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第04話 誕生日だけでは終わらない

すいません。リアルが地味に忙しくて……投稿する機会がありませんでした(泣)

 家に帰る頃には、もう日が出かけていた。


 ……はぁ。歩いて戻ると、しんどいわ。けどこれも体力作りの為!!

 俺は部屋に帰るとベッドに直行。

 ……二度寝した。


 トントン


 部屋の扉がノックされる。


「失礼します」


 一人のメイド服を着た少女が入ってくる。シエラだ。俺を起こしに来る担当メイドであり年齢は11歳。白いレース付きのカチューシャを付けた長いキレイな亜麻色の髪と、まだあどけなさが残る可愛らしい顔立ち…………。早く色々と成長して欲しい。俺はロリ好きじゃないのでな。


「クレイオ坊ちゃま、起きて下さい」

「うぅーん。まだ眠い。今日は、まだ寝たいから戻って良いよ」


 二度寝をしたのが仇になった。

 マジ眠い。

 てか今日、起こしに来るの早い気が……。


「奥様に坊ちゃまを起こすようにと言われましたので……」

「別にいいじゃん」


 母上には悪いが、まだ寝たい。朝は貴重だしな。


「………………」


 返事が返ってこない。

 俺は目を開けてシエラの方を見ると、下を向いて俯いている。


「えっ……。どうしたの?」

「すいません。なんでもありません」


 シエラはそう言ったあと扉の方へ向いて歩き出す。

 俺は、すぐにベッドから出てシエラを追いかけた。そんな表情されたら気になるじゃん。

 俺に気付いたシエラは頭を下げながら言う。


「すいません。私が奥様に叱られたら済むことなのに坊ちゃまのお休みの邪魔をしてしまって……」

「あ~、僕も起きなきゃって思ってたから……。それにシエラが怒られるのは嫌だしね。」

「…………坊ちゃまは、おませさんです」


 顔を赤くして言う姿が可愛い!


 それから、とりわけ会話もなくシエラと食堂に続く廊下を歩いて行く。


 顔を洗ってから食堂に行くと俺以外の家族がいた。

 俺が最後か……。ララシーも眠たそうなのを我慢していた。

 待たせてごめんね!

 俺が椅子に座るのを見て

 母上はテーブルにティーカップを置いて口を開いた。


「早く起こして、ごめんなさいね。実は言っておかなければならない事があるの」


 何だろう? 今日の誕生日の話か?


「今日、私のお父さまが訪ねてくるの。さっき手紙が届いたわ」


 母上の父上、俺のお爺ちゃんか……。

 一度も会ったことないな。てか、いたの?

 

 ララシーも微妙な表情をしてる。

「二人とも不思議そうな顔をするのも無理ないわ。私達が結婚してから疎遠になっていたから……」


 父上が頷きながら続く。


「そうだな。あの時は色々あって、ほとんど駆け落ちだったからな」

 マ・ジ・で! おたくら駆け落ちですか……。

 ビックリしすぎて腰が痛く…………いやたぶん寝違えただけだろう。


「駆け落ちするほど何があったんですか?」


 俺がそう言うと、母上はカップのお茶を飲み干して答えた。


「この人が成り上がった子爵だったから、お父様は、それが気に入らなかったみたいで……。『公爵家の娘が情けない恥を知れ!』って」


 母上の目が少し寂しげだ。


「成り上がり? 父上は侯爵か伯爵の長子ではないんですか?」

「残念ながら私は昔に没落した貴族の末裔なんだよ……。子供の頃は農民だった。こんな私にガッカリしたかい?」


 悲しげに言う父上に俺は胸が痛くなった。


「いえ決してそんなことは……。世間がどう言おうと関係ありません! 父上は俺の父上です!」

「私もお父様が大好き!」


 我が妹ながら可愛すぎではないだろうか……。


「2人とも可愛くて素直ないい子に育ってくれたわね……」

 母上の涙交じりのその声に、父上は天井を見ながら「あぁ」としか答えなかった。

 少しベタなセリフかもって思ったけど、良かった良かった。



 それから数時間後、とうとう初お爺ちゃんの瞬間がやってきた。


「お久しぶりです。お父さま」

「ご無沙汰してます。オズワルドさま」

「久しぶりだな。レシーナ。マルトスくん」


 白髪の初老が返事をする。立派な髭を生やしているその姿は気品に溢れている。


 すると、その初老は俺達の方を見た。

 俺は目が合った瞬間に挨拶をする。


「お初にお目にかかります、お爺さま。クレイオ・ディ・プロセピナです」

「ら……ララシー・ディ・プロセピナです。よろしくお願いします」


 緊張してるのが、こっちにも伝わってくる。

 俺まで緊張してしまう。


「レシーナ達の子供は二人とも利発そうじゃないか……。儂は、オズワルド・ライドゥ・ホイッグストン、お主達の爺だ。今まで来れなくてすまんのぅ」


 申し訳なさそうに眉尻をさげている。


「それはそうとお父さま。今日は何をしにいらっしゃったのです?」

 母上が単刀直入に聞く。


 お爺さまは軽く咳払いをひとつすると言った。

「なーに。孫に会いに来ただけだ」

「それなら何故、今更来られたのですか?」


 母上の目は真剣だ。


 すると軽く咳払いをしてから、観念したようにお爺様は髭をさすりながら言う。


「レシーナが家を出て昨日で、ちょうど七年になった。本当は昨日に訪ねる予定だったが、来るまでに色々あってな……。今まで私は家柄に拘りすぎていた。それがどんなに愚かな事か……あまつさえ娘が連れてきた男を信用できず親失格だ。歳をとって、最近ようやく分かりだした。いまさら遅いのは分かっているのだが二人に謝りたくてな……あの時は本当にすまなかった」


 お爺様が深々と頭を下げる。

 

 その瞬間―――母上の頬を涙が一筋伝った。


「……私も、ごめんなさいお父様……ずっと……ずっと謝りたかった……」

 父上も母上に続いて言う。

「私も申し訳ございませんでした。まだ若かったとはいえ、娘さんをレシーナさんを奪う形になってしまい……悪いのは私の方なのですからお義父さまは顔を上げて下さい」

「いや、儂は君に沢山酷いことをしたし酷いことを言った。それは許されるとは思っていない」

「いえ、もう終わったこと、全て過去のことです……。これからは一緒に子供達を見守ってくれませんか?」


 そう父上が言うとお爺様は、ありがとう……。とだけ言って目元を手で覆った。


 俺は3人のそんな光景を見て良かった良かった。と思うのであった。




 それから夕食まで、俺は自分の部屋でプレゼントのブレスレットを作る。

 俺は『アイテムボックス』念じてから

 少し前に父上から貰った銀塊と、この前の紫水晶アメジストを取り出す。

 この、『アイテムボックス』は『ステータス』同様に誰にでも備わっている能力だ。魔力(MP)が高ければ高いほど入る量も増えるらしい。俺の場合どのくらい入るのだろうか……。

 

 それはさておき俺は、スキル『なんちゃってアクセサリー職人』と『なんちゃって宝石加工職人』を念じて銀塊と紫水晶アメジストに触れると。パァーっと光りに包まれて完成した。

 

 見た目はシルバーブレスレットの中心部分に紫水晶アメジストが埋め込まれている。

 スキル使用者の魔力(MP)の3分の1を込めて作るので、俺の場合は必然的に魔具になる。

 しかも、魔具には能力が付くんだ!

 魔具を作るには、最低100以上の魔力を込める必要があるので、魔力(MP)が300以上ある人でないと作れないので、そうなると大体貴族しか作れない。

 『魔法学院』には俺みたいにチートスキルではなく、ちゃんと道具を使って作る授業があるみたいで、そういった方面の仕事に就く貴族も多くないそうだ。

 

 サイズの方は、この世界の人が作ればある程度魔力が入るので腕を通すと、その人の手首の太さに自動的に合わせてくれる仕様。なんて便利。

 能力はランダムに付くが、俺の魔力量からして、そんなに悪くはならない。


 しかしスキル名が『なんちゃって』の割に、レベルの高い腕輪ができるのには驚きだ。


 俺は出来上がったブレスレットを早速『スカウター』でアイテム鑑定をすると……。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐○●○‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


名称:銀のブレスレット紫水晶アメジスト付き

備考:銀でできた腕輪の中心に紫水晶アメジストが埋め込まれている

耐久:【∞/∞】

 


能力:≪魔法障壁≫腕輪を付けてる所有者の危険を察知して、攻撃から所有者を守る。

   ただし、この腕輪に込められている魔力より下のMP(魔力)の者の攻撃しか無効化できない。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐○●○‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



 むっ。何故か、俺がスキルで作ると耐久が無限になる……。チートだからか?

 けど、ララシーにちょうど良い能力だ。MP(魔力)が3333以上の者は今の所見たことが無い。なので大体の魔法攻撃は防げる……と思う。俺以外の人が作ったら、この能力はクソなのだが俺が作ったことによって、すごいレアな物になってる。

 しかしこれがあれば我が妹の危険を守れる!!

 待っててよ、お兄ちゃんが影ながら守るからね!




 ようやくララシーの誕生日パーティーが始まった。もちろんお爺さまも一緒だ。


 誕生日なだけにテーブルには、いつもより豪華な食事が並んでいた。

 ケーキがあれば尚良かったのに……。

 この世界にはケーキがないしクリーム自体ない。

 甘党の俺にはキツいぜ!

 とか言ってみるが、ケーキの味など、とうに忘れた……。



 食事中にお爺さまが、ここに来る途中の話を笑いながら話していた。

 その話では、護衛もなしに御者と2人で出てきたので、町の宿から他の町の宿に行くまでの間に賊や魔物に襲われて大変だったらしいが、全て返り討ちにした!!と笑いながら言っていた。

 この爺さん侮れねぇ……。

 しかし『スカウター』を使って戦闘力ステータスを確認したが父上より低かった。


 俺は自分のステータスが改めてチートなんだと再確認してしまった……。



 プレゼントを渡す時に父上達がいない所で渡す。いたら、このブレスレットが魔具だってことがバレてしまう気がするのでな……。

 そして紫水晶アメジストのブレスレットをプレゼントすると

 ララシーは、とびっきりの笑顔で


「お兄さま、大好き!! 一生大切にします」と言われた。


 あぁー可愛い……癒されるわー。

 けど何年かして大きくなったら……この笑顔が俺以外の男にも…………お兄ちゃん泣けてくるわ。

 今のうちに存分に可愛がっておこう。俺は頭をよしよしと撫でる。

 

 最近、俺はシスコンなのか? と思う事が多くなってきが、そんなことはないと思……うよ。うん


 …………むっ? 誰かの視線を感じる…………。壁に隠れながら見てる父上と母上だ。

 やられた!! 尾けられてたのか?

 俺がララシーに渡した腕輪を見て父上は、険しい表情をしてる。バレたか……?。

 母上に至っては、私には? と目を潤ませながら、こちらに目で訴えかけてきてる。



 とりあえず母上には俺のMPが回復してからプレゼントするにして……。

 父上には何て説明すっかなぁー………………あぁ、めんどうなことに。




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