表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
REBORN  作者: ソラニヤマイ
第二章 駆け出しの英雄
67/93

第二十話①

「ありがとうお兄さん。……でも、そんな事、しちゃダメだよ」


「そんな事」、ニナは自身が悲しむことを、そう言ってのけたのだ。

 そんな事とは、どうでもいい事と言う意味合いではなく、その様な行いをするべきではないと言った、まるで悪い事かの様に言っているのだ。


「どうしてダメなんだ? ニナだって悲しい事くらいある筈だ、それを露わにする事を、誰も責めたりなんかしないと思うが…」

「うん……確かに誰も怒ったりはしないと思う……皆んな優しいから」

「ならば、どうして悲しみを隠しているんだ?」

「怒りはしなくても、皆んなが悲しんじゃうからね。みんなはもう辛いで一杯なのに、これ以上それを増やしちゃ……ダメでしょ?」


 そう言ってこちらへ笑みを浮かべてくるが、俺はこの言葉を受け入れてやることはできなかった。

 それは意見が気に食わないと言うよりも、これを肯定することは、ニナがこれからも悲しみを堪え続ける事に、賛成しているかの様に思えて、決して頷けはしなかったのだ。


「ならば……せめて俺には話してくれないか? 村からすれば、俺は部外者なんだ」

「ううん。大丈夫なの、私は笑顔でいる方が皆んなに喜んでもらえるから、それでいいの」

「皆んなが喜んでいる事が、ニナにとって幸せなのか?」

「うん!」


 元気よくニナはそう答えた。

 ニナは、皆が悲しまない為に悲しみを見せずに、皆が喜ぶ為に笑顔を浮かべていると、そう答えたのだ。


 本人がそれでいいのなら、無理に意識を変えるように言うつもりはない。

 所詮俺は、偶然村へやってきただけの人間に過ぎないのだから。


 だが、彼女の優しさに触れたものとして、俺の魔物同然の姿を受け入れてくれた事への感謝として、最大限の恩返しはしようと思う。


 彼女が悲しいを口に出したくはないと言うのなら、悲しい気持ちの元凶を壊してやればいい。

 胸の内に抱える苦しみを聞いて上げるではなく、根本からその苦しみを無くしてやればいいのだ。


 それはやはり、ルビニスターなどの魔族を倒す事につながる。


「暗い話ばかりして悪かったな。これからは、楽しい話をしよう。今後も忘れることのないほど、愉快な話を」


 万が一命を落とす事になっても、ニナの中に残る俺の記憶が、綺麗なものである為に、、、


 ニナはいつも以上笑顔で返事をしてくれ、俺もそれに笑みを向けて返す。

 こんな姿での笑顔など、不気味で仕方がないかもしれないが、ニナは気にする様子を見せずに会話を始めた。


 夜だと言う事を忘れてしまう程に活気よく会話は進み、俺たちは暫く時間を忘れて笑い合っていたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ