表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
REBORN  作者: ソラニヤマイ
第二章 駆け出しの英雄
76/93

第二十二話③

「ニナ、厳しい事をいうがな。それは、父親の死に対する冒涜だと思うぞ」


 俺はニナをじっと見つめながら会話を始めるが、ニナは涙を流したまま、こちらに視線を向けようとはしてこない。

 

「ニナにとって、父親の死が受け止めきれない程の苦痛だったのはわかる。だが、それに臆病になって、助けの手を払いのけるようになってはいけない。それではまるで、父親が死んだせいで、ニナは臆病になったのだと、今の不幸は父親のせいだと言ってるみたいじゃないか」


 未だ涙を流すニナに、そのように伝えた。

 

 ニナはまだ若い、本来は我儘に助けてと叫んでもいいのだ。ここまで追い詰められるべき存在ではない筈だ。

 

 俺の話を聞いて直ぐ様ニナは立ち上がり、俺の方へ視線を少し向けた後に、その場から走り去っていった。


「お兄さんの……馬鹿……」


 走り去る際に、俺にそのような事を言っていた。

 心優しい彼女にこんな事を言わせるとは、自分が嫌になる。

 

 勿論、子供相手に酷な話をしてしまった自覚はある。

 ここまでいうつもりはなかったが、こうでもしないとニナは俺が先へ進む事を止めに来ただろう。

 それを避ける為にはこうする他なかった。

 いや、他にやり方などいくらでもあったのかもしれない。だが俺にはあの子を傷つけずに、この場から離れさす方法を思いつく事は叶わなかったのだ。

 彼女が傷ついてしまったのだとしたら、それは俺の責任だろう。当然だ。


「すまないな……うちの村の娘が……本来は感謝すべきだろうに」

「そんな事はない、これは俺が勝手にやっている事だ。寧ろ俺は、彼女に何度も謝罪をしたいくらいだ」


 そんな言葉を交わしながら、遅れを取り戻すようにアジトへと急いで向かう。

 だが音はたてず、慎重かつ丁寧にだ。

 俺は問題ないが、村人たちが息を切らし始めた。もう既に立っているのもやっとだと思われる人物もいる。


「少し……ペースを落とすか?」

「そんな事……言ってられませんから、大丈夫です」

「だが、お前たちはアジトについた後、すぐさま村に戻らないといけないんだぞ? 体力を残しておけ」


 恐怖を与えてしまうと思い、村人たちには告げなかったが、ペースを落とした理由は他にある。

 万が一にでも、今この場で魔族からの襲撃にあった場合、俺は全員を守る事は出来ない。

 その為、彼らには逃げてもらう他ないわけだが、その時に彼らの体力が無くなっていれば、逃げる事すら叶わずに魔族に殺されてしまう。

 それだけは避けたい。それが故に俺は、間に合わなくなる事を承知で、進む早さを遅くしたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ