第二十五話①
剣を構えながら、それをルビニスターの胸元に向けて突き刺そうと飛び込んでいったが、容易くルビニスターの魔法によって防がれてしまう。
炎を発生させた際の衝撃波により、軌道を逸らされてしまったのだ。
「結局まだ何も攻撃を受けてねぇぞ!」
ルビニスターの拳が俺の肩を貫き、骨は砕け、腕が落ちて地面に転がる。
俺の体は本来、こんなにも容易く砕けてしまう程やわではない。
ただ、ルビニスターの打撃の威力が思っていたよりも強力なもので、それを直接受けてしまったものだから力を受け流すことも出来ず、体は耐える事なく砕けてしまったのだ。
見たところ、炎を放つ際に出る衝撃を活かして、打撃の攻撃を仕掛けているみたいだが、アイツの拳自体もダメージをおっているみたいだ。
拳が赤く、血が滲んでいるのが見えたことから、そう判断できる。
「ケヒャヒャ、どうした? さっきまでの威勢は何だったんだ……あ?」
ルビニスターの横腹から、僅かながら血が滴っているのがわかった。
どうやら作戦は成功したみたいだ。
ルビニスターは何が起きたのか分かっていないようで、考え込むように自分の傷を眺めている。
「隙を見せてどうする?」
俺は再びルビニスターの元へと飛び込んだ。
当然、それは容易く防がれてしまい、再び攻撃を喰らうことになってしまうのだが、そんな事はどうでもいい。
今感じる痛みなど、これから迎える勝利に比べれば大した代償ではないのだ。
次は、ルビニスター左胸に、先程よりも大きな傷が出来ているのが確認出来た。
それにはルビニスターも気がついたようで、意気揚々とそれについて問いただし始める。
「おいお前、自分が攻撃を食うことを承知で、俺に攻撃をぶつけているな?」
「お前のいう通りだ。そうでもしなければ、俺はお前に攻撃を当てる事は出来ないだろうからな」
「ケヒャヒャ! イカれてやがるな。そんな戦い方、長くは持たないぞ、見てみろ、お前の体は高々数分戦っただけでもうボロボロだ」
俺の体はすでに、左腕が落ち、右の肋骨は砕かれて、頭蓋骨にはヒビが入っていた。
本来ならば既に満身創痍、勝負はついているかのように思えるほどの状態と言えるだろう。
だが俺は違う。反則じみた力をまだ一度たりとも、奴の前で使用していないのだ。
俺は再び構えて相手を見つめる。
ルビニスターはそんな俺を、馬鹿を見るようにしながらも構えをとった。
そして俺が動きを見せた瞬間、ルビニスターは魔法を発動させて、火の玉を俺の胸に目掛けて放ってきた。
残酷なまでにそれは直撃して、俺の体はバラバラになってしまう。体の中心を破壊されてしまった以上、立ち上がる事すら出来ない。
「ケヒャヒャ……案外呆気なかったな、骨野郎」
ルビニスターは俺に背を向ける。
これが俺の最後だと、勘違いしたのだろう。
この瞬間を待っていたのだ。




