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第62話

 冬が始まったある日、ついにあれが完成した!

「ついに温泉が完成したぁ!」

 長かった、温度調整に浴場の改修。たくさん増えた種族に対応するための工夫、めっちゃ頑張った。ホントは冬前に完成させたかったけど、やっと入ることができる。ちなみに今までは桶にお湯を溜めて体を拭いたり川で水浴びをしていた。服もちゃんと洗濯してました! うちは皆綺麗です!

「温度調整が大変だったけど、これなら十分いけるはず!」

「はい、調整槽で川の水を引き入れ源泉と合わせて調整、いい温度になったと思います」

 温泉は全部で三か所建築した。男湯、女湯、そして俺専用と言うか混浴湯だ、最初は男湯と女湯だけでいいよねと思っていたのだがせっかくなら一緒に入りたいという意見が結構あったため俺専用という混浴湯が追加で、しかも一番大きく建築された。大きいのはセッカやヨゾラ達も入るかな? という理由もある。

「アル達のお陰でいい石材が大量に入手できたしね。想像通りのいい温泉ができた!」

「前々から計画されていましたしカルちゃん達も合流してくれて効率が一気に上がりましたね」

 部分的に明らかにこれ宝石だよね? っていう原石が埋め込まれているのだが気にしないでおこう。取っておいても使い道がないからこれでいいやって感じもするしね。

「温泉は好きな時に入っていい感じですか?」

「うん、天然の源泉かけ流しだし好きな時に好きなだけ入っていいよ。俺もそうするし」

 形としては俺専用だけちょっと大きいが三か所とも同じ形で作られている。楕円形の浴槽を半分は普通に座って入れるようにし種族の体格差を考慮して階段状に三段ほど用意していて中心部は結構深い。もう半分はなだらかな坂、というより浴槽の縁に石の枕を設置して寝ながら入れる俗に言う寝湯にしたのだ。イメージとしてはビーチチェアと言うか寝椅子という感じのなだらかさで絶対気持ちいい!

「とりあえず冬に温泉入れるのが嬉しい、二年目でこんないい場所できるなんて夢みたい」

「確かに王都でもなかなかこういう場所は無いですね」

「そうなの?」

「はい、そもそも帝国はサウナが主流でしたからお湯に入るという文化は無かったですね」

「ならサウナとかも作ったほうがいい? 源泉を使えばたぶん作れるよね?」

「そうですね、そちらの方が落ち着く方も居るかもしれませんし」

 今度サウナ小屋も建築を考えてみよう。ちょっとの間は温泉だけで我慢してね! 元日本人からするとこれ、十分贅沢すぎなんだよ!

「入り方は、まず体を石鹸で洗って、浴槽とは別で洗う用のお湯溜めがあるからそれで綺麗に洗い流してから入ってね」

 ちなみに石鹸はだいぶ前にコボルト達が材料になる鉱石を発掘してくれたため量産が既にできているのだ。てか体洗う時に使ってるし。

「先に体を洗うんですか?」

「湯船を綺麗に皆で使うためにね」

「わかりました!」

「これは徹底してね!」

「はい!」

 流石にシャワーみたいな道具は無理だったため桶でお湯を汲んで体を流すという形にした。これでも十分だと思う。

「じゃ、後は皆自由行動で! ありがと、解散!」

 正直、話してる時間がもったいなく感じるくらい楽しみが我慢できなくなってきた。俺はそそくさと服を脱ぎタオルを巻いていざ温泉に突撃! ちなみにタオルなど必要な物はあらかじめクーネリア達に量産してもらっていたので問題無し!

「おぉ~いい感じ!」

 まさに温泉、森の奥深くにある秘湯という感じだ。まずは石鹸を泡立て体を綺麗に洗う、そうしてすべてを洗い流したら。いよいよだ!

「ああぁぁぁぁ~」

 溶けそうになるくらい気持ちいい~幸せだぁ。温度も丁度いいし問題無し!

「早速寝湯を試さなきゃね」

 俺は浴槽の縁にある石の枕に頭を乗せてごろんと横になる。頭だけ出して体は肩まで温泉に浸っている、超気持ちい~こんな温泉入りたい放題とか頑張ってよかった。

「はぁぁ~気持ちいぃ~」

 ちなみにドラゴンモードのまま入れる湯船も最初計画していたのだがとある問題があって断念した、俺専用の温泉がちょっと広いのはその名残でもあるのだ。ドラゴンモードの入浴が失敗した理由。それは人間モードとドラゴンモードでの耐熱性能が違い過ぎたからである、人間モードで気持ちいい温度はドラゴンモードだと全く感じなくなってしまうのだ。水と変わらなくなってしまう。

「人間体があってホントよかったぁ~」

 ドラゴンモードだと源泉を直で浴びてもあっつい!? で済んでしまう。他の人では大火傷じゃすまないレベルの源泉がその程度で済んでしまう体の強固さがこんな欠点になるとは想定外だった。

「ところで皆さん、何でいらっしゃるのでしょうか?」

「タカトがすごく気持ちよさそうにしてたからつい」

 アズハさん何処から覗いてたの?

「ご主人様が楽しみにしてたのですから私も一緒に行きませんと!」

 ルーフェとアズハに両サイドをガッチリガードされた。

「あったか~い」

「私達でも丁度いい感じに入れる構成はさすがですね、きもちいいです」

 ホロンとサラも入っている。深さも丁度いい感じみたいでよかった。そして、胸の凶器が浮いている……温泉に浮いているのだ。そんなすごい物目の前で全開放しないでいただきたい……

「てか、皆隠したりしないの?」

 俺は局部を一応タオルで守っているのだが他の皆は隠そうとすらしていない。確かに今更と言えば今更なんだけど……

「今更隠すものでもないですので!」

「それにこっちの方がきもちいぃ~」

「それは良かった、これからも好きに使ってくれていいからね」

「もちろんです」

「できれば主様と一緒がいいんですけどね」

「ほどほどにお願いします」

 毎回されると理性が吹っ飛ぶ……何かしてしまいそうで怖い!

「全部の温泉は同じように作ってあるから十分楽しめますよ~」

「そうですね、でも私達はご主人様とがいいんですよ」

「もう好きにしてくれ」

 俺は少し仮眠でも取ることにした。ホント気持ちいい気分で幸せだ。

「最初からそのつもりです!」

 この後もアルやセナ達がやってきて賑やかな温泉初日は続いて皆満足していった。これから楽しみが一つ増えた、だがまだ終わらない! これからも快適な生活環境充実させていこうと思う。

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