第111話
「カエデ様、食料の在庫確認完了いたしました」
「テンさん、ありがとうございます」
「はい、次は何をいたしましょう?」
「じゃあ、一緒に資材確認お願いしてもいいですか?」
「了解いたしました」
黒嵐の騒動からしばらくが経ち、すっかり真冬になり雪が積もり始めた。ちなみに結構な雪が降っているが支障が出そうな範囲は放熱魔法で溶かしているので何の問題もない。ホント魔法って便利!
「テュエちゃん次、雪ダルマ作りたい!」
「アーシラ様、お待ちください。今参ります」
あの騒動から数日、魔力の使い過ぎで消耗した俺は数日爆睡してたらしい。ドラゴンと言ってもさすがに無敵な力に無尽蔵な魔力というわけにはいかないらしくそうとう無理をしてたらしい。帰ってきた途端に人間モードになりそのままぶっ倒れたらしい、どうやら限界を超えると燃費のいい人間モードに勝手になり回復するまで寝続けるらしい。いろんな物語に出てくる強いドラゴンが基本的に巣で寝ているのはこういう消耗の問題があるのかもしれない、巨体を維持するのはどの世界でも大変なのだ。恐竜も滅んでいるし、象などもあの体を維持するために異常なほど食べるというしね。
「ナイン殿、今作ってる服があるのですがちょっと採寸と試着お願いしてもいいですか?」
「クーネリア様、了解いたしました問題ありません」
「では私の工房へ」
「はい」
そして俺が寝ている間もルーフェ達は情報収集をしてくれていた。城と王が消滅したアレクロン王国は現在内戦が勃発しているらしい、王と後継者の第一王子が俺の一撃で消滅したため継承権第二位の王子と第三位のお姫様を担ぎ上げた貴族派閥で争いが激化しているらしい。冬で越冬もあるというのにお構いなしで争ってそれはもう悲惨な状態だとか……ちなみに勇者も両陣営に一人ずつ着いているらしい。ちなみにトールはアーデルと共に食料の押収などで苦しむ民を助けるために両陣営を相手に立ち回っているらしい。それはもう彼の事だけで一つの物語が作れそうな勢いだった、もしかしたら本当に英雄になるかもしれないね。
「イレブンさんもう一度お願いします!」
「キッドさん、先程の振り抜きは形が崩れていました。あれでは途中で引っかかってしまいます」
「はい!」
昆虫軍団とアウラウネ達は冬眠、コボルト達も坑道から出てこないしリザードマン達も家でのんびりすることが多くなっている。今年は長期間離れたりしていたから皆とあまり会わなかった気がする、セナ達のおかげで区画整理に家の再建築と三年目にして一気に快適になった。ホント感謝しかない、さすがに自分だけでは動画とかで知識はあってもアニメとかみたいに物を作るなんてことできないだろうしそれぞれの得意分野を活かして活躍してくれてありがたい限りだと思う。
「……エイトさん?」
「はい、何でしょうかマスター?」
「別に付いて回らなくていいんだよ? 自分の好きなことして構わないって言ったでしょ?」
「はい、ですのでマスターのお世話をしております」
「……」
もう気づいていると思うけど彼女達はアーデル・エイト、ナイン、テン、イレブン、テュエルブ。黒嵐用に準備されていたアーデルシリーズの後番達でお礼のコンテナに入っていたのが彼女達五人だったのだ。プロトゼロ同様裸のままカプセルのような装置で培養されていたらしく回復してから早速開けて驚いた。なにせ起きた瞬間、ヴリトラ様に尽くすようにインプットされていますとか言い出して聞かなかったのだ。もうしょうがないからメイドとしていろんな事の手伝いをしてもらうことにした。
「あ、主様やっと見つけました!」
「イリオ、どうしたの?」
「エイトちゃん借りたくて。またお話聞きたいんです」
「俺は今日はのんびりしてるだけだしいいよ、エイト。手伝ってあげて」
「了解いたしました」
「ありがとうございます! エイトちゃん私の研究室に!」
「はい!」
博士が言っていた通り彼女達には予め基本知識の他にアレクロンを中心にこの大陸のある程度の情報と歴史がインプットされていた。実際科学者よりのイリオやマリー達にとってはすごくありがたい情報だったのだろうし戦闘用に作られていただけあって異様に丈夫だし強い。ホント万能メイドという感じだった、ちなみに女性としての器官もあるらしく子供は作れないが相手もできるとのことだった。しかもどんなプレイでも対応可とか……ちょっとそっち系の本やアニメを想像したけど、博士をぶん殴りたくなったね。余計なお世話だ!
「しかし似合ってるなぁあのメイド服」
彼女達五人は本格的なメイド服ではなく、ミニスカにエプロンと俗に言うアニメメイドのようなかわいい衣装を着ているのだ。前にクーネリアにそういう衣装やコスプレ系衣装の話をした時にすっごい勢いで興味をもち作り上げてしまったのだった。完成度もめっちゃ高いし可愛かったのでいざ実装してみたら女性陣から私も着てみたいと人気が出てしまった。アーシラがものすごく欲しがったので青い専用カラーの物を作ってもらったりガレオンのウェイトレス衣装として紫の物をお願いした。あとはちょいちょいコスプレ衣装を着たがる人のために着せたいクーネリアがオーダーメイドでいろいろ作っているらしい。
「完全無欠の完璧メイドだったら手はかからなかったんだけどなぁ……」
彼女達は完璧だが欠点もあった。ほぼ永遠を生きれるホムンクルスであるが体の維持や器官の制御を魔力で行っているため魔法が一切使えないし彼女達にはセブンのような無限に魔力を周囲から吸収する核も無い。じゃあどうやって動いているかと言うと、俺が魔力をチャージしているのだ。一週間位は平気で持つが定期的に補充してあげないといけないのだ、まぁそれ以外は全然問題ないし大丈夫だと思う……今のとこはね。
「さてと、一人になっちゃったし温泉でも行こうかな」
俺は久しぶりの一人を満喫しようと準備をして温泉に向かって歩いていくのだった。




