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万能工具で異世界修理屋  作者: 武川やまね
第ニ章 米に願いを 編
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空を飛ぶものの開発② ー デンダナイフって何?


【空を飛ぶ魔道具】の開発。


パーティーグッズの魔道具の【手に持って念じたら光る】の機能を応用して設計する。


この機能は【紫色の結晶体】によって発動する。自分の体に接触させて念じると「対の結晶体」の魔導電率を0〜100%で変化させる性質っぽい。

おお! これは中々にすごい機能だ。


「よくわからんニャ。何がすごいニャ?」


ちょっと待ってろ。このパーティーグッズの魔道具から「部品取り」してすぐに「試作機」を作ってみるから。



で、作ったった空を飛ぶものプロトタイプ2号機。

1号が「大きなスカート」形状だったのに対して2号は「小さなスカート+体の各部位」にコンプレッサーの魔道具を取り付ける形。


計8基の腰、胸、背中、二の腕に取り付けているコンプレッサーの圧縮空気の出力を【頭の中のイメージ】で変えられる。それで飛ぶ。


「どうなってるニャ?」


紫の結晶体の効果で【脳波を魔道具出力に変換】してるんだ。だから頭で思い描いた通りの場所のエアーが出力される。これは慣れれば自由自在に飛べるし空中での立て直しも容易だ。


「おお、すごいニャ! アクロバットに飛べるニャ!」


1号の「大きなスカートタイプ」は直立姿勢しかとれなかったのが2号だとウルト○マンが飛ぶような姿勢でも飛べる。某漫画の立体機動で飛ぶ装置の高持続型、高高度型といった所か。


で、今回作ったのは人に装着するタイプだけど例えば「バイク」の形にしてハンドルを握って念じれば飛ぶような「乗り物」も作れそう。


「フォーにも作って欲しいにニャ。」


おう。この「紫の結晶体」が調達できたら作れるぞ。


ーー


というわけで冒険者ギルドに「紫の結晶体」の調達依頼。これもダンジョンで採れるらしい。


「おう。採取依頼承ったぜ。何か色をつけるか?」


「色」は……どうしようか。前回は【急ぎ対応】してくれた冒険者に「ククリナイフ」を配ったが。



「そういや大将、こういう依頼が来てるぞ。」


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

依頼人 ルリ・ラピスラズリ


〜【デンダナイフ】の調達依頼ですわ。一目見た瞬間、ビビっと来ちゃいましたわ! あの光沢、謎の加工技術、鋭い切れ味は巧みの逸品に違いありませんわ。私が譲ってもらったのはデンダナイフの四番目のもの。と言う事は最低あと3丁はこのナイフがあるという事! というわけで【デンダナイフ】の調達依頼です。一本当たり金貨100枚払いますから必ず調達してきてくださいな!〜


△△△△△△△△△△



……デンダナイフって何?


「え? ほら、大将が前に配った「ククリナイフ」だろ。その調達依頼だ。「王都の貴族様」からの依頼だよ。」


マジか。しかも金貨100枚って結構な額だぞ。


「どうする?」


どうするか。

俺がククリナイフを作って納品するって手もあるが……いや、でも以前はたまたまダンジョン産で【良い素材】が手に入ったから(楽に作れただけ)だし。


同じクオリティで作るとなるとちょっとな。


「そうか。噂通り大将は「特上の素材が無いと武器は作らねーって事」だな。」


まあそういう事。



てか調達依頼にこんな長文を載せられるんだな。


「この貴族様は愛好家(マニア)だろう。たまに自慢を織り交ぜた依頼が来るんだ。」


なるほど。


まあ今回は【お急ぎ】対応してくれた冒険者グループには「修理割引優先券」のプレゼントにしよう。


ーー


「紫色の結晶体」は結構な数が集まった。

修理割引優先券目当ての冒険者達がたくさんいた。


で、せっかくだからレーン達のパーティー分の【装着型の空を飛ぶ魔道具】を作る。


「ちょうど断崖絶壁フロアがあったんだわ。ナイス彼ピ。」

「これは面白いものを作ったのだ。ふわふわ飛ぶのだ〜。」


おう。役に立つようなら良かった。

やっぱり簡単な構造だと量産化が容易いな。



「ん……そう言えば、デンのナイフの調達依頼が出てた。」


あの貴族の依頼か。まあ武器製作は良い素材が入ったらにするよ。最近は修理依頼もコンプレッサーの魔道具の製作依頼も増えてきているし。


「それが良いニャ。お兄さんは働きすぎだからこの上さらに仕事を増やすのはやめた方が良いニャ。」


そんなに働きすぎかな。週6の定時勤務だけど、

まあフォーがそう言うならそうしよう。



「邪魔する。また来たぞ。」


あっ、龍人のジルバだ。

街の近くに巣食っていた飛竜は……

無事に討伐できたみたい。


「工房主殿の作ってくれた武器のおかげだ。」


そしてお礼だと言って大量の【竜骨】をくれた。

え? 全部タダで? 貰えるんならありがたいけどこの竜骨は不純物を含む天然の状態だから「精錬」「鍛治」が必要だ。ウチはそのどちらも経験が無いが。


「何、工房主殿ならできるじゃろ。期待しているぞ。」


期待されてしまった。



「キュッ、キュッー♪」


あっ、召喚獣の工機がやる気を見せている。自分が「溶鉱炉」や「鍛治台」になるから「精錬」をやろうって? 時間が出来たらやろうな。俺は働きすぎらしいから。


「バカンス行きたいニャ〜。まとまった休みをとってどっか遊びに行こうニャ〜。」


そうだな。


バカンスか。


……もう来週あたりに計画しようかな?



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