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第42話

 昆虫軍団がやってきて数日が経った。正直彼らはすごかった……

「鉄鉱石が結構取れましたよ~」

 洞窟からアルと木製の台車を引っ張るクワガタさんが出てきた。ヘラクスとタランドゥス達だがハッキリ言って生きた重機だ、パワーがとんでもない! 鉱物や木材などの資材や重い荷物を軽々引っ張る、持ち上げる、更に鋏や角で咥えて飛ぶはよじ登るはで作業スピードが一気に上がった。ちなみに彼らの希望を聞きコボルト達の洞窟に枯れ木を運び入れ朽木とファウに頼んで菌糸エリアを作ってもらい繁殖が可能なスペースを用意してあげた。

「あ、養蜂蔵なんですけど一応巣分けを考えて二つ目と三つ目を建設しようと思うんですけど」

「まだ早くない?」

「そうですかね?」

「余裕があるなら作っておいてもいいよ」

「わかりました!」

 次に蜂達だがまずコの字型の蔵を養蜂箱として作成そこにスライド式の正方形をした枠を複数用意し、それを蔵にはめ込む形にした。これは蜂達に作ってもらった蜂蜜を巣を破壊しないで回収するための構成でクィーンにも意図は伝わっている、なので向こうもそれを意識して巣を構成してくれるだろう。ちなみにクィーンが蔵に入って数日後三から五センチ位の働き蜂や大きな鎌を持った十センチ以上の兵隊蜂が集まってきて今も巣の作成と繁殖が進んでいるようだ。

「主様、スカラベ達が穴を広げたいようなのだがどういたします?」

「あ、あそこはスカラベ達の好きにしていいよ」

「わかりました、じゃあそう伝えておきますね」

 たぶんクーネリアの隣に居たヒトホシさんが伝えに行くのだろう。そしてこのスカラベ達、この土地の抱えていた問題を一つ解決してくれた。それはトイレ問題! 人が増えてトイレは増設されたり時々地下層を広げたり手入れができるようにいじっていたのだが溜まる物は溜まっていく、それの処理ができないでいたのだ……だがスカラベ達がそれを完全解決してくれた! どうやってるかは察して欲しい。感謝のしるしと言うかなんというか、溜めていたエリアは洞窟として好きに使ってもらうことにした。

「それにしてもあれだね、虫ってすごいね……」

 セッカやヨゾラ達は狩りなど食料で貢献してくれる。昆虫たちはエリア内の作業効率などで貢献してくれている。すごく心強い仲間が増えた……増えたと言えばラウネラだ。

「主様、そろそろトウモロコシが美味しく実っていますよ」

「ありがと、リリネラ」

 そう、ラウネラが来てから数日一人、また一人とアルラウネが増えていたのだ……しかも全員上位種。赤い花のラウネラに青い花のリリネラ、黄色の花のルルネラと綺麗で美人な花が三つ咲いている。来た時にちゃんと挨拶してくれたし基本的に手入れなども自分でしてしまうから放置でいいのだが、下半身は大きな花に包まれていて大丈夫なのだが上半身が、目のやり場に困る……彼女達は服を着る習慣がない、というより光合成の邪魔になると嫌がられた。ちなみにマリーはアウラウネから貰える素材が貴重らしくすごく喜んで大歓迎していた。

「木達も元気です。ここは土がいいですから沢山の実を付けてくれます」

「引っこ抜いて植えなおしてるから心配だったんだけど、そういうのもわかるのは助かるよ」

「私達はお役に立ちますよ、主様」

「ほんと助かってるよ、仲間が来るなら先に教えて欲しいけどね!」

「ふふふ」

 すこし前にカブトとクワガタの為に樹液が飲める木を回収しに行ったのだが想定外の収穫があった、カブト達にどれがいいか聞いていたらなんと、桃があったのだ! 彼らはこういう匂いに敏感らしくすごい勢いで探してくれる。しかも引っこ抜いた木をナナホシさんが糸でまとめてカブト達が背負うというすごい連携を見せつけられて驚いた。結果として土地内に桃の木が五本と樹液の出る巨大な名前のわからない木を一本回収に成功して植えなおした。桃の木は枝が自重で折れそうになったりしていたので補強したりと手間がかかったがもうじき食べごろとのことだし楽しみだ。

「次はファウにも会いに行っておこうかな」

 最近出てこないから忘れられていたかもしれないがファンガスクィーンのファウ、洞窟にキノコルーム作りそこで暮らしている、ちなみに最近拡張して広くなった。カブト達の繁殖エリアと言うか巣を作ってくれたし実は彼女すごくここに貢献してくれているのだ。まずチーズなどの発酵食品の製造には欠かせない、彼女はお手本となる菌を見せたりある程度具体的な説明をするとその効果を持つ菌を発生生産してくれるのだ。このビックリスキルのお陰でチーズやヨーグルト、パンの発酵まであらゆる食材を作ってくれた。現在は大豆を原料に醤油、味噌、納豆の作成研究をお願いしている。彼女は無くてはならない発酵のスペシャリストなのである! ちなみに最近だとマタンゴという小さなキノコの妖精が産まれていろいろ手伝っているらしい。

「あ、主様いらっしゃ~い」

「ファウ調子はどお?」

「んとね、パンキノコとちーずキノコ、よーぐるとキノコはたくさんできるようになってきたよ!」

 ファウの特徴としてイースト菌などの酵母を含んだキノコとして発生させるのだ。そのキノコを粉末状にして使用することでチーズなどの乳製品やパンなどが作れるようになった、地球時代とはちょっと違うができているし問題ない。普通に美味しいし!

「ありがとぉ、ホント助かるよ。なんか欲しいのある?」

「んとね、木が欲しいキノコさん達のおうちが足らないの」

 ファウの部屋を行ったり来たり動き回っているキノコ頭の妖精、これがマタンゴらしく育成など手助けをしながら増殖しているらしい。

「わかった、今度伐採して持ってくるね、でお願いしてたのできそう?」

「ん~まだ漠然とだからわからないけど、もうすぐしさくひん? ができると思うから主様試してみて?」

「わかった、じゃあまた来るから、がんばってね!」

「あい!」

 ファウとはいつもこんな感じだ、幼い雰囲気だが立派な研究者となっていてちょくちょくマリーのお願いで危ないキノコも作ってるらしい。変なことに使わなければいいけど……あと、味噌と醤油が待ち遠しいなぁ。

「正直ここも、もうわかんないんだよなぁ……」

 入り口付近はファウの部屋とカブトさんとクワガタさんの部屋があり、しばらく進むとコボルト達の居住エリアがある。しかし俺は奥の坑道エリアは現在どうなっているか把握できていない、地下坑道はコボルト達に丸投げしているため現在どんな状況になっているか全く把握できていない。クワガタさんは普通に出入りできてるけど彼らは多分そういう能力があるからであって俺らが案内無しに入ったら迷って骨になるかもしれない……てか何気ない岩壁だったはずなのにこんな採掘できるってどういう構造だったんだろ?

「あ、主様、ファウちゃんに用事でした?」

「うん、キルはこれから採掘?」

「はい、ちょっとした鉱脈があったらしいのでそこに行ってきます!」

「気を付けてね!」

 そう言いながら頭を撫でると嬉しそうに尻尾を振ってみせる。コボルト娘達はほんとにかわいい。

「それでは、行ってきます!」

 彼女達は鉱脈を見つける感覚が優れている。おかげで高質の鉱石が手に入るとアリッサも喜んでいたし、採掘の途中で出る岩盤などもカットして石材として使用できるようにしてくれている。おかげで温泉計画もゆっくりとだが進んでいくのだ。

「今日も平和だぁ……」

 各々作業したりのんびりしたり、好きなことをして過ごしている。とりあえず皆が苦しくならないよう俺も頑張らなければと思う一日だった。

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