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キリカルテのマット師団

レッドキラーチーフが、キリカルテを防衛している仲間に会いに行く。


時に呑気なZM達と、それを束ねるマット師団達。


戦う為に生まれてきたマット師団らは、人間とは異なる大きな違いがあった。

爆発音がする度に僅かに竹が白く発光し、空気が揺れるのを感じる。

ロボの年式によっては、爆発による気圧の変化で外骨格の繋ぎめが軋むと言う。


「・・一体誰とやり合ってんだ」

ZMー1514が上を見上げる。

ZMー1877の休眠モードが醒め、竹の根が地層のように飛び出た場所に腰掛けて、ぼんやりと空を見た。


「このダダダダ〜〜は、敵さんのターナ574の銃声か」

「んだんだ」


「じゃあ、このヒュルルル〜って音は??」

「それがわかんねー」


「ま、考えても仕方がねぇか」

「んだんだ」





「みんな聞いてくれ!」

レッドキラーチーフが皆を呼ぶ。


「オオジヌシの向かう所を算出した結果、ここから数キロ離れた所にアメルア軍の大規模な野営地がある事が分かった!

ここらの地帯にも、砦から逃れてキリカルテに潜伏した味方達がいるだろう!

アメルア軍は野営地で準備を整え、キリカルテの掃討作戦に出てくる筈だ。

奴らが力をつける前にキリカルテに分散した味方をまとめ、野営地を圧倒的な戦力差で叩きたい!」


「おう!」

「うむ!うむ!」

チーフの言葉に他のレッドキラー達が盾を叩いて頷く。


「でもよ?キリカルテの場所はわかるんかいな?」

ZMー1514が聞く。


「ビーコンに僅かな反応がある。日没前には着ける距離だ!では、これから20分後に出発するぞ!」

「おおう、もう行くのかいな!」

「あいよ!!」




レッドキラーチーフが率いる中、マット師団とZMの軍団が竹林を進軍する。

スパークライフルとボディが擦れる音、ZMシリーズの足のユニットが軋む音が竹林をざわめかせる。


地割れが出現し、底にアメルア軍の二足歩行兵器(グスタフ)が落ちていた。

しばらくの間、川だったようでボディには泥と葦が絡み付いている。


レッドキラーが盾を構えて、あたりを見張り。

ZMは巨大な竹を2本切り落とすと、あたりから歓声があがった。


暫く橋の完成を祝い。

軽装なZMシリーズが先陣をきって渡る。

次にヘビースパークライフルや、分解した野戦砲の砲身を担ぐと器用に渡って行き、怖気付くステゴサウルスの腿にグリーンキラー達が鞭を打って進ませた。



前方にレッドキラーの軍団。

中間にZMシリーズの歩兵軍団。

後方に補給物資とヘビースパークライフルを装備したグリーンキラーと、弾薬や負傷兵を積んだ数頭のステゴサウルス。

そして後方にレッドキラーと言う隊列で進軍する。



「・・・!!」

アメルア軍のタンカーヘルメットを被ったZMが何かを発見し、手をあげる。

竹の向こう側には複数のコヨーテ型やカラス型メカニロボが群がり、経口摂取した有機物を噛み砕いて分解をしていた。


「人間だ・・・無に還ってる」


ZMを認めると動物型メカニロボが一斉に逃げ出す。

アメルア軍の死体は腐敗して膨張しており、一部は既に白骨し、虫が群がっていた。


「だれじゃい!!!!」


不意に声がして一斉にスパークライフルを構える。


「ここじゃ!ここじゃ!!」

ガサガサと音がして笹薮から年季の入ったZMが出てくる。

後ろには浮遊ポートに乗せられた『特選Aタンク』と書かれた巨大な“結い樽”が乗せられており、右手には電源が落とされたウサギ型メカニロボの耳を掴んでいた。


レッドキラーチーフが暫く絶句し、ようやく口を開いた。

「一体お前は何をしているんだ??レッドキラーはどうした??貴様はキリカルテの遊撃隊か??」


ZMは不思議そうに首を傾ける。

「うちの所のレッドキラーチーフさんは“持てる戦力をもって防衛せよ“の一点張りですよ」

「なんだって!?ずっとか!?」


「ええ。他のマット師団を連れてキリカルテの深層に籠ってます。じゃから、こうして持久戦をする為に狩りをしているんじゃ」

「案内してくれないか??仲間と話がしたい」


「あい、わかりました!」

年季の入ったZMが敬礼し、付いてこいとばかりに竹林をズンズン進んでゆく。


その間にも、破壊されたヘラクレスやグスタフが破棄されており、執念深くキリカルテの掃討作戦が行われていた事を意味していた。

もしも敵の野営地がさらに巨大化するならば、これの倍の軍勢が押し寄せ、雨霰あめあられのバスターや爆撃をしてくるだろう。


「あの穴はなんだ?」

ZMー1877が聞く。

「あれは”タコツボ”じゃ。敵が来るのをあそこで待って撃つんじゃい。でも、1発撃ったら倍飛んでくるから好きじゃなかったが」


他にも、無人となった陣地が見つかり、年季の入ったZM曰く『たまに顔を出して味方が全滅していたら、そそくさと荷物を運んでる』との事だった。


「なあ。なあ・・」

ZMー1514がZMー1877の外骨格をコツコツと叩く。


「なんだ??」

「あの爺さん(年季の入ったZM)大丈夫なのかいな??」

「なぜそう思う??」

「だってよ??味方の陣地が全滅したら持って帰るんだろ??なんか・・こう・・。情とか無いのかや??」


「それはそうだが・・」

年季の入ったZMがスパークライフルを抱いてしゃがみ、軍団もしゃがんで緊張が走る。

頭上の竹林の切れ間には、偵察用のストライクホークスが飛んでいた。



「ありゃ見えてないな・・大丈夫じゃ・・」

年季の入ったZMが立ち上がり、ZMー1877の肩をポンと叩いて進み出した。

ZMー1877は意味ありげにZMー1514を見た。



──────



キリカルテは、このフォレストパークが巨木で覆われていた時代の名残に存在した。

環境が変わり、立ち枯れとなって半分朽ちた巨木郡が分解されずに残り。

その巨木と巨木の間に、ポッカリとサッカーのゴール程の穴が空いている。

外壁には蜂の巣の目のような六角形のピット(この世界で使われている極めて頑丈な炭素系建築資材)が敷き詰められており、警戒するように複数の瞳と額のライフコアの赤い光が暗闇の中に光っていた。


「おおーーうい!!帰ってきたぞーい!!!!」

年季の入ったZMがスパークライフルを挙げて呼びかける。


「ありゃ!ありゃ!!」

「お疲れなすってぃ!!」

その声を聞いて他のZMがキリカルテから飛び出し、個々に“お疲れ様”と呼びかけ合い、浮遊ポートに乗せられた巨大な結い樽を引っ張った。


「カイデー(デカイ)な樽でやんすなぁーー!!」

キリカルテのZMが話す。

「んで、その方々は??」


「さっき、たまたま会うたんじゃ。そだ!せっかく大きな樽があるんじゃ、呑んで力をつけよ。宴じゃ!宴!!」

「んだな!んだな!!」

キリカルテのZM達は惜しむ事なく樽をハンマーで叩き壊すと、超純水を注入するための四角い桝を持ってきた。

ZMやグリーンキラーの軍団から歓声が上がり、個々に桝を受け取ると柄杓を持って掬い始めた。

あたりは戦場だと言う事を忘れて祭りのようになり、アメルア軍のヘルメットを楽器にしてチンドンシャンとやりだした。


「ちょっといいか」

レッドキラーチーフは桝にA缶を掬い入れるとキリカルテのZMに話した。

「もてなしに大変感謝する。ここのレッドキラーと今後の作戦についてコンタクトを取りたい。いいか??」


「ええ!どうぞ!!きっとレッドキラーの方々も喜びましょう!!」

「すまない。他の奴らは休暇とする!!勝手にやっててくれ!」

「「へーい!!」」


レッドキラーチーフなどマット師団がキリカルテに入って行き、ZMー1514とZMー1877は我関せずとそこれへんにドカッと腰をかけてAタンクを口にして流し込んだ。


「ぷはぁーーー!!うんめぇーー!!」

「なんせ特選だからな!五臓六腑に染み渡るわーー!!」


2体は競うように樽に向かい、さらにAタンクの液を掬う。

するとZMー1514がおかしな事を言い出した。


「しっかし、変わったAタンクじゃ。グリスの味がするわ」

「パンッ!(膝を叩く)わかる!!なんでかなぁー??」

ZMー1877が割れた樽の蓋を手に取る。

すると、バスターが通過した穴がポッカリと空いていて、表に赤い油圧のグリスがベットリと付いていた。


「ぐええええ!!!!!」

「こりゃたまらん!!」



──────


マット師団が通路に沿うようにペンダントライトが点いたキリカルテの中を進んで行く。


内部は緩やかな下り勾配になっていて、横にはロボが1体通れる程の小さな通路や、部屋があった。


キリカルテのZMが通り過ぎる度に部屋を紹介する。


金型にアルミを流し込み、スパークライフルのジェネレータを作る弾薬庫。


スパークライフルなど銃がしまわれている武器庫。


ZM達がメンテナンスや修理を受ける棲息部。


強力な爆撃に耐えうる掩体部。


野生のメカニロボの飼育施設。


ヘラクレスやトンボなど、様々な虫型兵器やロボットが、バラバラにされた状態でしまわれている部屋もあった。


レッドキラーがレッドキラーチーフに話しかける。

「キリカルテと言うのは、まるで蟻の巣ですな」

「蟻の巣ってこんな感じなのか??」


「いや。私は見た事ありませんけど・・旧時代の資料で」

「旧時代の資料??」


「ええ。教材用データベースですよ。旧時代には蟻と言う“虫”がいたのです。私たちの様に外骨格を纏った小さな生命体です」

「ほう。その生命体の製造元は??」


「ありません」

「ありません??じゃあ、どうやって増えるんだ??」


「蟻は人間と同じ、私たちメカニロボからしたら非合理的な増え方をするんです」

「それは・・“繁殖”と言うものか??」


「そうです」

「なるほど・・」


レッドキラーチーフは考える。


「我々は何の為にアメルアと戦い。こうした物を建造しているんだ??」

「は?」


「だってそうだろ?その蟻とやらは繁殖の為にキリカルテを作っている。・・なら我々は??」

「私たちは来るアメルア軍の爆撃を防ぐため、戦闘を長引かせアメルアが諦めるまで戦いぬくのです。彼らは合理主義者です。いずれ戦闘そのものが無価値であると気がつくでしょう」


「その無価値な戦闘をなぜ我々は行っているのだ??」

「それは・・・“上様”にお伺いしてください。私が申しても、チーフ殿の回答に100%足りる回答を導き出す事は出来ないように感じます」


「上様!?上様・・・!」

レッドキラーチーフは考える。

『上様』はレッドキラーを初めとするマット師団を開発したマット博士のコードネームだ。


「誰かマット師団の参謀が、上様から指示を受信しているのか??」

「は??チーフ殿。それは貴方が1番詳しいのではないですか??貴方はなぜ戦っているのです??あなたはなぜ遊撃隊としてアメルア軍と戦っているのですか??」


「我々の・・自分チーフの任務はフォレストパークに侵攻するアメルア軍を1人残らず撃破する事だ」

「何故です??」


「臀たげられてきたZMやロボ達を解放する事・・」

「・・・ZMは、そう思っていますでしょうか??」


「・・・・」

レッドキラーチーフはいよいよ考えこんでしまった。

きっと前を案内しているキリカルテのZMも、キリカルテのマット師団から指示を受けているはずだ。




「あっしが案内できるのはここまでです」


キリカルテの年季の入ったZMが横に道を開けてお辞儀をする。

「む!?なぜだ?」


「お上さんの命令は”持てる戦力をもって防衛せよ“です。その先に行くことは固く禁止されていますです」


「・・そうか。案内ご苦労」


「お気をつけて」




レッドキラーチーフがキリカルテのZMを労うと、さらに地下へ地下へと進んでゆく。


防火用のハッチを開き、何も無い一直線の通路を進み、さらに防火用のハッチを開ける。

キリカルテの内部は静寂で、とてもロボがいるとは思えない。


「マタレヨ・・」

「マタレヨ・・」


ロボの起動音がして、巨大な2つの図体が青い目を光らせる。

セキュリティーメカニロボのバンガシラだ。


「コレヨリサキハ、キョカナクハイレナイ」

「通してくれ。マット師団の名において許可を要請する」


チーフがバンガシラの胸に手を当てるとデータを読ませる。

バンガシラは全身の幾何学模様を白く浮き上がらせると、先程まで当てていた胸を青く発光させた。


「ニュウシュツヲ受理イタシマシタ。オトオリクダサイ」

バンガシラが通路を開けて腕を組むと、休眠モードに入る。

レッドキラー達はそのまま歩き出した。



キュッキュキュッ!


「ひぃい!」


空気の滞りを感じ、ネズミ型メカニロボが地面を這う。

長く出入りしていないのか、床にはネズミ型が持ち帰って食べていた外骨格の一部が落ちていた。

それを踏み潰す度に音がし、その音と暗闇に蠢くネズミ型の鳴き声が、ひたすらに静寂を支配していた。


『第** マット師団 隊長室』

そう書かれた重厚そうな扉があり、レッドキラーチーフが躊躇う事なく叩いた。


「レッドキラー遊撃隊 チーフ。入ります!!」


重厚そうなハッチが声を認証し、金庫の扉のように中央の円形が回転する。

そして重苦しくカチリと音がして扉が壁の両袖に引っ込んだ。


ロボ達の入室を感知し、隊長室の電源が一斉に点灯する。

しかし、白いはずの照明は赤く。

室内の惨状を見せつけた。


「うっっ・・・!!!!」

チーフは背負っていた盾を思わず落としてしまった。


「こ・・・これは!!!!これは一体どう言う事だ!!」

「どう言う事ですか・・!!これは・・!!!!チーフ!!」



それは100戦練磨の数々の修羅場をくぐり抜けてきたレッドキラーの外骨格でさえ振るわすものだった。


マット師団の幹部達が一列に並び、自らの鳩尾みぞおちの下の部分を脇差で切り裂いていた。

そして、頭にあるCPUを撃ち抜かれ。

その撃ち抜いたと思われるグリーンキラー達も、自分のこめかみをスパークピストルで撃ち抜いていた。


奥に存在するであろうキリカルテの深層に続くハッチは動力部が破壊され、その上から特殊な樹脂で幾重にも塗り固められていた。

その全てが狂気の沙汰であり、本来自決が出来ないようにプログラミングされている筈の彼らの壮絶な最後を物語っていた。


「なぜ・・・自決を・・!?」


「・・・マットシードだ」

「は!?」

「スキャンしてみろ・・」


チーフは壁を指差す。

そこにはストリームマンが敗れ、メルヴィアの侵攻が失敗に終わった事。そしてホワイトスペクターの爆撃と、アメルア軍との攻防が『マットシード』と呼ばれる一連の情報コードで壁に書かれていた。



「・・戦歴ですか??これが自決と何の関係があると言うのです??」

「彼女だ・・彼女が来る」


「・・は?」

「パワーマンを撃破し、メルヴィア国内の同輩達を破壊したカイン博士の最高傑作だよ。彼女はメルヴィアに侵攻予定だった部隊を壊滅させ、ストリームマンを破壊し、奪ったホワイトスペクターでナルキリアに”原初の炎”を使用した。そして今、それを使って爆撃をしている」

「でも・・効果はない?」


「そうだ。効果がないと分かった今、彼女はどうすると思う??」

「・・・まさか、降りてくるって事じゃないでしょうね??」



「そのまさかだ。彼らは、それを予期していた」

「でも、だからって自決する必要はないでしょう??」


「それがキリカルテのマット師団のやり方なのだよ。彼らは自分なりに上様の命令を忠実に守ったのだ。彼らが自決した今、ZMに命令を下す者はいない。

そこにあるのは…」

「終わりの無い戦い・・・!!」



(…トコトンヤレ♪トンヤレナ♪

あーーれは、ウィングの空飛ぶ翼じゃ、知らないか?

トコトンヤレ…トンヤレナ♪)


マット師団は暫く沈黙し、酔っ払ったZM達のトンヤレナ節が風に乗って聴こえた。


「いかが…しますか?チーフ…」

「…チーフ!?」




───────


その頃ZMー1877はキリカルテのZMから“生きる術”を学んでいた。


「まず、このフォレストパークの畜生どもじゃ。ほれ、持ってこさせい」

年季の入ったZMが鉄のオカモチを持って来させる。


「これはなんだ??」

ZMー1877はオカモチを置くと、持ち手をスライドさせて中身を見た。

「うわぁあ!!」

そこには、足をロープで繋がれた巨大なコウモリ型メカニロボが入っていた。


コウモリは巨大な口を開けながら赤い瞳をパチクリとし、隙を見計っては三尺(90センチ)ほどある巨大な翼を広げて飛ぼうとした。



手拭いを巻きながら踊っていたZMー1514が好奇心でオカモチを見て驚いた。

「こりゃーー、気持ち悪いな・・」


年季の入ったZMが器用にコウモリ型の背中を捕まえると、コウモリ型は噛みつこうと躍起になった。


「これはの・・人間に作られた機械生命体じゃ。恐ろしい顔じゃろ??人間はこれらを娯楽のままに狩猟したり、この世界のメンテナンスに使っていたようじゃ。

それがいつしか『鎖』から解き放たれ、フォレストパークの生態系の一部として自動生成されているんじゃ」

年季の入ったZMがコウモリ型の背中をブチリと割ると、いとも簡単に内部が露出した。

コウモリ型はダランと垂れ、強制休眠状態になった。


「ご覧よ、仕組みは簡単じゃ。ワシらと同じ『真の臓』があるだろう?これはCPU。これは糞をする所。仲間との連絡を取る通信機関もある」

「・・うむ・・・ん??」


「な??ワシらと同じメカニロボなんじゃ・・ウサギもトリも、ステゴサウルスも・・パーツが小さくなって単純なだけ・・それにワシらの通信を繋いだら・・??」


「まさか・・意のままに操る事もできる・・!?」


「ご名答。特に、コウモリ型はK−1手榴弾を詰めるし、夜間も飛行できる。羽音も少なく、隠密行動に長ける。モニターに同期も可能じゃ」


「素晴らしい・・!!あっ!チーフ!!」


ZMー1877は感動し、ちょうど帰ってきたレッドキラーチーフに駆け寄った。


「おおい!凄い事を聞きましたぜ!・・どうしました!?まるでお通夜じゃないいですか?キリカルテのマット師団とは話せたのかい??」

「・・・ああ。話してきた」



年季の入ったZMが顔を上げ、チーフに話しかける。


「何と申しておったんじゃ??」


「“これを以て解散す。ご苦労様”だそうだ。キリカルテのZMは、我々の配下となった。全員、荷物を纏めて、我が本隊と合流せよ」

「そ・・それだけなんじゃろか!?」


「それだけだ。君達の守備力に大変感謝していた。彼らは『上様』から特別な任につき、キリカルテの深層に旅立った・・」

「ははぁーーーーっ!!」


年季の入ったZMは空気の抜けたような絶叫をするとキリカルテに向かって土下座をした。

他のキリカルテのZM達も頭を垂れ、深層に“居るであろう”マット師団に向かって深々と頭を下げたのだった。

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