第十五話 示せ、我が極限を
三者三様の魔法の完成。
火そのものとなったかのような人。
衣服、鎧が全て樹に置き換わり、周りに緑が芽吹く人。
そして、衣服や体の変化はなく、ただその体の後ろに巨大な時計が出現した人。
その沈黙を破ったのは…
ガチン。
時計の長針が[I]を指し示す。
「俺だけの、時間だー」
『極限魔法・時限の超越者』はこれまでの加速魔法とは違い、自分のみが加速するのではなく、周囲の時間を遅くする。この時計が一周する、一分間の間のみ。
その間にもmpは回復する。だからこそ、まだ『アクセル』は使わない。まずはその状態で確実に一人殺す。
だが、時間は止まらない。遅くなっていたとしても、その状態が限りなく時間停止に近いとしても。
時計は平等に、時を刻み続ける。
ガチン。
[Ⅱ]を指し示す長針。
その瞬間地面から噴き出す火。それは矢の形を持って襲いかかる。
引火する樹。それは焼けたところから再生してゆく。
矢は一瞬通常の速さで進むが、ほんの数秒も持たずにその場に静止する。
ガチン。
指し示すは[Ⅲ]。
その瞬間、ほんの一瞬の自由時間。
「『超火魔法・ハイ・ファイアバースト』ォ!!」
「『ツリーガード』ッ!」
一瞬にして出来上がる樹の壁。
それすらも上回る速さで突き抜ける閃光。
ただの勘。咄嗟に体を下に屈めるとその真上を閃光が通過する。
だが、生き残った。
その瞬間、ある場所をみた俺がカウントダウンを始める。
「5…」
まずは対処法を知っている銀河から確実に殺す。
駆ける、翔ける、賭ける。
勝負は一瞬。ただの一度でもミスればそこでジ・エンド。
「4…」
できるだけ熱の地面を踏まないように。間違っても『火魔法』に当たらないように。
「3…」
二段ジャンプ、体の回転、手の着地。これまでの全てを使い、支える。進む。
「2…」
この瞬間、俺はいつも見ているあの瞬間を思い出していた。
「1…!」
あの、カウントダウンを。
ガコン。
針が、[Ⅳ]を示す…
「『こい』『こい』『こい』!」
あと数歩。その場所で『ファイアアロー』の三連打。
避ける!
「っ…!」
左腕が持っていかれる。それでも足がある。
なら、今はいい。
「『超加速魔法・ハイ・スピードブレイカー』ァ!!!」
これで、終わらせる。
もう足元も気にしない。
全力の踏み込み。
一撃。
右ッ…!
「ストレートォ!!!!!」
顔面に一撃。
そのまま地面に叩きつける。
そして流れるように足を真上にあげる。
トドメは入念に。
「ッッッッッッッッッッラァ!!!!!」
完全に破壊する頭。
砕け散るポリゴン。
そのまま後ろを向き、最後の1人に駆ける。
『ハイ・スピードブレイカー』はあと二秒はある。
いける。
一発ブン殴れれば勝てる…!
あぁ、もう着…
へ?
視点が回転する。
待て。それは…ダサい。
ちょっ…あの…お願い…!
ガコン。
無慈悲にも針は[Ⅴ]を示す。
「『ツリーランス』!!!!」
真下から俺に向けて樹の槍が刺さる。
普通に負けるより悔しいや…
〔FINISH!!〕
〔WINNER:ツリーハウス !〕
〔バトルロワイヤルは明日です。〕
〔表彰台インタビューは後ほど行います。〕
〔今後とも、BADをよろしくお願いします。〕
なんか章がすっごい短くなってしまったが書きたいもん書きまくったので後悔はないです。ハイ。
嘘です本当はもっとモブ戦増やしたかったです。
銀河が全員殺したことにしてください(適当)




