第十七話①
俺はいつ相手に斬りかかろうかと考えてみるが、あまりにタイミングが見つからない。
何と言ってもこの場には恐らく、ルビニスターに使える魔族が殆ど全員揃ってしまっている。
この数を相手にするなど、自殺と同様の行いだろう。そんな事は避けるべきだ。
「何だかわからねぇが侵入者だろ? 俺が仕留めてくるぞ」
「俺も行こう。せっかくの宴に水を刺されたんだ、黙っちゃおけねぇ」
俺自身が行動に移らなければ争いを避けれるといったわけでもないようで、魔族たちは席から立ち上がり、ゾロゾロとこちらへ向かってき始めた。
この数とやり合うのは、正直厳しいところがあるのだが、今更逃げることも困難だろう。
覚悟を決める他ない。
俺は武器に手を添えて、いつでも相手の元へ飛び出せるように身構える。
それと同時に魔族たちも武器を取り出しながら拳を鳴らし始めて、戦闘体制に入った。
「何してんだお前ら?」
すると突如として、何処からか怒りを含んだような野太い声が聞こえ始めた。
その位置を辿って視線を向けると、最奥の扉が勢いよく開いて、中からルビニスターが現れた。
魔族たちを制止させるように指示した後、ゆっくりと俺の元へと向かってくる。
魔族たちは叱られた事に怯えているのか、何だか大人しくなってしまった。
俺も威勢の無くなった魔物たちを前にして、闘志が少しずつ落ち着いていく。
だが、早速ボスであるルビニスターの登場だ。
気合いを入れ直さなければならない。
けれど分からないのは、何故魔族たちのアジトに入ってきた俺に怒りを見せるのではなく、魔族たちを叱りあげたのか、
何だか妙な違和感を覚えている。
ルビニスターは遂に俺の前に立ち、じっと顔を凝視てくる。
一体何なのかと思った最中、遂にルビニスターは動きを見せた。
「よく来てくれたな馬鹿野郎! 歓迎するぜ、ケヒャヒャ!」
そう言いながらルビニスターは、俺の肩を組み、まるで親友のように接し始めてきたのだ。
何が分からず俺はたじろいでしまい、周りの魔族に視線を向けたが、魔族もこの状況を理解しきれていないみたいで、俺よりも慌てた態度を見せていた。




