表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/8

6.聖剣名乗るのやめろ


声に導かれるように、光の届かない暗闇の中に俺の足が動いていく。


(なんだ…?!、身体の自由が…効かないッ)


シロエとも、どんどん離れていく。離れる俺に彼女は気がついていないようだった。


(絶対にやばい…死ぬ?殺される??)


〈怯えるな、受け入れろ…我はただの力に過ぎぬ、振るうは貴様自身だ〉


〈……とはいえ、我が呪力に耐えれれば……の話だがな?〉


明らかな悪意が脳に直接注ぎ込まれるような不快感。しかし抗う術はない。導かれるままに暗闇を進み続けた。


「────ッ!……」


(声も…だせない…)


怖い、死にたくない、まだ死ぬには未練が多すぎるし、こんなわけのわからない所でなんて…。


必死に足掻こうとするが、全て無駄。進み続けた先に、一振の剣があった。


〈ククク…ようこそ、我が御前へ〉


古びた台座の上で鎮座する、黒い刀身の剣。その刃はまるで黒曜石のような独特の光沢を持っていて、まるで宝石のように暗く煌めいている。


暗闇に薄い線を持って、そのシルエットがまるで浮いて見えるような剣。しかし、その剣から感じる”圧”のようなモノが、それは神聖な物ではないと警告している。


〈さぁ!手にとれ!〉


〈そして、我を幾年の眠りから覚ますのだ!〉


手が伸びていく、止められない。


(…クソッ…せめて、せめてスタートボタンをクリックしてから死にたかった…!)


黒い柄を、意に反して俺の手は握りしめた。


〈さぁ、受け取るといい!我が権能を……〉


〈……?………〉


〈…ぅ”おッ?!!…〉


脳の中の声が、突然驚いたようで、大きな声を上げる。柄を握る手にあった不可思議な強制力は途端に無くなり。俺は自由になった。


「体が…動く、言葉も喋れる…」


〈馬鹿なッ?!…我の呪言から逃れただと?!〉


「呪言だと…?…お前ェ…さっきから好き放題しやがって…」


俺が触れた途端…呪言の効力が切れて、あの声…聖剣もリアクションをしていた…ということは。


「…今度は俺のターンだ、覚悟しろよ?」


〈…ヒッ!〉


剣だろうが、なんだろうが、俺が触れたモノは全て”絶頂”するって訳かッ!


ならやる事は1つだけだな…この剣を、徹底的に…


理解(わから)せてやる!」


〈や、やめろ!くるな!〉


〈我にふ れ る なぁああああッ!!〉


刀身を震わせているが、所詮ただの剣に過ぎない、持ち主が居なければ逃げることなんて叶わない。


俺は、思い切り柄を両手で握りしめてやった。


〈…ん”ぁあッ?!…や、めッ…あぁ”””ッ!〉


〈な”にッ…こ”れ…わかん”ッ…ない…〉


「ほらほら、さっさと素直になれよ」


〈だま”…れぇエエッ…!………〉


流石に聖剣と呼ばれるだけはある、俺の力にも中々耐えている。まだ意識が飛んでない。


おうさまなんて、軽く手を握るだけでも失神してたのに…、割とこの力も使い方にコツがあったりするのか?


……殺されかけた憂さ晴らしだ、色々試してやろう。


…といっても、童貞の俺にどんなテクが使えるのか…わからないが。


「…すこし、やり方を変えてやるよ」


俺は一度柄から手を離す、流石に脳に直接喘がれ続けると…頭が痛くなる。音量MAXのASMR音源をイヤホンで聴いてるみたいだ。


〈ハァ……ハァ…もう…やめろ!…謝る…謝るから!〉


「…いや、お前は俺の剣にしてやる、その為にはたーーーっぷり…教育しないとな」


〈ヒィッ…!〉


ここから、俺と聖剣の謎の攻防戦は続くことになっていく……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ