第二十三話③
第2のステップといこうか。
と言っても、ここまで来れば簡単な事だ。
勿論、並大抵の人間なら敵わない事だが、今の俺ならこれから行う事を容易にこなす事が出来る。
魔族達は現在、出入り口の火事により激しい混乱状態にある。
この隙をついて、そことは違う場所から侵入を図るのだ。
この建物には出入り口は1つしかなく、本来誰かがこの建物に立ち入るならば、そこを利用する他ない。
だが、この建物にも窓は存在する。
本来出入りに使わないないものだが、窓なら侵入する事は可能だろう。
それは前に来た時にも考えた事だ。並大抵の者なら、先ずはその発想に至る筈だ。
だが、その時の俺はそれを諦めていた。
何故なら、窓には何層にも木製の板が張り巡らされており、俺が侵入するどころか、太陽の光すら通れないようになっていたのだ。
では何故、そんなところを今になって利用しようとしているのか。それはその時とは状況が違うからだ。
今は出入り口からその周りにかけて、火事は広がり建物は炎上している。
つまりは、その窓に張り巡らされていた板も、今は燃えきっており、窓からの侵入が可能になっているのだ。
本来はここからが問題だろう。
そんな何層にも撃ち込まれていた木製の板を燃やしきってしまう程の業火の中、どうやって進むのかと、普通の体ならば考えるだろう。
これは今の俺の、数少ない特技だ。
俺は火の中に自らの体を投げ打って、窓の方へと近づいていく。
ローブは焼けていくが、体に実害はない。
当然である。何故なら俺の体は骨のみなのだ。
炎なんてものは、俺にとってはかすり傷すらつくことのない、安全な物と化している。
火が全身を伝う感覚は、何処か神秘的であり、今までにない感覚でありながら、不思議と守られている様な感じがして、何処か安心感のようなものを感じていた。
窓からの侵入に成功して、辺りを見渡す。
なるべく出入り口から離れた場所を選んだが、魔族達が火の消化をしている様子が、比較的近距離で伺えた。
ただ、俺の侵入に気がついているものは1人としていない。
俺はそのまま、真っ直ぐにとある部屋を目指す。
それは最も奥の部屋で、ルビニスターが姿を現した部屋である場所だ。




