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第77話

 忙しい時は忙しいが暇なときはとことん暇。そんな時俺は寝たことにして動画を閲覧している、予備知識として蓄えているのだ。現代地球の知識で無双するとかよくある話だけど、はっきり言って知ってるとできるは別物で知ってるからといってそれを実行して成功するなんてことできないなと実感した。特に料理をしてみて強く思った、動画を覚えそのまま挑戦してみる。しかし味がおかしくなる、そもそも当然だったのだが食材の味や特徴がだいぶ違うのだ。向こうと同じ名前だからと同じように使っても濃度や味さらに言うと調味料の質から全く違うのだ。そこをうまく調整して調理しなければいけないのだがその技術が足りなかった、どうにか形にはなったし美味しかったがそれでも限界があったのだった。

「ガレオンさんはまた厨房に籠ってるんですか?」

「そう、この前教えたたこ焼きやお好み焼きの可能性を追求する! って張り切ってるよ」

「あれ、ホント美味しかったです。いくらでも食べれちゃいます!」

 俺はアイナと収穫した野菜を運びながら雑談をしていた。料理に関してはガレオンが来てくれたおかげでめちゃくちゃ美味しくなった。足りなかった研究をこなし、俺達が求める最高の味を再現してくれているのだ。正直作物のレベルは地球の物を遥かに超えていい品質だと感じている、それをあのレベルで調理できるのはさすが人生をつぎ込んでいるプロということなのだと思う。ガンプ達の技術やマリーとスーラの薬品研究、サガイの酒造とどれも俺が知識を集めただけではどうしようもなかったと思う。来てくれてホントに感謝しかないね。

「主様、これで最後です」

「ありがと、アイナが手伝ってくれて助かったよ」

「なかなか一緒に居れないからチャンスがあったら突撃あるのみです!」

 何を言っているこの娘。

「ギィヤァァァァァァァァァァァァァァァア!!」

 二人で話していると畑の奥の方から凄まじい悲鳴のような叫び声が聞こえてきた。

「な、なんですか!?」

「これは、薬草園の方かな……マリーまたなんかやったなこれ」

「耳がキンキンしますぅ」

 アイナは耳を押さえながらちょっとフラフラしている。薬草園の管理マリーとスーラに一任しているから何が植えてあるかすら把握していなかったが、ゲーム知識的に見に行かなきゃいけない奴を引っこ抜いた気がする。

「ちょっと行ってくるね」

「私もいきます~」

 俺とアイナは薬草園に向かって歩き出した。

「マリー、今のは何?」

「あら、主様。いらっしゃい」

「すごい悲鳴のようなものが聞こえましたよ?」

 アイナがひょこっと俺の背後から顔を出しながらマリーに話しかける。てかマリーさん、その手に持っているしわしわの人みたいな野菜のような得体のしれない物体は何ですか……なんとなく予想はしてるけど。

「あ、これを採取しようと思ったんだけど。想定外に育っちゃっててすごい声出ちゃったの」

 そう言いながら植物人間のような不気味な物体を見せてくる。

「で、それは?」

「マンドラゴラ!」

 はい、知ってました。定番ですもの!

「それの悲鳴聞いて死んだりとかしない?」

「よく知ってるわね。もっと大きく成長したマンドラゴラの悲鳴は人を殺すって言われているわね、これはもう〆たから大丈夫よ、今作ってる薬にはこの位が丁度いいの!」

「お願いだから、死者出すとかやめてくれよ?」

「薬草園は細心の注意を払ってるし魔法で完全管理してるから大丈夫よ」

「だといいけど……」

 とりあえず家族がこんな事で死ぬとか勘弁してほしい。マジで気を付けてもらわないと……てかこのマンドラゴラ、魔法使いの有名映画に出てきた奴にそっくりだ。何の薬にする気なんだろ?

「それ、何に使うんですか?」

「ひみつ! できたら教えてあげるね! 期待してて~」

 嫌な笑みを浮かべるマリーを置いて俺達はさっさとここから離れることにした。今度何を育ててるかリストアップしてもらった方がいいかもしれない、なんかヤバいのが多い気がする……

「そういえばアイナ、リザードマン達はどう? 子供結構生まれたんでしょ?」

「あ、はい。順調ですよ! 前の集落よりも環境がいいですしご飯もいっぱいですから!」

 リザードマンの子供は普通の人間より少しだけ成長が早いらしい。それでも何年もかけて育っていくのは変わりないしここにいる以上立派に育ってほしい、ちなみにコボルトの成長はすごく早いらしい。ハイコボルトのアル達は普通の人間と同じ感じらしいが一般のコボルトは人間系種族の半分くらいで成人になるとのことで結構増えやすい。おかげでコボルト達の掘っている地下坑道はすごい勢いで拡大しているとのことだった。

「アイナとフラムの方も問題ない?」

「はい、妹も元気ですよ。今日も戦闘訓練! って張り切ってましたから」

「元気だね~」

「まったくです。あ、そうだ、そろそろ硬ススキが少なくなってきてるみたいですからまた準備しないといけないかもです」

「了解、あれも結構な数作らないとだもんなぁ」

 硬ススキ、日本のススキみたいな植物だが穂がめっちゃ硬くて丈夫なのだ。これは食料として使われるのではなく日用品として使われている。何に使うかというと、これまた少し加工して誰でも知ってる大事な日用品。歯ブラシとなるのだ! 異世界でこういう身だしなみを整える大事な道具はどうしているのか疑問に思うこともあったがちゃんと道具があるのだ! 動画で見たが地球の中世ヨーロッパみたいな排泄物まみれ、お風呂にも入らないなどなどの不衛生さは無いらしい。ちなみに歯ブラシ以外にも水や風魔法が使えればそれで綺麗にできる、ほんと魔法は万能だ。ちなみに、トイレに関してもぼっとん式ではあるがスカラベ達が排泄物を処理してくれているので想像以上に衛生的だし、彼らは家畜小屋の糞なども回収してくれるからほんと助かっている。なんだかんだで想像以上に異世界は衛生的だったのだ、てか魔法でいろんなことがカバーできるお陰で現代地球に負けない快適さがあると思う。

「あ、アイナは今度港町行く時一緒にくる?」

「いいんですか!?」

「うん、さすがにルーフェとガレオンだけだと少ないかなって」

「いきます!」

「じゃあ決まり、行く時声かけるからよろしくね」

「はい!」

 こんな感じでここで暮らす一日は過ぎていくのだった。個人的な感想だけど社畜として時間に追われる地球での暮らしより遥かに幸せだし快適だと思う、まぁドラゴンパワーのお陰というのが一番の理由だよね、転生特典様様だ。

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