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万能工具で異世界修理屋  作者: 武川やまね
第ニ章 米に願いを 編
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ミナコを女に戻すには ー ダンジョンへ行こう


ミナコと教会へ。


ミナコを「女に戻せるかどうか」を女神メーコ様と相談する。


「俺は別に男のままでも構わないけど。」


ミナコはそう言うが「俺が構う」の。



(あら? 女神の保護持ちが2人ね。うち1人は久しぶりかしら。)


お久しぶりです。女神メーコ様。実は……


(女神ジャガンね。やる事が「女神パン」「ブレド」と同じでえげつないのよ。まったく!」


事情を話すと女神様は憤慨された。

ミナコを女に戻せるのか聞いてみる。


(ダンジョンの女神なら可能性があるかしら。)


なんでも女神ごとに出来る事がそれぞれ違うらしい。与える「女神の保護」の種類や「現世へ干渉できる事」も。


その中で唯一、可能性ががあるのがダンジョンを管轄する【女神セサミ】。


(気まぐれだから気をつけるのかしら。)


気まぐれな女神か。


ーー


で、レーン達にダンジョンに行く件を相談。


「ダンジョン? 何しに?」


女神様に会いに。ダンジョンの祭壇まで。


「ダンジョン!? 

 ダンジョンに女神様がおわすのね!?」


女神大好きのパエリアが食いついてきた。

おう。ダンジョンの女神様に会いに行くんだ。


って言うとパエリアは崩れた。


「やっぱり……私の感覚は……間違って無かった……。ダンジョンにも……女神様はいらっしゃった!」


床に転がりながら天井を見て叫ぶ美人の女性。

その姿はちょっと怖い。



話を聞くと、

まず教会的に女神は【唯一無二の存在】。(本当は何柱もいるけど言うとややこしくなりそう。言わないでおく。)


ダンジョンには「祭壇」が発生(ポップ)するが祀られているのは「悪神」というのが一般常識。だってモンスターを生み出すダンジョンだぜ? って事で。


でもパエリアはダンジョンの祭壇から女神の存在を感じ取っていた。他にも地域によって女神が違う事も。


パエリアの感覚が正解だ。

でもそんな事を言うと教会から「異端」扱いされるから言わないでいたらしい。宗教関係は気難しいからなー。


「使徒様と一緒にいて良かった。……私は真実に辿り着けた……。」


パエリアには後で当たり障りのない部分をもっと教えておこう。



というわけでダンジョンの祭壇に行く。


「陣形は……」


前衛……ビビンバ(リーダー、重剣士)

前衛2……パエリア(副リーダー、剣士)

前衛3……カナコ(二刀使い)

中衛……ガパオ(盗賊)

護衛対象……俺

護衛役……フォー(槍使い)

後衛……レーン(魔法使い)

殿(しんがり)……ミナコ(拳闘家)


俺は護衛対象。まあ、戦えないからな。



で、目的の祭壇のあるエリアは既に踏破された場所。ただ魔物(モンスター)(トラップ)なんかは再発生(リポップ)するので油断は禁物。


「今日の任務は「ダンジョンでの護衛対象の祭壇までの誘導」だな。」


出発前の打ち合わせだ。


「じゃあ次は「危険予知活動」だ。なんかあるか?」


危険予知活動。


ダンジョンでは「想定外の事態」は命取りを招くし場合によっては全滅もあり得る。それを防ぐために想定されうる危険を絞り出してメンバーと共有する。


レーンのパーティーはダンジョン出発前に必ず全員でこれをやるらしい。確かにどんなに慣れた作業でも常に危険が無いか想定する事は大事だな。


ーー


で、ダンジョン内。


「マスターに私のカッコ良い所を見せたいです。」


カナコが張り切っている。



あっ、前方からゴブリンが5体ほど迫ってきた。

するとリーダーであるビビンバが叫ぶ。


「敵襲! 2! 2! 1! 他、護衛!」


「私が3やります! マスター見てて下さい!」


「あっ、こら!」


カナコは背中のバーニアを推進力に使って一気に敵陣に切り込んだ。


ゴブリン達もそれを迎え撃つ。カナコが来たタイミングで棍棒を振り下した。


が、カナコはそれをギリギリで避ける。


カナコは胸や足についている姿勢制御用のバーニアをうまく使って軌道修正して棍棒を避けていた。カナコはゴブリン3体を斬り伏せてその勢いのまま奥へと飛んで行った。


あっけに取られた残りの2体のゴブリンはビビンバとパエリアが素早く斬り伏せた。


「どうですか。マスター。私、強いでしょ!」


確かに強い。バーニアの推進を体術に使うとは。


あっ、でもリーダーのビビンバに怒られている。そりゃそうだ。今回は臨機応変に対応できたから良いけど統率がバラけた集団戦は危険度が増すからな。


ーー


ダンジョンに潜って数十分。


あれだな。


ダンジョンってもっと危険がいっぱいかと思っていたけど注意深く観察すれば「いつモンスターが来るか」とか「どこに(トラップ)があるか」とかがなんとなくわかる。


「俺もそう思う。ダンジョンより【野生】の方が不測の事態が多かったわ。」


ミナコが言う。龍人と一緒に竜を狩ってた時の方が大変だったらしい。ダンジョンはモンスターが一定数しか襲ってこないからと。



「えっ? 罠がわかるのだ? なんでなのだ?」


ガパオに聞かれた。


えっ? なんでと言われても。

まず違和感があるじゃん?


例えば……この壁は違和感。

なんだか動きそう。

罠の感じがしないから……。

ここがスイッチか?

ほらやっぱり「隠し部屋」だ。


「おおっ、気がつかなかったのだ!」


で、中にあったのは宝箱。


カギはかかっているが罠は無さそう。万能工具のピッキングツールで鉄棒とワイヤーでカギを模倣して宝箱を開ける。


「レーンの彼氏は鍵開けも出来るのだ!」


ガパオのテンションが高い。


「もうー、彼氏に仕事取られちゃうのだ〜。」


こういうのはいつも盗賊職のガパオの仕事らしい。


「もっと色々と教えて欲しいのだ!」


ガパオは嬉しそうだった。



「ん……ガパオもデンに惚れた?」

「不本意ながら……なのだ。」

「ん……よしよし。」


レーンに頭をよしよしされるガパオだった。



ーー


そして祭壇のある所までたどり着いた。



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