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第01話 天界へ来ちゃいました

誤字脱字があるかもしれませんが、温かい目でお願いします。

―――目が覚めるとそこは

 す、砂?

 えっ海岸? エメラルド色に輝く海、どうやら南国みたいだ。

 あれっ、俺って漂流してたっけ? 頭が混乱して思い出せない。

 しかし漂流してるとしたら沖縄かグアムか、それか……

 まさか、ハワイだと! 太平洋を渡ったのか? いやいやいや、ありえない! じゃあいったいここは……


「ここは……どこだ?」

 すると突然後ろから声がした。

「目が覚めた?」

 振り返ると、そこには背中に羽をつけた天使っぽいお姉さんがいた。見た目は20代で、ちょー美人! 金髪碧眼とか最高です!

 天使か……。 そうだ俺、悪魔のビームをモロに受けたんだった!

 あれから――


「俺、血が止まらなくて……あれ!? 治ってる。」

 穴があいていた腹を手で触れても全く痛くない。キタァァァァ!!

 ここから考え出せる答えは1つしかない!


「よっしゃー!! 俺生」

「君、残念ながら……」

 と、途中で目を伏せたお姉さんの言葉に遮られた。


「まだ、肝心な所を言ってないんですけど……」

 そしてお姉さんは今度は俺の目を見て言った。

「残念だけど、君は死んだんだよ。あの時の悪魔に殺されたんだ。私達が治療しても治らなくて……本当にごめんなさい」


 は? 俺は直ぐに返答していた。


「はいダウトー! えっ死んだって? はっはは、お姉さん全然笑えんわ。笑いのセンスゼロやで」

 死んでる? そんなバカな。お腹の穴も塞がってるやん。

 というかその前に、まだ彼女も出来てないのに……夢のキャンパスライ……フ。

 はい散ったぁぁぁ!! ヤバい涙が……。


「てか、今更やけどお姉さん誰?」


 俺はやる気なさげに訊いた。


「気付いてると思いますが、私は天使です。天使のセリムです!」


 得意げに胸を張って言う天使。

 うわぁー、何か腹立つわ! 空気読めや! こっち落ち込んどるねんけど……。


「じゃあセリムさん。元の場所に生き返らせて」

「無理です」

 

 即答かよ。


「じゃあ何で俺はここにいるんですか?」


 するとセリムさんは、はっと何かを思い出したような顔をして答えた。


「そうでした! あなたがこの海岸に流れてくると言われて迎えに来てたんです。危うく忘れる所でした」


 忘れんなよ! 流れてくるって、何か雑やし! 俺は桃太郎じゃねぇ!

 いやでも桃太郎は川か……。少し違うな……海で流れてくるといったら何やろ…………。

 まぁ、そんな事はいまはどうでもいい。


「この海岸はいったい? 何で俺を迎えに来たんですか?」


 俺は疑問をぶつけた。他にも聞きたい事はあるが頭がうまく働かない。桃太郎が頭から離れない。


「この海岸には魂が流れてきます」

「えっ……俺って今、魂なんですか?」

「はい。まぁ、だいたいそうですね。少しあなたの場合は――」


 ここから聞いてないことまで話してきて知識を得意気に、ひけらかし始めたので閑話休題。



 セリムさんの言った事をまとめると

 海岸は二つあり、一つはここと反対側にあるらしい、反対側の海岸には人間だった時に善良な事をしていたら来れるそうだ。いわゆる本当の天国の正規ルートだな。

 そして俺が今いる海岸は、何かの神様的力などが働いて誤って死んでしまった人が、ここに流されてくるらしい。


 つまり俺は本当は、あそこで死ぬべきじゃなかった――ということだ。

 「そんなん当たり前やろ! 俺、悪いこと何にもしてないのに!」

 と、ついカッとなって言ってしまい言った後、後悔した……。

 それからすぐに、セリムさんから「ごめんなさい」と言われてしまい、俺も申し訳なくて謝った。

 天使の人達が悪いわけではない。悪いのは悪魔だ。

 とまぁ、そんなことがあったりした。

 それで肝心の何で俺を迎えに来たかというのは神様に頼まれたからと行けば分かるらしい。


 てことで今、神様の所に連れて行かれている。


「ここです」


 神殿とかに行くのかと思えば……

 めっちゃ普通の一軒家なんですけど。ほんとに偉いのか?

 セリムさんは「頑張ってください」とだけ言ってどこかに行ってしまった。


 えっ、1人で神様に突撃訪問? せめて、大きなしゃもじが欲しかった。

 めちゃ緊張する。だがドアの前でウロウロするのもな……神様から出て来てくれへんかな……。

 …………。

 出てこないな。

 扉の前を行ったりきたりしてる内にウロウロしてる内に俺は名案を思いついた。

 学校の職員室だと思えばいいのだと……。ふっ、冴えてるぞ俺! 職員室だと思うだけで少し気が楽になる。


 トントンと2回ノックをする。


「どうぞ」


 女性の声が返ってきた。


「失礼します。三ね、」


 おっと、ついつい学年まで言うところだった。


真田恭椰(さなだきょうやです」


 入るとそれはそれは神々しい女性がいた。

 月のような光った髪も、少しつり上がった太陽の色の瞳も、それだけで他を圧倒する美しさだ。

 その姿を俺は、美しい絵画を見るように眺めていた。

 正に真のクールビューティー、さすがは神様。


「何を、そんなに見ている。着いて来い」


 神様の一言で我に返った。冷たそうな声も良いなぁ……。あっ、俺の名誉の為に言っておくが俺は断じてMマゾじゃない!!


「すいません。ぼーっとしてました!」

「ふーん、まぁいい。お前が悪魔に殺された人間か?」


 少し笑っていたのは気のせいか?


「は……はい。あの、お、俺どうなるんですか?」


 ただ質問されてるだけなのに、気圧されてしまう。


「悪魔に殺されるとは災難だったな。お前は本来、死なないはずの人間だったと言うのは聞いているな?」


 俺は無言で頷く。


「それもそのはず、あの夜、あの地区全体に人払いの結界を張っていたから、人間は近づけないんだ。しかしお前は来た。この意味どういうことか分かるか?」


「いえ、分かりません」


 俺は素直に答えた。考えても答えなんかでない。


「まぁ、私も分からないんだがな」


 マジか……神様にも分からない事があるんだ。ちょっと照れてるし、可愛いな……。

 って神様も分からないのに、何で俺に質問すんねん! それ間違ってるわ!


 その神様の一言で一気に場が和んだ。廊下を進んで部屋に入ると、机と椅子だけがポツンとあった。


「まぁ座れ」

 と言ってお茶……緑茶を出してくれた。

 人生? 初の天界のお茶をワクワクして飲む。


「美味しいですこれ」

 俺は口に出していた。さすが天界のお茶、やっぱりレベルが違うと思っていると……


「あっ、それ人間界のお茶だから」


 えっ、俺のワクワク感返せー!! いやまず、その前に通ぶってる俺が恥ずかしいわ!

 それから何分か、沈黙が続いた。

 お茶を飲み終わり、先に口を開いたのは神様の方からだった。


「そろそろ本題に入ろうか。単刀直入に言うと君は転生しなければならない」

 転生ね……何となく分かってたよ。生き返れないと聞いてから、もしかしてとは思っていたからそれほど驚かなかった。まぁ、色々心残りはあるが……。


「あまり、驚かないな。」

「何となく分かってたので」

「ふーん。そういうものか」

「でも、転生ってどこに転生するんですか?」

「まだ決めてない」


 うわぁ適当やな。

「今、適当って思ったろ。全部聞こえてる。」


 マジカよ! じゃあ今までのも聞かれてたのか、茶の件も…………恥ずいな。

 でもさすが神様……万能すぎっス。

 すると、それを聞いていたのか神様は


「まぁ当然だ。私は神だからな」

 胸を張って言う姿がギャップがあって萌える。天界の人は、何故みんな胸を張るんだろう。 

 まぁ可愛いから良いけど。


「じゃあ、どこの世界に行きたい?」


 週末の日曜日、どこに行きたい? と聞かれてるぐらい軽く聞かれてるが、かなり選ぶのは重要だ。これで殆ど運命が決まるからな。慎重に選ばなければと思う。それにしてもラノベや漫画を沢山読んできた俺は、すっごい迷った……。けど、だいたい決めている。

 転生したら、どこに行きますか妄想を、もう何百回やったことか、もちろん生きてた時だ!



 そして相談すること30分――


「つまりお前は、ゲームのような魔法の世界に行きたいんだな。今までの現代のような世界じゃないぞ良いんだな?」

「はい。後、質問なんですけど俺が行く世界は他に転生者は?」


「一度、転生者を送った異世界に違う転生者は送れないようになっているからな。その辺は大丈夫だ」


 何が大丈夫なのか?

 まぁ、行く所が決まったら次はやっぱりチート能力でしょ。


「あの神様、俺の異世界に言った時の能力は……」

「あぁ、そうだなー。とりあえず無敵って事で良いか?」

 とりあえず無敵って、マジカ。

 そんな簡単に……。


「無敵は、ちょっと……。次の人生を楽しめないじゃないですか。とりあえず、そこそこ万能ぐらいで」

「そこそこ万能ね、分かった。後はこっちで手続きしとくから、ちょっとくつろいどけ」


 と言って部屋を出て行く神様。横を通る時の髪からの匂いが良い香りだ。何だか匂いだけで頭の中がお花畑……これが神様クオリティ……。


「ふぅ。くつろいどくか」

「帰ったぞ」


 早いな! 全然くつろいでないんですけど。


「準備の方は終わったんですか?」

「あぁ終わった。後はお前の準備だけだ」


 俺の準備、嫌な気が……。


「別に危険ではない、ただ目を瞑るだけでいい」

 

 目を瞑るだけか、簡単だな。

 あぁ俺、本当に転生するんだな……。

 やっぱ最後に家族と仲直りしたかったな。


「転生する前にひとつだけいいですか、俺の家族なんですけど……やっぱり少し心配なんです」


 父、母、姉、祖母――

 特に母は俺が死んだ後、鬱にでもなったら嫌だしな。


「大丈夫だ、お前の家族は私が責任を持って幸運に導いておく」


 「大丈夫」その言葉を聞いて凄く安心した。やっぱり神様だな。


「当たり前だ。じゃあ、行くぞ目を瞑れ」

 

 俺は目を閉じた。

 最後にいってらっしゃい恭椰と聞こえた気がするが、

 俺の覚えてる前世の記憶はそこまでだった――――。




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