束事は絶対なんスよね。





 私にとっても、恋愛という気分をもう一度人間に化けて味わえるのは刺激的ッスから、ここは一つ。機転を利かせてギリギリセーフのラインを狙ってみたいッスね。


 第一の願いがご主人の部下として暫く過ごす事なんスから、とにかくご主人の為になるように行動するという建前が使えるッスね。

 どうにかしてこの危険な状況を知らせなければ……。




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