第十一話③
「おじいちゃんただいまー、帰ってきたよー!」
「あーありがとうなニナ。助かったよ」
宿に戻ると、夕飯の支度を始めていのかエプロンをつけたご老人が出迎えてくれた。
開けるのが困難な扉を必死に横に引きながら、なんとか外へと出てきて荷物を受け取ってくる。
「なぁ爺さん、この量の荷物は少しこの子には酷じゃないのか?」
「…それもそうなのじゃが……わしもやる事がある上にこの量の荷物はもう運べないからの……」
「いいのいいの! 私が進んでやった事なんだから、おじいちゃんは悪くないんだよ!」
俺がご老人を指摘したのを彼女は仲裁するかのようにして、会話へと入ってくる。
彼女は笑顔でご老人が悪くない事を主張して、俺も彼女がそこまでいうのならこれ以上指摘をする程でもないと思い、会話を切り上げた。
「それじゃあお兄ちゃん部屋に行こ! 外の話聞かせてよ!」
「コラ待つんだエマ、それよりも飯が先だ。もう時期出来るからな、もう少し待っててくれ」
俺と彼女はご老人に返事をして、宿の中へと向かおうとする。
ご老人は一度荷物を片付けにいくといって、家の中ではなく外へと持っていき、そのまま何処かへと歩いと言った。
気にはなったが、俺は何も声をかけずにそのまま彼女の元へと歩いていった。
――
少ししてから、居間に用意された小さなテーブルに料理が並んだ。
和食の優しいいい匂いがしてくるが、どうも量が少ない。
先程運んだ食材たちは一体なんだったのかと思うほどの質素さで、俺はいいが2人を少しばかり不憫に思った。
よく見てみると量どころか、先程運んできた食材の殆どが入っていない。
野菜というよりかは、そこらで生えている山菜が主に使われており、肉や米は見当たらない。いくら子供とご老人とはいえ、これでは腹が満たされないだろうし、何よりも栄養が足りていないだろう。
だが不思議な事に、彼女はとても笑顔で嬉しそうに机の前に座った。俺はこれがどうも違和感でならなかったのだ。
「ささ、にいちゃんも座りなさい。せっかくの料理が冷めてしまうぞ」
「あー……ありがとういただくよ」
俺たち3人は小さな机を3人で囲み、早速食事を始めた。
一応俺はお客である立場なのだが、とても申し訳のない気持ちとなっている。
なんというか、貴重な食材を彼女らから分けてもらっているようで、心苦しい。
何よりも俺は食事を必要としていない。
先程怪しまれないように腹の中に袋を仕込んでおり、その中に食事をした程でおかずなどを詰め込もうと思ったが、そんな粗末な事は怪しまれてでもするべきではないと、感じたのだ。
「……申し訳ないが、これは2人で食べてくるないか? 実は鍛冶屋の帰りに飯屋に寄ってな、腹が一杯なんだ」




