第二十七話②
「どうせ死ぬのだ。その前に罪滅ぼしとして、お前の所属している組織の情報を吐いてくれないか」
「ケヒャヒャ…イカれてるのかお前? そんなダセェ事出来るわけねぇだろ」
「ならば話せる範囲でいい、幾つか問いかけるからその中で話せるもののみ答えてくれ」
ルビニスターは頷かないまでも、黙って俺の質問を受け入れた。
幾つか質問をするが、帰ってくる答えは1つもあらず、諦めながらも何とか組織の情報欲しさに問いかけ続けた。
いよいよルビニスターは瞳を閉じ始めている。そろそろ限界の様子だ。
「ならばこれだけでいい。答えたところでそちら側の不利益にはならない筈だ」
「……俺ももう長くねぇ、死ぬ前の時間に浸りてぇんだ。これで最後にしてくれよ」
「…お前が死んだ事により、お前のところのボスである『ギンギラ』は、村に報復を始めるのか?」
ここで、いちばんの疑問かつ聞いておかねばならない事を問いかけた。
「それはあり得ねぇな。ギンギラさんは支配はすれど、殺戮は好まない。そもそもいくつも村を支配しているんだ、何処の村が俺を殺した事に関わったかなんて、わからねぇさ」
「ならばもし、バレてしまったとしたらどうだ?」
「それでも村に危害を加えることはねぇだろうよ。村人が俺を殺すことなんて出来ないことはギンギラさんはよく知ってるからな。…その代わり、俺を殺した者を許すことはねぇだろうよ」
「俺はただではすまないと?」
「ケヒャヒャ! その通りだ、ギンギラさんは魔族の中でも仲間意識が高い方だからな。ギンギラさんの側近である俺の死に怒りを見せるだろうよ」
俺はこれから、魔族の中でもトップの部類に立つ者に狙われる事になるそうだ。
正直悟っていた事ではあるが、なかなか飲み込む事が出来ない現実だ。
外からは魔族達の声と、炎が未だ燃える音が聞こえてくる。炎の音は聞こえるが、煙がおさまっているのを見るに、徐々に消火に近づいているみたいだ。
「あの魔族達はどうだ? 村を襲ったりはしないのか?」
「俺が死んだのを確認すれば、先ずはギンギラさんのところへ向かうだろうよ。そうなれば先程と同じ流れだ、どうせ皆で俺を殺した犯人を見つけ出して殺しにかかるだろうよ」
「……面倒な話だ」
「何を言ってやがる。こうなる事くらいは、予想ついてただろうがよ」
図星だな。何も言い返す言葉はない。
「お前は、お前のこれからの安静を引き換えに、村を救ったんだ。良かったな英雄になれて、ケヒャヒャ!」
「俺はこれだけで英雄を語るつもりはない」
「高望みな野郎だな。一生言ってればいい、ケヒャヒャ!」
そう言いながらルビニスターはゆっくりと目を閉じた。




