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第10話

「よ、よろしくお願いしますっ」

 翌日、改めて連れてきたエルフ達を紹介した。もちろん今まで通りセッカ達を見て唖然、蜘蛛さんズを見て崩れ落ちてと展開がお約束になってきた。そして奴隷扱いでボロボロだった服はクーネリアが新作を一晩で仕上げて着替えさせていた。

「細かい事はセナに任せちゃっていい?」

「はい、お任せください!」

 新しく連れてきたエルフ達は三姉妹とのことで全員ピンクっぽい赤系の髪色をしていた。長女がポニーテールのリサ、次女がショートのリコ、三女がストレートのリリとの事で木工系と畑をお願いすることになった。

「今日のやることは、とりあえず、畑を拡張します」

 昨日もらった小麦と大豆を植えて量産したい。今回は冬までに間に合わないのでとりあえず土地として用意しておこうというだけだ、しかしパンや豆製品を考えるとそれなりの範囲が欲しかった。あとは放牧場の打診も受けた(別に馬の存在は忘れていないしちゃんとお世話しております)

「……」

「リサちゃんどうかしました?」

「いえ、ヴリトラ様、昨日はホントに怖い方なのかなって思ったんですけど……」

 どうやら俺が木を引っこ抜き、炎で草を焼き払い、土を爪で耕している姿を見て昨日とのギャップで混乱しているようだった。

「主様は普段あんな感じですよ、ただ敵対する者に容赦が無いだけで」

「そうなんですね……」

「じゃあ来て早速で悪いんだけど、主様の引き抜いた木材を加工していきますよ!」

「はい!」

 三姉妹も働き者ですごく助かっているし、ここで使われている鱗道具の性能に喜んでいた。そして、セッカの子供達だが牙が生え、最近ではお肉など普通の餌を食べるようになり結構大きくなってきた。と言ってもセッカやフブキの三分の一あるかないかくらいだ。

「ワン!」

 シローが俺を呼びに来た、このパターンは新たな住人な気がする。

「シローどうしたの?」

 ついて行くとセッカがお座りして待っていた。何かを咥えている……大きなキノコ? いや、キノコのカサから幼女が生えている。足がなんだか根っこみたいになっていたりと普通の人では無いのはわかった。しかも白目向いて気絶している、アニメとかなら口から魂が抜けてる演出が見えそうな感じだ。

「シロー、クーネリア呼んできて」

「ワン!」

 クーネリアを呼んだ理由、それはキノコ幼女が裸だったからだ。とにかくいろんな意味で幼女の裸は危険だし俺はロリコンじゃない! 早急にワンピースを作ってもらい着せてから気が付くのを待った。

「ぴぎゃっ!?」

 キノコ幼女は突然目覚めた。そして俺を見てフリーズした。これもいつものお約束になってきてる気がする、俺は悪いドラゴンじゃないよ!

「この子、ファンガスクィーンじゃないですか?」

「ワン!」

 セッカが正解! と言うように答える。

「ファンガスクィーンって?」

「キノコ系亜人マタンゴ族の最高位種族です。まだ幼い感じですが間違いないと思います」

「た、食べないで……」

 めっちゃ怯えられてます。まぁ、ドラゴン、狼、アラクネに囲まれたらこうなるよな……

「食べないよ、敵じゃない。安心して、なんでこの森にいたの?」

 できるだけ優しく、敵意はないよと伝えてみる。

「お母さんの住む場所から巣分けの為に旅だったら、この狼様に出会って、突然咥えられて……」

 連れてこられたということらしい。セッカが連れてくる種族は今のところ優秀だ、引き入れられたら利益があるのだと思う。

「あなたは、良菌種ですか?」

「なんか種類があるの?」

「マタンゴ族は大きく分けて他種族と共存し安全な繁殖地を提供してもらう代わりに有益な菌を提供する良菌種と、毒により住処を拡張、殺した死骸を苗床に増えていく悪菌種の二種類に分類されるのです」

「私、悪いキノコじゃないよ……住ませてくれるならたくさんお手伝いするよ?」

 どうやら良菌種のようだ。そもそもセッカが咥えてた時点で問題ないとは思った。

「住処が欲しいんだよね? ちょっといい場所があるんだけど一緒に来ない?」

 俺は人間モードになり、はてなマークを出しているキノコ幼女を連れていく。もちろん行く場所はコボルト達が掘ってくれたキノコの養殖室だ。

「すごい! すごいすごい!!!」

 部屋に入った瞬間ものすごく目をキラキラさせて興奮しているのが伝わってきた。

「気に入ったならここに住んでくれていいよ、ついでにキノコの面倒見たりしてくれると嬉しいかな」

「ほんと!? 住みたい!! ここ、すごくいい!!」

 正直キノコの繁殖が放置してても順調だったのでなんとなくそんな気はしていた。

「君はお名前ある?」

「?」

 あ、無いみたいだ。

「じゃあ、今から君はファウだ。よろしくね」

「ファウ! 私の名前! よろしくお願いします!!」

 後で聞いたのだが、知能の高い亜人種は歴代の家族に誰かしら言葉を理解したものが居れば継承して覚えていくとのことだった。ファウやアル達が普通に会話できたのはそういうことらしい。

「ヴリトラ様、アルちゃん達の作った窯で木炭を作ってみようと思うのですがいいですか?」

 ファウを案内して外に出てくるとリリがウルと話しているところに出くわした。

「あ、いいよ! やりたいことあるならどんどんやっちゃって。ウル、悪いんだけど要望に合わせた窯の作成お願いしてもいい?」

「お任せください!」

 二人は早速話し合い、作成を開始した。俺達は冬に向けて着実に準備を進めていくのだった。

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