第十七話②
「ルビニスター……何が目的だ?」
「俺の名前を知ってんのか? 嬉しいじゃねぇか、ケヒャヒャ!」
俺はこの状況を不気味に感じ、無理にでも肩を組むルビニスターから離れて辺りを見渡す。
やはり、周りの魔族はこの事態を想定していなかったみたいだが、ルビニスターは相変わらず笑顔を向けてきている。
わけがわからない。
「もう一度聞くぞルビニスター……何が目的だ?」
「目的? お前をわざわざアジトまで呼んだ理由なんて一つだ。俺はお前を、このパーティに誘ってんだよ」
衝撃的な言葉に、俺は息を飲み込んだ。
周りにいた魔族たちは、それを聞いた途端に慌てた様子を見せ始めて、必死に止めに入り出す。
「何のつもりだルビニスターさん! 人間を加入させるなんてどうかしてる!」
「そうですでボス! コイツを入れるなんて反対ですぜ!」
必死になっている魔族たちを静めるように、ルビニスターがそっと足を鳴らすと、周りにいた魔族は一瞬にして静まり返る。
緊張感が一気に漂い始めた中、ルビニスターは自身の考えを口にし始める。
「俺はコイツの馬鹿さ加減を気に入ったんだ。村であんな不利な中、俺たちに刃向かってきやがった。今までそんなやからは何人もいたが、ただの1人で乗り出した事、何よりも生還した奴はコイツが初めてだ。ケヒャヒャ」
まさかコイツが俺をアジトまで招いた理由が、俺をパーティに勧誘する為だとは思いもしなかった。
何せ、戦闘をする為に呼び出されたと思っていたのだ。そのギャップに、俺は動揺を隠せないでいる。
「……ですがボス、やはり人間をですね」
すると先程と同様に、やはり魔族が勧誘を否定しに入る。
俺としてもここのパーティに入るつもりはない。
村人をあのように扱う奴らのパーティに、何よりも魔族のパーティに入る事など、死んでもありはしない。
「お前らな、物事をはっきりと理解してから否定する癖をつけるんだな。見てみろ、これでもコイツを人間だといえるのか?」
そう言ってルビニスターは俺の前へと足を運び、そのまま目にも止まらぬ速さで、俺の被っていたローブを脱がした。
途端に俺の顔は辺りに晒されて、魔族たちの視界に映る。
魔族たちは、俺の姿を見るなり面を食らったような、驚いた顔を浮かべ始める。
「な、どう言う事だ?」
「スケルトン……? いや、わからねぇが……アンデッドである事には違いねぇ」
「んだよ…そう言う事なら先にいえよ!」
すると途端にして、魔族たちは俺のことを急に歓迎し始めた。
どうやらコイツらは、人か魔族かを気にしていただけみたいで、俺がコイツらに刃向かった事に怒りを見せていたわけではないみたいだ。
……だが俺は違う。
コイツらが魔族である以前に、俺は村人に非道な行いをする、コイツらを恨んでいるのだ。
こんな奴らと馴れ合うつもりなど、さらさらない。




