第二十一話③
「いや、それでもやはり感謝している。皆さんのおかげで寧ろやる気が出てきているくらいだ。任せてほしい、そして心配ではなく自由になった先のことを考えていてくれ、不安に駆られる日々は明日を持って俺が終わらせてみせる」
俺がそう口にした途端、辺りにいた者全員が深々と頭を下げた。
まだ希望を掴んだと、はっきり言えるほどではないだろう。だが、どれ程小さな光であろうと、今まだ暗闇にいた彼らにとって、眩しいほどの光に見えるのだと思う。
「それでは向かうとしよう。時間がない。急かすようで悪いが、少し早足で向かうとする」
「どうか気をつけてください」
「…勝利を…どうか勝利を掴んで見せてください」
皆では向かわずに、殆どを村に残して出発した。
俺を含めた5人のみで荷台を引きながら、魔族のアジトへと近づいていく。
大人数でアジトに近づければバレてしまいかねない為、このような策に出たわけだが、荷台が5人で持つにはあまりにも重い為、順調に森を進む事ができないでいた。
このままでは目的の0時に間に合う事は出来ないだろう。なんなら数時間程遅れてしまうかも知れない。
「どうしますか? このままでは間に合いそうにないですよ」
「そうだな……仕方がない、道を変えよう。森ではなく川を進んで、アジトが近づいたら再び森に入り身を潜みながら進むんだ」
ただ、この進み方では森を進むよりもかなり目立ってしまう。もしも、万が一魔族に見つかって仕舞えばその時点で作戦は失敗になってしまう。
「なるべく音を立てずに進もう、バレて仕舞えばおしまいだ」
「はい…ですが、どう頑張っても荷台からは音が漏れてしまいますね」
荷台に乗せている動画もそうだが、車輪にガタが来ている為静かに進もうとしても、周りに響くほどの音が鳴ってしまう。
だがスピードを落として仕舞えば、時間に間に会わずに終わってしまう。
どうしたものか、解決策が見つからないまま、仕方がなく進んでいく。
このままではいつかバレてしまうのではないか、そんか不安にかられながら。
「止まれ! …何者かがいる」
するとやはり、誰かに見つかってしまったのだ。
目の前から人影が迫ってくる。




