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ゴブリンマスターリック

 MMOなどで大抵の冒険者が選ぶのは剣士、魔法使い、盗賊、僧侶などの将来性がある職業である。

 そんな中にも、魔物使い、ギャンブラー、はたまた曲芸師など変わった職業をやりたがる人もいる。

 これはそんな少数派の人たちを応援するお話・・・だったが、

 悲しいことに途中で魔が刺し、誤った道へ進んだ愚かな魔物使いの話になってしまった・・・


 世界の端にある村、名をコリアス村。

 ここは冒険者ではなく、普通の村人達が静かに暮らすところ。

 簡単に言えば田舎である。

 そんな田舎で生まれたごく普通の青年リック。

 彼こそが間違った道を突き進み続ける男の中の男である。


「俺も今年で18になる。ついに冒険者になれるんだ・・・」


 この世界では冒険者の規定は18歳以上なら誰でもOKという激ユル条件であり、申請も名前を言うだけと至ってシンプルなのである。


「ということで母ちゃん!俺ちょっくら隣町のルイアスへ行って冒険者の申請だけしてくるよ!」

「ついにあんたも冒険者に・・・あ、晩ごはんいる?」

「俺もついに・・・ルイアスを見たいから外で食べてくるわ」


 こんな感じで、主人公の冒険が多分始まる。


「ふぅ・・・この街も一人でくると結構遠いなぁ。一度お使いできたことがあるとはいえ、流石にうろ覚えだ。まずは地図を探すか」


 街に入って真っ直ぐ行ったところの噴水の前に案内板があった。


「なるほど、申請所はあっちか・・こうしちゃいられないぜ!」


 ワクワクしながらリックは走り出し、申請所へはすぐに着いた。


「えらく大きな建物だな・・・申請するだけのところと思ってたけど、クエストの依頼なんかもできるのか」


 ここ、ルイアス職業申請所ではクエスト申請や受注、冒険者の申請などができ、酒場もくっついているのでPTを募ったりもできる。

 というか大体の世界はそんな感じだから。


「さて、さっそく申請をさせてもらうか。」


 受付カウンターに行き大きな声で人を呼ぶ。


「すいませーん!冒険者になりたいんですけど!」

「はいはーい、少々お待ち下さい!」


 想像通り巨乳のお姉さんの登場である。


「冒険者の申請ですね。ではこちらにお名前となりたい職業をお選びください!」


 名前

 リック・アスファル


 職業

 ・剣士

 ・魔法使い

 ・盗賊

 ・僧侶

 ・魔物使い

 ・ギャンブラー

 ・芸人

 ・草マイスター

 ・土愛好家


「後半のラインナップやばくないか・・?というかそもそも職業なのかこれ・・・土愛好家すげぇ気になるわ」

「土愛好家は人気ワーストNO.1ですよ!この世界の土という土のことがわかるようになる職業です。」

「いらなさすぎる・・・PTにいたらと思うと震えるな」


 ていうか土好きなだけじゃん・・・趣味だよそれ。


「草マイスターはどういう職業なんですか?」

「見分けのつかない草がどういう効果を持っているのかが分かりますよ!あとは草笛とか草結びとかできます。」

「お、草笛でモンスターを眠らせたり、草結びで転ばせたりしちゃうのか」

「いえ、吹けるだけと結べるだけですよ。」

「草」


 下のラインナップ死に職業なんじゃ・・・


「じゃあこの魔物使いは?」

「それはですね、文字通り魔物を使役できます。レベルが上がれば強力な魔物も操ることができますよ!ドラゴンとかがそうですね」

「つえええええええええええええええ!これにします。」

「では承りました。ライセンスを発行しますのでお待ち下さい」


 俺の未来は最強のドラゴンマスターが約束されたな。


「お待たせいたしましたー。こちらがライセンスです。」


 ブロンズ色のライセンスを受け取る。


「では冒険者のシステムを説明させていただきますね。」

「ドラゴンマスターには必要ない・・・手短に話せ・・・

 」

「いっぱい倒して強くなって稼いでください。」

「雑すぎない・・・?」

「ではいってらっしゃいませー」


 こうして俺の冒険が始まった。

 まずはレベル上げ・・・?いや、仲間のモンスターを増やすか。

 こういうときは序盤から数で押して効率よくあげるべきだ。

 まずは装備を整えたいな、武器屋に行くか。

 情報収集も兼ねつつ、武器を見に行く。

 重そうな鉄の扉を開けると鈴の音がなる。

 カランカラン

「へいらっしゃい!なにかお探しですか?」

「この辺のモンスターを狩れる軽い武器が欲しいんだ。オススメはあります?」

「この辺だとゴブリンがよくでるんで、この鉄の短剣が使いやすくていいですよ!」

「短剣かぁ・・・まあ最初だしこのぐらいから慣れていくか。これもらいます!いくらですか?」

「50Gなんだけど、兄ちゃん新米だろ?30Gにまけといてやるよ」

「FOO!ラッキー!ありがとうございます!」


 さっそく武器を持ってゴブリン倒しに行くか。

 武器屋を出て街の外へゴブリンを探しにいく。


「お、あれがゴブリンだな・・・いかにもゴブリンだ。後ろから一撃でいくか」


 後ろに回り込み、隙を伺う。

 ゴブリンが背中を見せた。


「今だ!喰らえ!絶命剣!」


 余計な一言を叫んだのでゴブリンに気づかれてしまう。

 だが、振り返ったゴブリンの棍棒を弾き飛ばし、ゴブリンが尻もちをつく。


「予定とは違ったが、いいだろう。お前俺の仲間になれ」


 ゴブリンは武器を失い戦意喪失。

 両手をついて土下座をし、ゴブリンが仲間になった。


「まずは一匹・・・」


 しかしここからリックの歯車が狂い始めた。

 リックは同じやり方と数で押し、手当たり次第その辺のゴブリンを仲間にした。


「これぐらいいればまず負けはないな。今何匹ぐらいだ・・・1,10.30.50.83匹か。」


 上限がないからこそできる荒技である。


「あ、こいつら俺が養わないといけないのか・・・全然考えてなかった。しょうがないからコリアス村に戻って近くのイノシシでも狩らせるか」


 この適当な考え方があろうことか通じてしまうのである。

 村に戻ったリックはまずゴブリン達を使って家を作った。

 彼らにも住む場所がいるからである。

 簡単なわらの家からはじめさせ、両親に事情を説明した


「母上!ゴブリン飼っていいっすか!」

「好きにしろ」


 この子にして親ありである。

 そしてこの積み重ねをだらだらと一ヶ月続けていると・・・


「やべぇ・・・これもはや集落じゃん・・・」


 村と同じぐらいの集落ができた。

 ゴブリン達のレベルは上がり、自分達だけで生活が可能となっていた。


「アニキ ドウモ」

「うわこいつら喋れるようになってる・・・」

「アニキ オレタチ オンジン ボス」

「あっはい」


 こうしてリックはゴブリン達の集落のボスとなった。

 魔物使いでドラゴンマスターになるつもりがゴブリンマスターだよ・・・

 なんか思ってたのと違ったけどこれはこれでいいか。

 ここまできたら女でも襲わせてハーレム作るか・・・

 こうしてリックのゴブリン突撃部隊が完成し、訳のわからんハーレム計画がここに誕生したのであった。


 続くんだよ

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