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自分の気持ちに気づいたので、これからどうすればいいのかと考える。


 うーん、これって真実の愛?ではないのよね。

 だって私は正常でもスナイル様はちょっと…。


誰もが口を閉ざし、王子の病状に直接は触れないように細心の注意を払っている。

つまり王子がお花畑の住人であることは変えようがない事実なのだ。



スナイル王子は絶賛錯乱中のため『おとぎ話のシンデレラ』である私に恋をしている。

でもそれは元に戻ったら、消えてしまうだろう気持ちであって本物ではない。


『うっ、うう…辛いわ』と嘆きつつも彼が元に戻るまで健気に支えて、元に戻ったら静かに身を引くのが淑女の鑑なのだろう。


それは分かっているけど…納得できない。



 …い・や・だ・わ。



身を捧げて尽くした挙げ句、泡となって消えるのは『人魚姫』であって『シンデレラ』ではない。


シンデレラは前向きに頑張って、魔法使いに味方してもらうというちょっと小狡い手を使って見事に幸せを掴むのだ。


決して幸せを諦めない『不屈の精神を持った女性』、それがおとぎ話のシンデレラの真の姿といっていいだろう。


シンデレラ令嬢と呼ばれている私だけれども、残念ながらおとぎ話のシンデレラほどのたくましさは持ち合わせていない。


 うう…残念だわ。

 もっと神経が図太ければ…。


 

前向きだとは思うけれども平凡な私。


特別な才能はないし、王子が正気を取り戻したら見向きもされないだろう。



 このまま諦めるの?

 それでいいの…?


自分の心に問いかけると答えはすぐに出た。



『諦めないわ!結末なんてまだ分からないもの』



私の気持ちに嘘はないのだから、思ったままに突き進もう。

まだ見ぬ未来を嘆くよりは、今の想いを大切にして、その結果どうなろうが、またその時になってから考えればいい。


そうと決まったら即行動に移すことにした。善は急げと昔から言われている。


毎日訪問して愛の言葉を囁く王子に気持ちを隠すことなく接し始める。


『リリィ、今日も可愛いな』


チュッチュッとさり気なく口づけてくる王子に思ったままを伝える。


『スナイル様は今日もとても素敵ですね。

完璧な王子の顔は私には見せてくれなくても、今のままのあなたになぜかときめいてます。

素のというか…お花に囲まれて幸せそうなというか』

『…花に囲まれてか??』


首を傾げる王子。

治療中の王子に言ってはいけないことを言ってしまったと慌てる。


『違います、花ではなく鼻でしたわ』

『……鼻?……もっと意味が分からん』

それはそうだろう、言っている私だって分かってない…。

『意味はありませんから。とにかく全く意味はありませんので忘れてくださいませ!』

『…あ、ああ』


とにかく圧を掛けまくり王子の疑問を力技で握りつぶす。なんとかぎりぎり治療には影響は出ないだろう。


『それよりも大切な本題に戻りますから、よく聞いてくださいませ。

会うたびに胸がドキドキしてギュッと抱きしめてくれたらいいなと実は心のなかで思っていますわ。

ふふふ、私って変わった趣味嗜好なんですね。あなたに出逢って新たな自分を知りました』


自分で言っておいて、ちょっと引かれてしまうかと思った。錯乱してる危ない人に恋してしまうという特殊性癖であると自ら告げたのだから。



でもそれは杞憂に終わる。


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