第二章 亜人の国ウルガルナ編 登場人物・用語解説
ウルガルナ国の戦いにおける登場人物たちの紹介です。また、用語や戦闘の経緯についてもまとめています。本編をより深くお楽しみいただける材料として、ご一読いただけると幸いです。
【登場人物-シルメア-】
天城ナガト
ウルガルナ遠征軍としてリリアスと共に鉱山都市キルゴス救出戦に参加。アルフォンの繰り出した人造兵の性質を見抜き、上手く交戦を避ける立ち回りを見せた。講和会談ではいち早くケイレスの意図を察知し、次なる戦いの盤面を描いている。
リリアス
ギーナ回廊を失ったウルガルナを救援するため、自ら特使兼軍代表の立場でウルガルナを訪れ、同盟関係を締結。鉱山都市キルゴス救出戦にてシルメア遠征軍と首都セレナのウルガルナ軍から成る連合軍を率いて戦いに臨んだ。戦闘終了後もシルメア、ウルガルナ両国の連携を深めるべく、外交手腕をふるった。
アルジュラ
狼騎兵を率いて鉱山都市キルゴス救出戦に参戦。戦闘序盤に魔道将軍フェリアルを討ち、メルフェト軍の戦力を大きく低下させた。人造兵が投入されてからも後退戦の殿を務め、突出した歩兵を多数討ち取る。戦闘二日目にはメルフェト軍の側面を突破し、バルディア軍の背後に迫ることでキルゴス攻撃の手を緩めさせた。
イゼル
アルジュラとともに狼騎兵を率いて戦場を駆け、ギークスと交戦してフェリアル撃破に貢献した。その後もアルジュラとともにメルフェト軍やバルディア軍を牽制する活躍を見せた。
ジルヴァ
餓狼兵を率いてキルゴス救出戦の先鋒をつとめ、二度にわたってメルフェト軍本陣に迫り、彼らを震え上がらせた。結果的にアルフォンは"魔狼"を撃退するために想定外の場面で人造兵を投入せざるを得なかった。
【登場人物-ウルガルナ-】
ゲルドラ
ドワーフ族の長にてウルガルナ代表のひとり。援軍として訪れたリリアスらと会談し、同盟関係を締結した。
エリナベル
エルフ族の長にて、ゲルドラと同じくウルガルナ代表のひとり。援軍として訪れたリリアスらと会談し、同盟関係を締結した。
オルグ
ギーナ回廊防衛軍所属のドワーフ族の将。ギーナ回廊にてドワーフ隊を率いて奮戦するも、フェリアルの高位炎魔法により同胞を多数失い敗走。部隊を鉱山都市キルゴスに集結させ、抗戦を続けた。戦争後はナガトの要請により、配下のドワーフ兵とともにシルメア軍所属となった。
ヴィラ
ギーナ回廊防衛軍所属のエルフ族の将。数々の属性魔法を操るエルフ神官兵とともに帝国軍と戦った。本人も一通りの属性魔法を習得している一流の魔術師でもある。戦争後はオルグと同じくシルメア軍所属となり、ナガト直轄の部隊となる。
【登場人物-ダレム帝国-】
バルディア
シルメア国内より東進し、ギーナ回廊の背面にまわる指令をうけてウルガルナ戦に参戦。バルディア軍の到着により、ギーナ回廊の陥落を決定付けた。キルゴスの戦いでは、北方方面より都市守備隊に苛烈な攻撃を加えた。
ケイレス
バルディアとともに戦闘に参加していたが、人造兵を投入するタイミングの不自然さから、メルフェトの意図を見抜く。彼の目的を阻止するため、シルメア、ウルガルナ連合軍との早期講和を実現させた。
ジェノン
バルディアとともにギーナ回廊内部よりウルガルナに侵攻。キルゴスの戦いでは援軍を率いてギークスの窮地を救った。戦闘二日目ではバルディアとともにキルゴス攻めを続けたが、ケイレスの提言を守り、全力攻撃はおこなわなかった。
ギークス
帝国軍南東方面の軍団長。バルディアとは同僚で旧知の仲。南東方面軍団を束ねるのは本来彼であるが、今回は皇帝から勅命を預かったメルフェトに軍団を委任し、本人は前線指揮をつとめる。連合軍の兵の動きを敏感に察知して采配を振るうも、メルフェトたちとの軍事の感覚の違いに苦しんだ。
メルフェト
魔道旅団の長にして帝国元帥。帝国軍内部で暗躍し、ウルガルナ侵攻を主導した。配下の魔道将軍フェリアル、アルフォン、オルトルを率いてギーナ回廊を陥落させ、二個軍団による鉱山都市キルゴス包囲まで盤面を詰めたが、ナガトやケイレスらの行動により作戦は失敗に終わった。
フェリアル
魔道将軍の座につくメルフェト配下の将軍。通常の魔法とは桁違いの威力と範囲を誇る高位炎魔法の使い手。難攻不落のギーナ回廊の戦いでは、高位炎魔法にて守備隊を焼き払い、勝利を決定づけた。続くキルゴス救出戦においても高位炎魔法による連合軍殲滅を狙うが、ナガトの伏兵とアルジュラの挟撃にあい、戦死した。
アルフォン
魔道将軍の座につくメルフェト配下の将軍。本陣陥落の危機に人造兵を投入し、以降戦闘の流れは人造兵中心に組み上げられるほど、戦闘に影響を与えた。
オルトル
魔道将軍の座につくメルフェト配下の将軍。人工生物を生み出す研究をおこなっているが、ウルガルナ侵攻の際には投入できる段階にはなく、その実力は明かされなかった。
【用語】
炎魔法
魔道旅団の魔術師が主に使用する元素魔法。術者から炎を前方に放射する。
水魔障壁
正面に水の壁を出現させる水魔法の応用魔法。帝国軍の炎魔法や弓矢の攻撃を防ぐために用いられた。
風魔法
術者の正面に突風を起こす魔法。応用魔法として、風の刃として放つことも可能。
高位炎魔法
術者の前方から炎を放射する性質は炎魔法と同様であるが、その威力は比較にならない戦略級の魔法。修得の方法すら失われており、ダレム帝国内でも使用できるのは魔道将軍フェリアルのみであった。
人造兵
アルフォンらが物質に魔力を伝導させる研究の末に完成させた魔道兵器。ジルヴァをさらに上回るほどの巨大な体躯をした石像の兵士。攻撃方法は単純な殴打が中心だが、その質量から放たれる攻撃力は計り知れない。しかし動きが鈍重であることや、稼働時間が限られる等の欠点が戦闘中に露呈し、その性能を活かしきれないままナガト達に翻弄されることになる。
【戦闘の経緯】
ギーナ回廊防衛戦
【参戦者】
ウルガルナ軍:オルグ、ヴィラ
ダレム帝国軍:メルフェト、フェリアル、アルフォン、オルトル、ギークス
【参戦戦力】
ウルガルナ軍:ドワーフ兵9000、エルフ兵6000
ダレム帝国軍:歩兵20000、騎兵1500、魔道旅団800
【戦闘の経緯】
オルグとヴィラはそれぞれの兵を率いてギーナ回廊を堅持していた。正攻法での陥落が困難とみた帝国軍は、フェリアルの高位炎魔法により守備隊の三分の一を消滅させた。同日にバルディアらの増援部隊がギーナ回廊南西部に出現し、ウルガルナ軍はギーナ回廊を放棄、国内に撤退した。
鉱山都市キルゴス救出戦
【参戦者】
シルメア軍:リリアス、アルジュラ、イゼル、ジルヴァ、天城ナガト
ウルガルナ軍:オルグ、ヴィラ
ダレム帝国軍(メルフェト軍):メルフェト、フェリアル、アルフォン、オルトル、ギークス
ダレム帝国軍(バルディア軍):バルディア、ケイレス、ジェノン
【参戦戦力】
シルメア遠征軍、ウルガルナ軍-首都セレナ所属-連合軍:歩兵4100、狼騎兵400、餓狼兵500、ウルガルナ兵-ドワーフ・エルフ混合-3000
ウルガルナ軍(キルゴス守備隊):ドワーフ兵7000、エルフ兵5000
帝国軍(メルフェト軍):歩兵18500、騎兵1500、魔道旅団650、人造兵50
帝国軍(バルディア軍):歩兵17000、騎兵850
【戦闘の経緯】
鉱山都市キルゴスに集結したオルグ、ヴィラらが率いるウルガルナ軍を、北方から西部にかけてバルディア軍が、メルフェト軍が南部より包囲し、占領を試みた。戦闘開始より数刻後、首都セレナ方面よりシルメア+ウルガルナ本国連合軍が到着し、メルフェト軍の背後を突く形で参戦。フェリアルが高位魔法にて迎撃を試みるも、アルジュラに討ち取られて戦死。続けてメルフェト軍本陣の窮地にアルフォンが人造兵を投入した。
ナガトは人造兵をキルゴスから引き離す必要があると判断し、軍とともに南進。メルフェト軍は連合軍を追って移動した。アルジュラは狼騎兵を率いてバルディア軍の背後にまわり、都市攻撃部隊の注意をそらした。この動きでキルゴスは陥落を免れることとなった。
戦力差は未だ帝国軍有利であったが、メルフェトの意図に気付いたケイレスは、急遽連合軍に講和を申し入れる。メルフェトはそれに対し反発するも、最終的には講和が成立、戦闘は終了することとなる。




