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第3話 心の高鳴り

昨日の出来事はなんだったのか。


「一目惚れしました。付き合ってもらえませんか?」


まさか、初めて会った男の子から告白されるなんて…。


でもーーなぜか忘れられない。

出会ったあの時からずっと、なつきくんのことが頭から離れなかった。


「さやちゃん、今日はバイトかな?」


「…………。」


「さやちゃん?」


「なぎさ先輩!すみません、気づかず…」


大学の昼休み、カフェテラスでスマホの画面を見ながらボーッとしていた。


そんな私に声をかけてきたのは綾瀬なぎさ先輩。

高校の時からの先輩でなんでも話せる1つ上の先輩だ。


「さてはなんかあったな〜?大丈夫〜?」


「それが…」

ーーピロンッ。

「…っ!」


昨日の出来事をさぎさ先輩に話そうとしたその時、スマホが鳴った。


画面には"緋山なつき"


なつき《こんにちは。初めての連絡失礼します。せっかく教えてもらったんでさやさん何してるかな〜と思って初LINEさせてもらっちゃいました!》


期待していた…わけじゃない。

だけどずっと気になってた。


そしてなつきくんからの連絡が実際にくると胸が高鳴るのを感じた。


「さやちゃん、また今度にしようか?」


「な、なぎさ先輩!ち、違うんです…実は………



ということがあって………。」


LINEが来たことが少し嬉しかったがなんで返そうか分からずとりあえずなぎさ先輩に全てを話すことにした。



「そう…。いきなりだけど……でもさやちゃん困ってなさそうよ?

それどころか表情は嬉しそうだけど…?」


と微笑みながら言われる。



そうなのだ。

はじめてなのにはじめての気がしない、

いきなり言われて戸惑っている、

でも…とても嬉しくて胸が熱くなる。


「…私も一目惚れ、しちゃった…?」


「のかもね…。

その、なつきくん、さよちゃんからの返信きっと待ってるわよ?早く返してあげて?」


なぎさ先輩は変わらず微笑みながら話していた。


「なぎさ先輩!今日バイトないです!もしかしてご飯のお誘いでした?

夜また話聞いてください!」


「ふふっ。楽しみにしてるわ。」


そう言って手を振って去っていった。



さや《こんにちは。いきなりだったからびっくりしたけど…連絡ありがとう。

今はお昼休みで、ちょっとボーッとしてたよ》


なつき《お昼は何食べたんすか?》


さや《いつもはお弁当作ったりするんだけどね。今日は寝坊しちゃって(笑)

パスタだったよ〜》


なつき《さやさんの料理、いつか食べられますかね?(笑)》


「っっっ!!!」


スマホを見た瞬間、思わず声が出た。

顔が一気に熱くなって、赤くなっていくのがわかる。


「……はじめましてで、知らない人だったはずなのに。

 こんなふうに君からのメッセージを待つなんて……変だよね。」


画面を見つめたまま、自然と口元がゆるむ。

恥ずかしさと嬉しさがまざりあって、胸がじんわりとあたたかい。


その後もしばらく、他愛もないやり取りが続いた。


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