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7/8

7.理解


さて、どうやってこの聖剣を攻略するか…


まずは…優しく触ってみるか。1番最初から飛ばしすぎるのも良くないだろうし、その方が快感も高まるだろう。


柄を優しく、指先が触れているか、触れていないか分からないほどの力加減を意識する。その質感に感覚を研ぎ澄ませていく。


〈んひッ?!…な、なにを…するッ!〉


「集中しろ」


〈…くッ…なぜ…こんな辱めをッ…ぉ”…ふ〉


柄の裏面まで指を這わせて、優しく摩擦を交えた刺激をしていく、刀身が震えて、カタカタと音がなっている。


「…ほら、こんな音、なってるぞ?」


〈…うるさいッ…早くその指を…とめろぉ……ッ〉


徐々に、黒い刀身から微かに光が漏れ出ているようにみえて、暗い闇の中を照らしていく。柄の中央に埋め込まれた、赤い宝石のようなモノは艶やかに光を放ち始めている。


「…こっちはどうなんだ?」


指先で宝石を軽く擦ってみると。


〈んぁ”あッ♡?!……ぅあ…そ、こはダメッ!〉


「いいってことだよな?」


ニヤリと不敵に笑いながら、指でそこを執拗に触ってやると、脳内で激しい喘ぎ声を上げながら、光の粒子が剣から零れ始める。


〈だ、めェ…!なん…か、出ちゃうからァッ!〉


俺が触るにつれて、宝石の艶やかさはよりいっそう鮮やかになっていき、まるで深い紅に照らされているようだった。それにつれて、剣の声も悦びを湛えているみたいだ。


その宝石に、一筋の黒いなにかが映り込む。それは美しい光の中に差し込む闇だった。光沢の反射のそれではない、1つの塊としての闇だ。


それは膨らんだり、縮んだり。まるで生き物のように苦しみながら藻掻いている。


〈で…でち、ゃう──ッ……!〉


「苦しいんだろ?出しちゃえよ」


さぁ、フィニッシュだ。


最後、全てを搾り取るように、力強く柄を擦って、宝石を優しく、それでも大胆に撫でた。


〈──────ッ♡♡♡〉


声にならない悶絶の声が脳裏に響いたと思えば。突如として──


──闇の中で、光の爆発が起こった。


視界いっぱいに広がる白光の奔流、闇に慣れていた俺の目はなにも情報を映さない。が、次第にその光は収まりつつあることは分かった。


ただ、それとともに、俺の意識が遠のくのも感じる。まるで他人のことであるかのように、わかるんだ。


ただ分からせるだけのつもりだったが、逆にこちらも分かったように思う。


この剣はただの道具ではない、1つの意識を持つ生き物…あるいはもっと高位の存在なのだと。



そして………



(俺………………なにやってたんだ…)


空気に飲まれたのか、ついノリノリになっていたが、シンプルに意味不明な行動をずっとしていた。なぜ俺は剣を愛撫していたんだ。誰が見てもわけが分からないだろう。


あぁ、俺もだ。



そんな事を考えながら、俺は光の中で暗い無意識に沈んでいった。


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