第二十六話②
再び、ルビニスターは愉快そうに笑う。
俺がルビニスターの立場であれば、俺の様な奴が相手ならば面倒だなと不快になるはずだ。
それなのにここまで楽しそうにするルビニスターは、いわゆる戦闘狂というやつなのだろう。
俺の発言に怒りを見せる時はあれど、戦闘最中に不快そうな顔を向ける時は一度としてなかった。
まるで戦いの中で死ねるのならそれすらも本望だと言い出しそうな、そんなイカれ具合を感じてしまう。
俺とルビニスターは一泊おいた後に、互いに攻撃を開始した。
殴る蹴るなどの、殺し合いというよりも格闘技に近い、そんな絵面にも思えてくる光景だろう。
この時代、武器や魔法を使わぬ戦いは珍しい。
ルビニスターは炎を使い、その衝撃波で攻撃をくりだしているが、肝心の炎は使っていないのだ。
そもそも魔法の使えない俺は、ただ殴りながら蹴っているだけが、通常と違うところは当然ある。
それは力を使い、体を回復させながら攻撃を繰り返しているというところだ。
俺の攻撃では、さほどルビニスターにダメージを与えれてはいないが、それでもきっといずれは塵もつもり、ダメージを負ってくるはずだ。
先程までは出来なかった戦い方だ、先程までのルビニスターの攻撃の威力なら、俺の再生は間に合っていなかっただろう。
だが今は、ルビニスターの体力が減ったことにより、比例してパワーが減っていっている。
現に再生はある程度追いついており、お互い止まることなく殴り合うことに成功している。
骨が砕けては再生し、腕が砕けては再生しを繰り返す。
痛みはある。正直もう限界だ。
だが辞めるつもりはない。
このまま続けていけば、きっと勝利に辿りつく。
その様な確信を得ているからだ。
室内には生々しく戦闘の音が響き渡る。
けれど外は未だ火事が続いているようで、誰1人として現状に気づいてこの場に駆けつけてくる者はいない。
もしも魔族が1人でもこの場に訪れた場合は、俺の敗北は確定する。
それ程までに、ギリギリの戦いを強いられているのだ。
何度も気を失いそうになるのがとても恐ろしい。
ここまで激しいぶつかり合いで、意識を少しでも失った瞬間に負けが確定するというのは、非常に恐ろしいことなのだ。




