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万能工具で異世界修理屋  作者: 武川やまね
第ニ章 米に願いを 編
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【工機召喚】を覚えた ー 空を飛ぶものを開発①


女神セサミ様から保護をもらった。

「2つ」も。


一つ目は【性別転換】


この保護は使わないから別にいい。

周りの女性陣が催促してくるけど無視。



二つ目は【工機召喚】


これは工作機械を召喚する。

旋盤とか加工機とか工作用の機械。

万能工具と違って誰でも使える。


「キュッキュッー♪」


しかもしゃべる。

声をかければ自動で動いてくれる。

あと工機というか【重機】にもなる。

フォークリフト、ショベルカー、ユニックなど。


「これは便利な召喚獣ニャ。」


獣か? でもしゃべるから生き物か。



万能工具と同じようなラインナップを出せるから修理依頼が捗った。


「キュッ、キュッ、キュッー!」

「えっ。こうですか。わかりません!」


装備品の修理に不慣れなカナコを工機が指導している。なんか俺の分身が出来たみたい。



「コウキ! 屋根までの道をつくるニャー!」

「キュッ、キュッ!」


工機が「ショベルカー」になってショベルを屋根につたわせた。フォーめ、あんな危ない使い方をして。まあ、フォーだし良いか。


ーーー


「デンダー、いるー?」


メイだ。どうした?


「実は……。」


メイが今度、王都の魔法学校へ入学するらしい。

もうすぐこの港町を離れるからその挨拶と、


「あと「あの子」を持っていくから言っとこうと思って。」


あの子っていうのは【小型飛行機】か。

……今後は小型飛行機を借りれなくなる?


あれがないと陸の孤島にある「戦艦ノア」に行けなくなる。あの辺は凶悪な海モンスターがいるから船も近寄れないらしいし。


じゃあなんとか方法を考えるか。

戦艦に行く方法はまず空路しか無いと考えて……


【空を飛ぶ方法】


魔法だと「フライ/<浮遊>」や「ハイフライ/<飛行>」なんかがある。ただ長くても10分とかしか飛べない。


他にもミナコは【拳闘特化】の女神の保護で数分だけなら舞空術のように空を飛べるしカナコはロボットとして背中のバーニアで少し飛べる。


「それならマスター、作っちゃえば良いじゃないですか。私のバーニアとかと同じものを。」


それが出来たら苦労はしない。

カナコのバーニアはかなり複雑なメカニズムで作られており模倣して作るにしてもすごく大変。作るならもっと設計要素を少なくして簡単に作りたい。



……【コンプレッサーの魔道具】で空を飛べないかな?


ちょっと設計してみよう。


カナコ協力してくれ。


「わかりました。マスター!」


ーー



出来た。プロトタイプが。

これは人1人に取り付けて飛ぶタイプ。

形は「スカート」形状で腰に取り付ける。


ジオ○グみたいな感じのスカート下方全方位に【コンプレッサーの魔道具】の放出口を向けて圧縮空気を出してそれで飛ぶ。飛ぶというより「浮かぶ」に近いが。


で、進みたい方向の逆方向に圧縮空気を出せば動ける。


「なんかゆっくりニャね〜。もっと速く飛べないかなニャ。」


無茶言うな。


作ってみてわかったけど「ドローン」とか「ロボットのバーニア」とかはかなり精度の高い「自動位置制御」によってしっかり飛べるようになっている。


ドローンとかは空中で風を受けても【向き】、【高度】を素早く感知してそれを「立て直す」ように推進力を自動調整して働くようになっている。


今回作ったのはコンプレッサーの魔道具の電源や調整スイッチが全て【手動】。例えば上空で衝撃を受けてバランスを崩してしまった場合。落ちながら手動のスイッチをちゃんと操作、調整して「立て直す」必要がある。


それが中々に難しい。


「制御が難しいですー。地面に何回も激突しちゃいました。」


ロボットのカナコのおかげで色々な問題が判明した。

転倒を防ぐための「スカート形状」にしたりした。

その必要な「安全設計」のためにそんなにスピードが出る設計はできなかった。


うーん、何か良い方法ないかなあ。


……設計開発の先輩の言葉を思い出す。


(設計なんてほとんど【流用設計】だって! 特許とかなんかほとんどプラスアルファなんだから。だからわからんなら他の製品の上手くいってる実績とかを見る。これが1番ラクで早いよ。)


流用設計か。


パパスの商会行こう。

それで他の魔道具の設計を参考にしよう。



「いらっしゃいませ。デンダさん。先日の王女様の件は……。」


王女様が事故でウチに来た件はパパスにも少しお世話になった。パパスは歴戦の商人だけあって王女様にも「借りを作る」ようやり取りしてた。



で、パパスの持っている魔道具を見せてもらう。魔道具は基本的に「非売品」だけどパパスと俺の仲だからいくつか見せてくれる。


その中で気になる物が。


……これは。


「これはパーティーグッズの魔道具ですね。」


短いロッドみたいな魔道具で持って「動けと念じる」とピカピカ光る。しかも……「念じる」時の心持ちによって明るさが変わった。


「何か気になりますか? よろしければお譲りしますが。」


このパーティーグッズの仕組みは……【空飛ぶ魔道具】の開発に活かせるかも。パパスに買う理由を説明すると、


「とうとう魔道具を「開発設計」する域にまで達してしまいましたか。デンダさん。」


パパスに感慨深い目で見られた。


パパスとの付き合いも長いからな。




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