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第87話

 海水浴はまだ終わらない。俺はドラゴンモードになり皆を乗せて海に出た、せっかくの巨体だしこういうことに活かさなければね。ドラゴンクルージングだ!

「落ちないように気を付けてね」

「すご~い!」

 アーシラはアズハと俺の頭の上に来て角に掴まりながら景色を楽しんでいる。翼を日傘替わりして結構快適な背中だと思う、水属性の適正があるおかげで水上でもスムーズに動けるのは大助かりだ。

「そろそろいいかな? 足場は良くないから気を付けてね」

「あの、主様。痛くないですか?」

「全然平気。俺の頑丈さはよく知ってるでしょ? 気にしないで楽しみな」

 サラは蹄鉄で俺の背中を歩くことを気にしているようだが全然気にならない、我ながら頑丈すぎる鱗と甲殻だね。

「はい!」

 ホロン、お前も少しは気にしたら? まぁ遠慮ないこういうところは好きなんだけどね。

「それじゃあいきますよぉ~」

 カエデはそういうと俺の周囲の海に向けて思いっきりバケツの中身を撒き始めた。中身はエビみたいな生物で魚が好んで食べる餌、地球で言うオキアミだ。そしてこれを撒くということは……

「ご飯を釣らねば!」

「いくぞー!」

 こうして俺の背中で釣り大会が開催された。俺は船の代わりではあるが海にのんびり浮かんでいられる、のんびりお昼寝でもさせてもらおうかな。背中で楽しそうに騒いでる女の子達の声も心地いいしね。

「おもいぃぃ」

「アーシラちゃん頑張って!」

「せーので引き上げるよ~せーの!」

「おっきぃ!!」

 さすがホロン、力自慢だ。アーシラの手助けを上手くしてくれている。てか魚でけぇ……あんなの下手したらアーシラの方が海に引きずり込まれちゃう。

「主様~これ引っ張ってください~」

「あいよ~」

 水中からアイナが縄を持って戻ってきた。アイナとフラムはリザードマンというだけあって泳ぎが上手い、アイナは属性相性もいいからすごい活躍だった。てか数十分単位で素潜りしてる……すごすぎ。

「エビ、カニ、貝。大量じゃん」

「海は美味しそうな生き物がたくさん居て楽しいです! また行ってきますね!」

 そういうとアイナはまた潜って行った。俺は受け取った大きな網袋を背中に乗せて再びのんびりする。

「あれ? ねぇちゃんもう行っちゃったの? くっそぅやっぱ水場じゃ勝てねぇ……」

 少し遅れてフラムも戻ってきた。属性相性もあるのだろうけど彼女も十分すごい、銛を片手に魚やイカ、タコなどを取ってくるのだ。

「もう一度だ!」

 そう言うとフラムも再び潜水していった。

「ふぅ」

「アズハは休憩?」

 のんびりとこの空間を満喫していると頭の上にアズハがやってきてそのまま座った。こんな生活ドラゴンの妻の特権である!

「うん、ちょっと休憩。タカトの髪の毛フサフサだね」

「ちょっと濡れちゃってるけどね」

「気持ちいいよ?」

「少し寝る?」

「うん……私今ね、とっても幸せだよ。これからもずっと一緒に……いてね」

 そう言うとアズハは寝息を立て始めてしまった。彼女は何があっても守り抜く、家族もだ。たとえ神が相手であろうとこの幸せを奪わせない、俺自身この環境の心地よさに十分助けられている。ならば何としても守ってみせる、これでも俺は男なんだから。

「おやすみ、アズハ」

 なんだかんだと大量の海鮮を手に入れてドラゴンクルージングは大成功に終わった。皆もすごく楽しそうだったし満足満足!

「じゃあ皆、海鮮バーベキュー大会開催!」

「「「わーー!」」」

 たくさん捕った海の幸を豪快に贅沢に焼いて皆で食べるのだ! もちろんトウモロコシなど野菜やお肉も用意している。

「料理に我を呼ばないなど許されぬぞ主よ!!」

 そう言いながら研修組が海岸でバーべキューの準備をしていてくれたのだ。おっちゃん達も来ているし食材も大量に手に入ってよかった。

「睦の繁栄にぃ。かんぱーい!」

「「「かんぱーい」」」

 早速とバーベキューパーティが開催された。キンキンに冷えたビールもあって大盛り上がりだし獲れたての海の幸もめっちゃ美味い! 醤油があるから刺身もいける! もう最高!!

「アーシアちゃん次は何食べたい?」

「カイ~あれおいしぃ!」

 アーシラはデカいホタテが気に入ったらしい。確かに旨味が強くバターと醤油で食べるともうたまらない! 腕をメキメキ上げたガレオンが来ているおかげでバーベキューと言えどすごく美味しいお酒も進む。皆笑いあってすごく楽しかった。おっちゃんの部下達も呼んで更に賑やかになって夜も更けていった。これは絶対夏のいい思い出になる、来年もやりたいね!

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