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REBORN  作者: ソラニヤマイ
第一章 再戦
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第三話⑤

 妙な感覚だ。

 体に傷がついているというのに、痛みを感じないというのは、安心感よりも恐怖を感じてしまう。


 だがこれは好奇だと思い、俺は反撃を開始した。


 痛みが感じないのであれば、多少攻撃を当てられたところで、痛みによるすきが生まれる事は無くなった。


 攻めるのは今のうちだと攻撃を仕掛けていくが、錆びついた短剣では、相手にまともなダメージを与える事が出来ない。

 だがそれでいい、何も殺すつもりは無いのだ。

 ただ相手が俺を追えなくなるほど、もしくは追おうとも思わなくてなるほどのダメージを与えればいいだけだ。


 だがここで、はっきりとした危機が訪れた。

 急に右腕が動かなくなったのだ。

 確認してみると関節が切断されており、腕がぷらぷらと機能しなくなっている。

 今見て初めて気がついた事だ。

 何かが触れた感覚はあったが、まさか切断されているなんて考えもしなかった。


 このような事は始まりに過ぎなかった。

 俺はその後攻撃を仕掛け続けるが、相手を緩ませる程の攻撃はできず、見っともない戦いを続けていき、その最中体のあらゆる部分に不具合が生じていった。


 足は前に出なくなり、物を使う事も叶わなくなり、やがて立ってもいられなくなった。

 ここからは酷い物だ。まるで蟻を踏み潰すかのように、奴らは俺を踏み始めた。

 抵抗されない事はわかり切っているため、相手はとっくに俺に対する恐怖心は無くなっている。

 限度を知らない奴らは止まる事を知らず、このままでは殺されてしまうのでは無いかと思い始めた。


 既に死んだ筈の俺にとって、2度目の死となるわけだが、あまりに早かったものだ。


 なんて言っている場合ではない。

 諦めてどうするんだと、自分を奮い立たせて頭を回す。


 何とか体を動かそうとするがびくともせず、焦りを感じていたが、俺は再びある事を試してみる事にした。

 それは先程失敗してしまった神の刻印の使用だ。


 先程よりもダメージを負っている今なら、何か効果が得られるかもしれない。

 あるかもわからない希望を抱いて、俺は女神の力を発動させる。


 すると体に馴染み深い感覚が走った。

 未だ神の刻印は健在だったみたいだ。


 俺は手や足を動かして、勢いよく立ち上がった。

 成功だ。神の刻印の使用に成功したのだ。


 だが悲しいこともある。

 俺の体はいくら回復しても、骨のまま進まなかった。

 ボロボロになっていた骨は傷一つない程に回復したが、そこまでだ。

 つまり俺の体の最大値はここである事になる。


「気持ち悪ぃな!!な、何で回復してんだよ!!」

「…神様のおかげだな」

「何わけわかんねぇこと言ってんだ!!お前みたいな奴に、神なんぞが微笑むわけねぇだろ!!」

「俺もそう思う……思っていた。だがどうやらこの世界の神は、かなり悪趣味みたいだ」


 俺はその場にいる全員に切り掛かった。

 相手が怯むほどの剣幕で襲い掛かり、相手は先程の威勢を失って、高みの見物をしていた男に泣きついていく。

 それをみかねた男が前に出て、俺との戦いを始めたが、結果散々なものだった。


 俺は相手の力なんかに敵うはずもなく、ただひたすらに痛ぶられ続けた。

 この説明だと語弊がある。

 俺は痛みを感じないからだ。


 ひたすらに攻撃を仕掛けられ続けたが、俺は一向に倒れない。

 何故なら神の刻印があるからだ。

 それも制限なく使用できるのだ。


 元々神の刻印は自身の皮膚や筋肉などを劣化されるものだった。

 その為、骨のみとなった俺が請け負うデメリットは無くなった事になる。


 相手は徐々に息が切れ始め、動きが鈍くなってきたところで俺は攻撃を始めた。

 自分よりも格上とはいえ、相手にも体力に限界がある。

 俺はそこを突いた。


 相手はやがて悔しそうな顔を浮かべながら、体力が残るうちに、その場から離れていった。

 ボロボロになるまで攻撃を仕掛けられ続けたが、されど勝利を収めたのは俺だ。


 勝利を収めたというのに、今の俺は何も喜べない。


 何せ俺はこの戦いを通して、自分が人間でなくなった事を知らしめられたのだ。


 やはりヒロはあの日死んだ。

 今この場に立っているのは、神の刻印を所持した、何とも厄介な1匹のモンスターだ。

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