第二十一話②
「何とか……集まってきやしたぜ」
「……後どれくらいで全て集まりそうだ? 残り1時間を切っているが、材料は足りているのか?」
汗をかき、息を切らしている村人に労いの言葉をかけるべきなのはわかるが、残念ながらそれをしている時間がないほどに、作業は進んでいなかった。
勿論、俺も出来る限りの手伝いはしているし、村人たちも精一杯動いてくれている。
だが、どうしても俺の要求を叶えられるほどの品物が集まらない。
これは材料の重さや製作に時間がかかっているのもそうだが、そもそも人数があまりにも足りていない。
今現在30人近くの村人たちにてつだってもらっているが、実際ならこの2倍はいないと、俺の指定した時間には間に合わない。
ここまでやれただけでも十分すごいのだが……このままでは作戦を完璧に遂行するのは難しいと思えてしまう。
だがそれは、村人たちを攻めるべきことではない。
寧ろ無理なお願いを聞いてくれているのだ、感謝しなければならない。
俺は別に村人たちを救うことを主てしておらず、あくまでもニナの為というのが強い。
つまりは、この村人たちに貸などは一つも生まれないのだ。
――
「……時間か」
結局集まったのは、目的のうち7割程度……思っていたよりも、かなり少なくなってしまった。
足りなかったのは、高々3割と思われるかもしれないが、その3割で勝率が下がり、魔族に敗北する確率が上がると考えれば、あまりにも厳しい状況と言える。
「申し訳ございません……まさか、動ける村人そうでで間に合わないとは……」
「こんなことすら出来ねぇなんて……面目ねぇ……」
「いやいや、俺から感謝する事があっても、謝られる覚えはないぞ。ここまでよくやってくれた」
「ですが…目的に達なかったという事は、貴方の戦闘が不利になるということ…もしかすると、最悪な結末になってしまうのかもしれないのですよ」
最悪な結末とは、つまりは死を表しているのだろう。
それもその通りだ。今回の作戦が失敗に終わる可能性は、十分あるといえる。
だが、俺は村人から協力してもらえるとは思っていなかった段階で、魔族に挑もうとしていたのだ。
村人たちにお願いしたものが叶わなかったからといって、魔族の元を攻めにいかなくなるわけがない。
寧ろ、村人たちのおかげで、俄然やる気が出てきたというものだ。




