表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/32

第24話 前世編EP1-選ばれた少女たち

ここは、女神の加護に包まれた静かな地。


朝霧が晴れゆく庭園に、3人の少女が並んで立っていた。


彼女たちは“女神の遣い”。

女神に選ばれ、やがて“時の守護者”の子を宿し、次代へと命を繋ぐ役目を背負わされた存在。


「本日より、あなたたちは時の守護者と共に暮らし、聖なる使命に備えていただきます」


神秘的な声が、空気を震わせる。

その声に、ソフィーの胸の奥がかすかにざわめいた。


隣でダイアナは静かに頷き、カミラは凛と前を見据えている。


2人と比べ、自信のない自分をソフィーはまた意識してしまう。


(なんで私が選ばれたんだろう…。)


ダイアナもカミラも私より大人びていて、落ち着いていて…

自分なんかが並んで立っているのが不思議だった。


けれど、選ばれた以上、拒むことは許されない。

ここから戻る道などないのだ。


「昼は屋敷の掃除と洗濯のほかは、自由に過ごして構いません。

庭を散策するのも、本を読むのもいいでしょう。

……ただし、夜は順番に“時の守護者”レオン様と過ごすこと」



一瞬、空気が張り詰めた。


ソフィーは思わず視線を落とす。


その言葉が何を意味するか、わかっていないふりをしていたけど……本当は知っていた。


ここでの「使命」とは、そういうこと。


言葉にしなくても、胸の奥に重くのしかかる現実。

それは決して、夢のようなものではなかった。


そんな空気の中——

月桂樹の影からゆっくりと姿を現した青年がいた。


長身で端正な顔立ち、漆黒の髪に金色の瞳を持つその人こそ、時の守護者・レオン。



「……彼が、レオン様。」


思わず溢れた呟きに、隣のダイアナがそっと肩を寄せる。


「怖いと思うのは、悪いことじゃないのよ。

私も少し、緊張してる。」


その優しい声に救われた気がして、ソフィーは小さく頷いた。


先に一歩前へ出たのはカミラだった。


「初めまして。カミラと申します。よろしくお願いします」


彼女のまっすぐな視線に、レオンはわずかに間を置いて頷く。


続いてダイアナが一礼しながら名乗る。


「ダイアナです。どうぞよろしくお願いいたします」



そして、ソフィーの番が来た。


小さく震える声をなんとか押し出す。

「……ソフィーです。よ、よろしくお願いします……」


顔を上げると、レオンと視線がぶつかった。


一瞬、時が止まったように感じた。


黄金色の瞳に射止められるような、どこか冷たい輝き。

怖い——けど、不思議と目が離せなかった。

その瞳の奥に、ほんのかすかに、哀しさのような色を見た気がして。


(……なんで、こんな気持ちになるの)


戸惑いと高鳴りを押し殺しながら、彼女は視線をそっと外した。


「……では行こう。」


ソフィー、ダイアナ、カミラの3人は、時の守護者レオンと共に、これから住まう城へと静かに歩き出す。


それぞれの想いを胸に、運命の歯車が静かに動き始めた——。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ