第二十一話①
ニナを村に預けた際に、村の方たちから突如として呼び出された。
その場に子供はおらず、村を管理しているであろう大人たちのみが集まっている。
「まさかあんた……ルビニスターのとこに行ってたのか?」
「……そうだ。ニナには死んでも口にするんじゃないぞ」
そう伝えた途端、辺りにいた村人全員がざわめき始める。
何やら小声で話し合っている見たいだが、大体何の話だか検討はついた。
「生きて……帰ってきたというのか?」
「見ての通りだ。死者にでも見えるのか?」
「ならば……!」
「待て! それよりも先に…もう一度奴に挑む気はありますか?」
「当然、そのつもりだ」
それを聞いた途端、皆は途端に畏まり、姿勢を正して真っ直ぐ俺を見ながら言葉を続ける。
「どんな協力でもしよう……だからお願いだ。アイツを、ルビニスターを、討伐していただきたい!」
そう言って周りにいた者全員が深々と頭を下げた。
今までルビニスターに挑んだ者は、皆帰ってはこなかったと聞く。
それが故に、生還してきた俺という人物が希望の光となったのだろう。
奴らに支配され、屈辱的かつ苦しい日々を過ごしてきたみたいだが、もしかしたらそれに終焉が訪れるかもしれないと言った、小さくも有難い希望を感じ取ったのだろう。
皆の態度を見るに、これまでがどれ程までに辛かったのか理解出来る。
「ならば頼みたい事がいくつかある。時間がない、次にいつ奴らが攻めてくるのかわからないからな」
「なっ…! 引き受けてくれるのですか!?」
「だからこうして指示を出しているんだ。早く取り掛かるぞ、時間がない」
「は、はい! 何でも頼んでください。全ての願いに頷いて見せましょう」
俺は必要な道具を全て口頭で伝える。
それを運ぶにあたって必要になる荷台も、人員もだ。
「それらを一体何日で集めるんですか?」
「出来れば今日まででお願いしたいところだが…難しいか?」
「今日までですかい……」
「あー、今日までに用意を済ませて、日付が変わり次第に奴らのアジトに攻め入るつもりなんだ」
「わ、わかりました! 何としてでも成し遂げて見せましょう!!」
皆は苦しそうな顔を浮かべていたが、これが最後の踏ん張りどころだという様に、気合を入れて作業に取り掛かった。
村の助けを借りられた事は大きい。
自分1人では、作戦を完璧に実行させる事は不可能だっただろう。
これで奴らに勝てる希望が出てきたというものだ。




