7.理解
さて、どうやってこの聖剣を攻略するか…
まずは…優しく触ってみるか。1番最初から飛ばしすぎるのも良くないだろうし、その方が快感も高まるだろう。
柄を優しく、指先が触れているか、触れていないか分からないほどの力加減を意識する。その質感に感覚を研ぎ澄ませていく。
〈んひッ?!…な、なにを…するッ!〉
「集中しろ」
〈…くッ…なぜ…こんな辱めをッ…ぉ”…ふ〉
柄の裏面まで指を這わせて、優しく摩擦を交えた刺激をしていく、刀身が震えて、カタカタと音がなっている。
「…ほら、こんな音、なってるぞ?」
〈…うるさいッ…早くその指を…とめろぉ……ッ〉
徐々に、黒い刀身から微かに光が漏れ出ているようにみえて、暗い闇の中を照らしていく。柄の中央に埋め込まれた、赤い宝石のようなモノは艶やかに光を放ち始めている。
「…こっちはどうなんだ?」
指先で宝石を軽く擦ってみると。
〈んぁ”あッ♡?!……ぅあ…そ、こはダメッ!〉
「いいってことだよな?」
ニヤリと不敵に笑いながら、指でそこを執拗に触ってやると、脳内で激しい喘ぎ声を上げながら、光の粒子が剣から零れ始める。
〈だ、めェ…!なん…か、出ちゃうからァッ!〉
俺が触るにつれて、宝石の艶やかさはよりいっそう鮮やかになっていき、まるで深い紅に照らされているようだった。それにつれて、剣の声も悦びを湛えているみたいだ。
その宝石に、一筋の黒いなにかが映り込む。それは美しい光の中に差し込む闇だった。光沢の反射のそれではない、1つの塊としての闇だ。
それは膨らんだり、縮んだり。まるで生き物のように苦しみながら藻掻いている。
〈で…でち、ゃう──ッ……!〉
「苦しいんだろ?出しちゃえよ」
さぁ、フィニッシュだ。
最後、全てを搾り取るように、力強く柄を擦って、宝石を優しく、それでも大胆に撫でた。
〈──────ッ♡♡♡〉
声にならない悶絶の声が脳裏に響いたと思えば。突如として──
──闇の中で、光の爆発が起こった。
視界いっぱいに広がる白光の奔流、闇に慣れていた俺の目はなにも情報を映さない。が、次第にその光は収まりつつあることは分かった。
ただ、それとともに、俺の意識が遠のくのも感じる。まるで他人のことであるかのように、わかるんだ。
ただ分からせるだけのつもりだったが、逆にこちらも分かったように思う。
この剣はただの道具ではない、1つの意識を持つ生き物…あるいはもっと高位の存在なのだと。
そして………
(俺………………なにやってたんだ…)
空気に飲まれたのか、ついノリノリになっていたが、シンプルに意味不明な行動をずっとしていた。なぜ俺は剣を愛撫していたんだ。誰が見てもわけが分からないだろう。
あぁ、俺もだ。
そんな事を考えながら、俺は光の中で暗い無意識に沈んでいった。




