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web小説を極めたい  作者: シンリーベクトル


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7/10

プロットとサイサイセオリー

1. 「何を書くか」より「何を感じさせたいか」


多くの作者は、プロットを作るときに「次に何が起きるか」を考える。

だが、読者は出来事ではなく、そこから得られる感情を求めている。


言い換えれば――

物語の本質は「イベント」ではなく「欲求の満足過程」だ。


だから、プロットを作る前に決めるべきは

「読者にどんな感情を与えたいか」。

これを最初に定めておくと、物語全体の設計が一気に楽になる。



2. 読者の欲求タイプを選ぶ


読者の欲求には、いくつかの明確なパターンがある。

それぞれに対応する感情の動きとジャンル傾向を知っておこう。

欲求タイプ感情の狙いジャンル例


安心・癒し共感・やすらぎ日常・スローライフ・恋愛


成長・達成快感・高揚バトル・冒険・成り上がり


発見・知的好奇心驚き・納得ミステリー・理論系


絆・信頼感動・共鳴仲間・友情・家族


反発・カタルシスストレス解放追放・復讐・社会批判


最初に「この作品で何を満たしたいのか」を決めるだけで、

ストーリーの重心とテンポが明確になる。



3. 主人公の欲求を読者と同期させる


読者が主人公に感情移入するのは、欲求の方向が同じときだ。

これを私は「ユナイト(同期)」と呼んでいる。

•主人公が何を求めているか

•その欲求を阻むものは何か

•どう乗り越えて、何を学ぶのか


この3点を決めておくと、展開は自然に導かれる。


たとえば――

「追放された俺が見返す」物語は、Rank(地位)の欲求をLife(生存)で守り、

最後にUnite(仲間)で昇華させる構造だ。

読者は“復讐の快感”と同時に“再生の希望”を得る。



4. プロット=感情の波形


プロットを「出来事の並び」ではなく、「読者感情の波」として見る。

これを“欲求波形プロット”と呼ぶ。


章主人公の状態読者の感情摩擦(葛藤点)回収

1章欠乏・停滞共感・同情現状維持の苦しみ小さな希望

2章行動開始期待・不安敵や社会との衝突仮の勝利

3章喪失・迷いストレス・同調内面の壁覚悟の形成

4章反撃・成長快感・爽快ラスト摩擦カタルシス

5章昇華・再生感動・納得―余韻・希望

この表を作ると、「今読者が何を感じているのか」が常に見える。

どんな展開でも“感情の流れ”さえ通っていれば、作品は崩れない。



5. メタ設計:読者とのユナイトを強化する


プロットが完成したら、仕上げは“読者との接続”だ。

以下の問いをチェックすると、作品が格段に読みやすくなる。

•タイトルは読者の欲求を一目で伝えているか?

•一行目で読者の感情を揺らしているか?

•サブキャラは主人公の欲求を鏡として映しているか?

•終盤で欲求は「満足」ではなく「昇華」に変わっているか?


ここまで意識すると、物語が単なる「展開」ではなく、

“体験”として読まれる。



6. エネルギー設計(上級編)


Psy-Sci理論的には、物語は5つのエネルギーの組み合わせで動く。


Life(生)/Safety(安心)/Unite(絆)/Rank(地位)/Learn(学習)


章ごとにどのエネルギーを強く出すかを数値化すると、

“読者の燃料配分”が見える。


例:

•序盤=Safety・Unite重視(安心と共感)

•中盤=Rank・Life重視(行動と快感)

•終盤=Unite・Learn重視(昇華と理解)


このバランスを意識すると、物語全体がリズムを持つ。

読者が“自然とページをめくる”状態を作れる。



7. まとめ:「物語とは、欲求の再構成である」


プロットを立てるときに意識すべきは、

「何を書くか」ではなく「読者にどんな欲求を再体験させたいか」。


イベントを積み上げるのではなく、

欲求を“波形”として設計する。


登場人物の動機=読者の感情線


物語の構造=欲求の流体力学


これを意識すると、

どんなテーマでも「読まれる構造」に変わる。


1. 「物語テンプレート=感情テンプレート」


物語の展開は無限にあるようでいて、

実は読者の感情の波形で見ると、いくつかの型に整理できる。


ここでは読者の「5つの欲求タイプ」に対応した

代表的な展開テンプレートを紹介する。



① 安心・癒し型(Safety/Unite)


キーワード:回復・共感・日常・ぬくもり

構造感情波形

欠乏(疲れ・孤独)→癒しの出会い→回復→別れ→余韻⤵︎⤴︎⤵︎⤴︎(やすらぎ)


例:

•『よふかしのうた』:孤独→夜の交流→一時の安らぎ

•『ゆるキャン△』:日常のゆるい再生サイクル


作り方ポイント:

•衝突よりも“再生”に焦点を。

•大事件は要らない。小さな安心を積み重ねる。

•読者は「自分の心も回復していく」感覚を求めている。


Ending:

事件ではなく、“今日も日が昇る”で終わるのが理想。



② 成長・達成型(Rank/Life)


キーワード:努力・成り上がり・快感・突破

構造感情波形

弱者→挑戦→失敗→覚醒→勝利⤴︎⤵︎⤴︎⤴︎(興奮・爽快)


例:

•『鬼滅の刃』:喪失→修行→成長→克服

•『なろう系』:追放→スキル発現→リベンジ


作り方ポイント:

•読者のRank欲求を刺激する「快感構造」を設ける。

•ストレス(摩擦)と報酬(達成)のバランスが命。

•勝利よりも“努力→報われる”ループを重視。


Ending:

読者が「自分もやれる」と思える位置で止める。



③ 発見・知的好奇心型(Learn)


キーワード:謎・発見・理解・理論・観察

構造感情波形

疑問→調査→混乱→閃き→真理⤴︎⤵︎⤴︎⤴︎(納得・驚き)


例:

•『ハンターハンター(GI編)』:ルールを読み解く知的快感

•『薬屋のひとりごと』:観察→推理→真相解明


作り方ポイント:

•読者の“理解欲求”を満たすため、伏線を段階的に開示。

•一気に答えを出さず、“考えたい間”を与える。

•謎の「構造美」が読者の満足に直結する。


Ending:

真実を“理解”した瞬間、静かな感情の昇華で締める。



④ 絆・信頼型(Unite)


キーワード:仲間・友情・信頼・再会・赦し

構造感情波形

すれ違い→協力→危機→信頼→再会⤵︎⤴︎⤵︎⤴︎(共鳴・感動)


例:

•『ワンピース』:別れと再会の繰り返し

•『スパイファミリー』:偽装→家族→本当の絆


作り方ポイント:

•主人公と仲間の“信頼構築”を段階で描く。

•「裏切り→理解→再会」の波形は鉄板。

•読者の涙は、“再接続の瞬間”で流れる。


Ending:

「また会おう」で終わると強い余韻を残す。



⑤ 反発・カタルシス型(Rank+Safety反転)


キーワード:理不尽・怒り・反撃・浄化

構造感情波形

抑圧→屈辱→覚醒→破壊→自由⤵︎⤵︎⤴︎⤴︎(解放・爽快)


例:

•『なろう追放系』:理不尽→リベンジ→スカッと

•『進撃の巨人』:絶望→決意→破壊→代償


作り方ポイント:

•安全を奪われる痛み→Rankの反撃で解放。

•「社会的安全の剥奪」こそ最強の摩擦。

•読者は“正義の再構築”を疑似体験している。


Ending:

勝利よりも「自由と空虚の対比」で締めると深みが出る。



8. 組み合わせで“新しい型”が生まれる


上記5つの欲求は単独でも強力だが、

実は掛け合わせで新テンプレが生まれる。

組み合わせ新しい感情体験例

Learn × Unite「共に理解する感動」科学×絆(STEINS;GATE)

Rank × Safety「守るための戦い」進撃・コードギアス

Unite × Life「仲間と生きる」鬼滅・葬送のフリーレン

Safety × Learn「癒しながら知る」日常×理系女子・観察系

これが“テンプレートを超えるテンプレート”。

「欲求の交差点」にこそ、読者が“まだ見ぬ感情”を感じる。



9. おまけ:欲求波形を作る3つの質問


プロットに迷ったら、この3問を自問してみてほしい。

1.今、読者にどんな感情を味わわせたい?

2.それを阻む摩擦は何か?

3.その感情は、最後どう変化(昇華)する?


この3つを決めるだけで、自然と物語が動く。



10. まとめ:「テンプレを壊すには、まず理解せよ」


テンプレを嫌う作者は多い。

だが本当に新しい物語は、テンプレを否定せず、構造から再構築する。


読者の欲求を理解した者だけが、

読者の予測を裏切ることができる。


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