ストリームマンステージ(2)
ロロアの電撃戦を前に、意見の分裂が始まるストリームマン。
2号艦の崩壊がすすむ中、ZMシリーズのマッド師団がロロアに立ちはだかる。
ウィング達もそれに加勢すると思いきや、慎重派のツェッツが密かにウィング達の脱出を画策する。
私はバスターを構えながら通路を駆けぬける!
「確実に、そして休まずに!ロロアちゃん!カッティングパイを思い出して!」
「うん!」
バスターを構え、身体をヒョコヒョコ遮蔽物から出しながら敵がいない事を確認する。
ママはリュックにしがみついて後ろを見てくれている。
「ロロアちゃん、壁から少し離れて!もしもロケット砲が炸裂した時に爆風の跳ね返りをまともに受けてしまうわ!」
「わかった!」
「・・ロロアちゃん。コンタクト!後方からZM2機!!」
ママが私から離れて伏せる!
私も振り向き様に中腰に構えるとバスターを放った!
「敵発見!!・・ぎゃあ!」
私のバスターを受けてZMの胴体から火花が出る。
「ほぁーーっ!!」
もう1体も腹に当たり、盛大に吹き飛んだ。
「クリア!ロロアちゃん!ムーヴ!」
「うん!」
私が2体を撃破して進む!
所々にある通路横にある広間は様々なモニターがある管制室になっており、爆撃機内部が異常高温である事を示していた。
全ての座席が通路側を向いていて、私達の突入で慌てて飛び出したと察しがついた。
「うわぁ・・すごい」
「スリープしているバンガシラね」
しばらく走ると『ホ号兵器格納庫』と呼ばれるフロアについた。
そこには丸くなった球状のバンガシラがレールに乗ったまま格納されており、この通路の大きな窓から確認できた。
「・・メルヴィアの都市にばら撒くつもりなんだわ・・」
ママが首を伸ばしながらモニターを見て言う。
そこにはハルミオ小学校の上空もバンガシラの作戦の範囲内であることが分かった・・。
「・・・っ!!ロロアちゃん!コンタクト!!」
「きゃっ!」
突然、遠くにある前方の扉が開き、2体のZMと1体のウィングが撃ってきた!
私は飛んでくるバスターを交わすと、撃ち返すようにバスターを放った!
「味方が1人やられたぞ!!」
1体のZMの胸を撃ち抜いてドタッと倒れる。
残りの2体は素早く散開し、バスターを放つ!
「落ち着いてロロアちゃん!!K1スパークライフルは上に跳ね上がる!素早く交わしてカウンターだよ!」
「うん!!」
「こんにゃろ!」
ZMのバスターを交わすと、素早く身を逸らしてカウンターのバスターを撃つ!
「ぎゃぁっ!!」
ZMの頭を吹き飛ばし、さらに放ったバスターがウィングのK1ライフルを破壊して、顔を掠めて天井に着弾した!
「くそっ!!なんて強さだ!!」
残ったウィングはライフルを棄てると、モニターの横を操作しだす。
私はトドメをさそうとバスターを構えた。
その時だった!
「ロロアちゃん!止まって!?」
「え!?うわぉ!」
突然、レーザーが網の目に照射されて私達を通りすぎる。
「ママ!?い、今のは何!?」
ビーーーーッ!!
ビーーーーッ!!
「きゃっ!」
すると突然警報が鳴り、通路の横を走っている幾何学模様が赤く発光し、モニターに私とママの簡単なポリゴンが映し出された!
「侵入者め・・!!せいぜい単身で乗り込んで来た事を後悔するんだな!!ふははは!」
「・・くっ!」
「ロロアちゃん!!はやく甲板に出ましょう!!警備システムが反応したみたい!」
通路に赤い点滅が広がり。
壁の幾何学模様が動き出し、遠くの通路で四角い箱となってせり出した!
そして恐ろしいスピードで通路を滑るように私に襲いかかってくる!
「うわわ!!」
私は四角い箱を跳び箱のように交わし、ウィングもジャンプした。
・・が、今度は床に幾何学模様が現れ、床がせり上がるとウィングを持ち上げてしまった。
「あ・・これ、詰んだやつ!!」
ウィングが私と目が合った瞬間に叫ぶと、そのまま天井に潰されてしまった!
それと同時に天井が下に抜け落ち、沈み込むと同時に通路そのものがなくなる。
私はそれを見て慌てて走り出した!
「ロロアちゃん!!幾何学模様が四角くなったら飛び出すみたいよ!」
「うん!!」
天井がボックスとなって落ちてきて私を潰し損ねると、床に突き出たオブジェクトになった。
ジッとしてると壁を形成したり、侵入者を阻もうとする。
「ロロアがいた・・!応援を!ぎゃあっ!!」
「ウィング・・ダウン!!」
ママが言い、バスターが当たったウィングがうずくまる。
つかさず激痛の唸り声をあげるウィングにトドメの一撃を当て、ようやく甲板に続くエレベーターに着いた。
どうやら乗り物を上げるエレベーターのようで、四角柱のエレベーターの中央にあるスリットから格納されている蜂型ガンナーを見る事が出来た。
「ロロアちゃん…甲板に巨大な複数のエネルギー反応があるわ!気をつけてね!」
「うん!」
「喉渇いてる?」
「大丈夫!」
私は右手のバスターを撫でると目を閉じ。
上を見上げて深呼吸をした。
「撃ちたいのね?ロロアちゃん」
「・・うん。少しイライラしてる・・。だから出したい」
身体がエネルギーを蓄えるのを感じる…。
やがて沢山の光の玉が私の身体に入って行き、私のバスターが分子を分解しながら全てを灰塵に帰す破滅的なエネルギーに変換するのを感じた。
「ママ…?」
「なに?ロロアちゃん」
「私、プリティアになれるかな?」
「・・・」
「ロロアちゃん。さっきも言ったけど、この世界は正義とか悪とか簡単に色分けできない世界なの。
きっとロロアちゃんは嫌でも、自分の戦う相手に疑問を感じ、自分の行いを悔いてしまう事だってあるかもしれない。
誰かを疑い、憎み・・そして『闇』に染まってしまう事も・・世界に失望する事だってあるかもしれない・・。
でもね…これだけは分かって欲しいの」
ママはリュックの天辺に登ると私を撫でた。
「私はロロアちゃんの味方よ。それは約束するわ・・!」
「ありがとうママ・・!」
私の中にエネルギーが内包してゆく・・。
「この内に溜めたエネルギーはみんなの願い・・平和を愛し、悪を許さない私の願い・・。大丈夫だよママ。私が必ずメルヴィアを守り抜いてみせる!」
「うん!」
「行くよ!!ママ!!私に仇なす全ての者に私に刃向かった事を後悔させてあげる!!それが私の願い!!逆賊の前に、メルル・ヴィアス傷として燦然と輝いてみせるわ!!」
ドドドドドドド!!
甲板に向かうと同時に太鼓と三味線の音がした。
上部のハッチが開き、黄昏時になった空が露わになる。
その中で沢山のバスターやビームが上空を舞い、炸裂し、舞い上がる。
・・ガタンッ!
とエレベーターが止まった瞬間、聞き覚えのあるプロペラ音がした!
私が見上げた瞬間、10機の双胴機が横一列に編隊を組み、私の頭上を駆け抜けた!
「マナツさん!!なぜ!?」
「応援に来てくれたんだわ・・!」
───────
「何ぃ!?チームガンバが戻って来ただと!?」
「はっ!」
撤退した筈のチームガンバの来襲は、すぐさまアウルからストリームマンに報告された。
「何処から来た!?」
「それが・・妨害機雷で目視による確認による報告でして・・。そもそも撤退したかどうかすら・・」
「つまり目視で撤退したと予測しただけで、報告したのだな!?」
「はっ・・申し訳ございません・・プロペラ機のタービンは燃焼式であり・・どう計算しても友軍機まで帰れるとは思えませんでしたし・・」
「ぐぬぬ。ロロアの突入と言い、異例ずくめだ。もしかしたら、この戦。我らが思っているより天下を分ける戦なのやもしれん・・!!」
「そのようで・・まさかとは思いますが・・片道切符で戦いに臨んでいるのではないかと・・」
「・・生きて帰らぬ事を承知で戦うなど愚かな事だ。勝利と言うのは生還してこそなのだ。それは勇敢な事でも称賛される事でもあってはならないのだ」
「しかし・・ご覧ください」
アウルが2号機の激戦をホログラム化する。
「これほどの激戦は・・果たして富の為によるものでしょうか?名声によるものでしょうか?それとも人間の言うパラダイスに逝く為のものでしょうか?・・私は聞いてみたい・・彼らが何の為に戦い・・何の為に戻って来たのかを・・!!」
「少なくとも・・我々に足りない物ではあるな・・ウィング達を見よ。みなツェッツの言葉を聞いて情けなく撤退を始めたわ・・!」
────
ZMシリーズが詰め込まれた兵員輸送用のカートが走り、双胴機が通りかかった瞬間、空に向かって撃ち出した。
双胴機の機銃のバスターが甲板を駆け抜け、飛び立とうとしたバイパーイーグルスが沈黙する。
どうやら交戦する為に飛び立っているのではなく、逃げているようにも見える。
「ロロアがいたぞ!!兵ども!出逢え!出逢えー!!」
軍配に袴を着たウィングが叫び、太鼓の音がいっそう激しくなる。
ZMや、バンガシラが転がりながら私のところにかけてくる。
「行くよママ!!私達もマナツさんの加勢をしなくちゃ!!」
「そうね!」
「いけぇ!!!!ロロアハイパーカノンバスター!!!!」
「ろ、ロロアハイパーカノンバスター!?」
ママが驚きの声をあげる中、私の右腕から最上級にチャージしたヘビーバスターが射出された!!
あまりの威力に踏ん張る足が甲板に食い込み、歯を食いしばりながら衝撃に堪える。
バスターの手前の時空が歪み、巨大な青白いバスターが凄まじい轟音と共に飛び出すのを感じた。
「うっ!!うあーーっ!!」
それはバンガシラとZMの連隊を焼き溶かし、後ろに停まっていた戦闘機数台を巻き込んで艦外に吹き飛ばす!
そしてマンタ型爆撃機の3号艦の艦橋に着弾すると、凄まじい光の後に爆音と爆風が襲いかかった!
その爆風とバスターを射出する威力で私は吹き飛び、破壊されて絶命したバイパーイーグルスの翼の上に倒れ込んでしまった。
「はぁ・・はぁ・・」
久しぶりに出した高揚感と多幸感が私を襲い、しばらく動けずに余韻に浸りながらボーッと崩壊する3号艦の艦橋を見ていた・・。
ガラガラガラガラ・・ドォオオン。
艦橋が音を立てて崩れ、甲板の内側が爆発する。
爆発音と熱風が心地よく、少しだけ過敏になった身体がピクンと痙攣する。
シールドの内側からの不意の攻撃に、3号艦は喜んでいるようだ…。
「はぁ・・はぁ・・んんっ」
「ロロアちゃん、想いのハケがいっぱい出たね」
「はぁ・・はぁ・・うん。ずっと、わだかまりとして溜まってたから・・それが出たのかもしれない」
大量のエネルギーの放出と・・少し気怠さがあって、このまま眠ってしまいたくなる。
それを知ってか太陽が沈み…メルル・ヴィアスの傷が赤みを増して最後の輝きを見せる。
私は唇を舐めると右手のバスターを見た。
そこにバスターを放った背徳感は無かった。
「ロロアが近くにいるぞー!!」
「増援が来るわ!ロロアちゃん!」
「うん!」
ZMを乗せたトラックが私の所に来る。
私は自分の後ろにバスターを放つと、その反動で起き上がった!
そして毎分900発のバスターを容赦なく撃ちこんだ!
トラックが横転し、飛び出したZMシリーズが吹き飛ぶ。
他にも格納庫からトラックが駆け出し、私は動くもの全てにバスターを浴びせた。
「散直ちに散開!!何としてもロロアを仕留めよ!!」
レッドキラーが盾でバスターを防ぎ、その後ろからZMシリーズが撃ってくる!
私は破棄されたバイパーイーグルスに隠れながら、撃っては撤退を繰り返した。
私が戦う中でも、チームガンバ達は上空で決死の援護をしてくれていた。
『2号艦のウィングは撤退されたし!消化活動及ばず・・危険なり!!』
「ロロアちゃん!!」
「何!?」
「戦闘機の中で何か言ってる!」
「えっ!?」
バイパーイーグルスが機銃で撃ち抜かれ、中でウィングが死んでいた。
そのコックピットでホワイトスペクターの伝令が流れていた。
『2号艦の火薬庫において火災を確認!消化活動及ばず、電気系統に問題あり!!ウィングは最寄りの戦艦に避難のこと!撤退をした後、形勢を立て直して交戦されたし!ロロア・フローラウス・メリアスを倒し、御前の前に首を持ってきた者は────』
トカカン!!
バスターの炸裂音がし、私は慌てて伏せた。
「ロロアちゃん!!ストリームマン達はこの船を見捨てるつもりよ!」
「うん・・!でも・・マッド師団は・・!?」
「ロロア発見!!応戦する!!・・グアァ!!」
ZMが双胴機の機銃で倒れ込み、グリーンキラーが死んだZMを盾にしてヘビースパークライフルを上空に撃つ。
パッ!ドカン!!
と言う音がして双胴機のプロペラに火がつくと、炎上しながら回転し、他のマンタ型爆撃機の甲板に墜落して爆発した。
「今だ!!続けーー!!」
グリーンキラーの援護射撃でレッドキラーが盾を持って進軍、その後ろでZMシリーズが突撃の準備をする!
私の隠れているバイパーイーグルスがヘビースパークライフルの破壊力で嘴が消し飛ぶ!
「くっ!!」
私は慌てて隠れると、頭上に破片が降ってきた。
貫通したバスターが私の横を通りぬけ、慌てて伏せる。
「ロロアちゃん気をつけて!ヘビースパークライフル、K3ツインガンナーよ!」
「それが何かわからないけど、身動きが取れない!熱っ!!」
手を甲板に付けた瞬間、あまりの熱さに驚く。
ズズンと、小さな地響きを感じ内部で爆発が起きているようだ。
「ロロアちゃん!!さっきの弾薬庫が燃えているみたい!このまま行くとマッド師団と心中よ!!早く別の艦に行きましょう!!」
「分かったわ!でも・・彼らは知っているのかしら・・?」
「きっと・・知っているのはウィング達だけね・・きっと彼らは使い捨て。上層部に使われている駒なのよ」
「マッド師団を足止めとして使うなんて・・!」
「・・ママ!!あれは何!?」
「鬼!?」
見ると爆撃機に並ぶように巨大な鬼の顔がいくつもあり、それが不思議とプカプカと浮いていた。
太鼓や三味線を放棄したウィングがジャンプするようにそれに乗ると、また別の鬼の頭にジャンプして別の艦隊を目指して行ってしまった・・。
「あれを飛び越えてホワイトスペクターに行こう!」
「ロロアちゃん?大丈夫?」
「やるしかないじゃない!」
私は深呼吸をすると巨大な鬼の顔に駆け出した!
私の作戦に気づいたのかマナツさんの双胴機が旋回する!
「マナツさんが気づいた!!援護射撃してくれるわよ!!」
ママが叫び、慌ててリュックの中に入る。
「ロロアが逃げる気だ!!逃すな!!」
「双胴機が戻ってきたぞ!!」
ロボ達のバスターを交わしながら走る!
*『ロロアちゃん!!援護する!!』
「マナツさん!!無理しないで!!」
私が鬼の顔面の浮き舟に乗ると、私を妨害するようにドリルのような角が生えた。
側転してなんとか飛び移った瞬間、マナツさんの機銃が駆け抜け、負けじとZM達が反撃する。
「あぁっ!!」
マナツさんのいるであろうコックピットが血に染まり、双胴機が慌てて上昇しようする。
しかし、上昇しようとした瞬間、対空砲の掃射に当たってしまい炎が噴き出した。
「「マナツさん!!!」」
私が援護しようとした瞬間、鬼のドリルが立ち塞がる。
バスターで破壊しようとするも、弾かれてしまった。
マナツさんの乗った双胴機が回転をはじめ、ウエストドラゴ山脈特有の霧かかった雲に隠れてしまった。
「ロロアちゃん!心配している暇は無いわ!!早く別の船に飛び移りましょう!!」
「うん!」
マンタ型爆撃機が不気味な音を立てながら傾き始める。
「ロロアちゃん!ジャンプ!!」
鬼の角が引っ込む隙を狙って別の鬼の舟に飛び移る。
マンタ型爆撃機はゆっくり隊列から離脱すると、鬼の舟を持ってしても戻れない位置まで移動してしまった。
そして
───────
日が沈み、満月が覗く夜になった。
作戦室にあるホログラムには、2号機の艦長である鳩型のウィングが、コックピットにある大黒柱に身体を縛りつけて最期の挨拶を送っていた。
『ストリームマン様、消化活動及ばず航海不能。此処が艦の死場所と見極めたり。
逆賊10機は道連れに────。
どうかメルヴィアに新しい秩序と平和を・・・。ストリームマン様の武運長久と勝利を願っております。
願わくば、艦隊の道連れとせぬよう面舵いっぱいにて離脱いたします───うっ!!』
空気が振動し、障子の外が一瞬明るくなる。
2号機の腹の部分が小爆発を起こし、火災が起きていた。
ストリームマンは朱色の盃に酒を浸して黙って呑んでいた。
『ストリームマン様に栄光あれ!!』
「うわっ!!」
アウルが爆発の衝撃波に驚き、烏帽子を落とした。
度重なる爆発音と衝撃波で蝋燭の炎が揺れ、盃に映るストリームマンが揺れ動く。
ストリームマンは静かに怒りに震えていた。
「ツェッツがウィングを勝手に撤退させたからこうなったのだ・・。ウィングとマッド師団が力を合わせてロロアを叩いて入れば良かったものの、ツェッツの悪い癖が出おったわ!!我は確かに『ロロアと応戦せよ』と言った。しかし、他の艦隊のウィングはチームガンバに苦戦し、爆発を恐れて2号艦に近寄ろうともしなかった!自分が可愛い腰抜け共だ!!これでは幾ら我が指揮しようとも耳には届いていないではないか・・!!」
ストリームマンが外の家来に障子を開けさせると、そこには今まさに爆発して沈もうとするマンタ型爆撃機があった。
「おお・・おおっ!!」
アウルが驚くもストリームマンは静かに盃を傾ける。
「家来よ」
「はっ!」
「ツェッツを見つけ出し、これを処分せよ」
「はっ!」
ストリームマンの指示で家来がいなくなる。
──2号館は脱出しきれなかった乗組員200体を乗せたままオイルを噴き出しながら傾き、やがてそれが炎に変わる頃には、断末魔やZMの絶叫もなくなり、不気味な沈黙を守ったままウエストドラゴ山脈の上空で大規模な空中爆発を起こした。
これにロロアのカノンバスターを受けて舵を取れなくなった3号艦が巻き込まれ、空に満月が浮かぶ頃には山脈の峰が火炎で浮かび上がるほどの山火事を起こした・・。
───────
「ぶはっ!!」
「ロロアちゃん!!苦しいでしょ!?今すぐ拭いてあげるから・・!!顔をこっちに向けて!」
私はオイルと爆風を浴びながら、命からがら鬼の舟を渡り飛ぶと、すっかり疲れて倒れ込んでしまった。
全身にオイルを浴びながら轟沈する2号艦を見る・・。。
ドーンと大爆発を起こし、すっかり真っ暗になった山脈を照らしている・・。
「ロロアちゃん・・見て?」
「ん?」
「マザー・アカナが空から見ているわ」
そこには巨大な満月があった。
他の艦隊がサーチライトで空を照らし、ホワイトスペクターの金色の五重塔が豪華絢爛にライトアップされていた。
「私達が破壊したのにすごい回復力ね」
「それほどホワイトスペクターが統制が取れているのでしょうね・・。きっともっと激戦になると思うわ大丈夫?ロロアちゃん」
「うん・・でも・・少し疲れちゃった」
「少し眠るといいわ。ロロアちゃんの死亡が確認できない以上、きっとストリームマンも進軍はしないでしょうから」
「ふぅ・・」
私はヘッドギアを外して横になる。
「マナツさんは・・無事に脱出したかな」
「それは後でテリンコさんに聞いてみましょう。今はメルヴィアに住む皆んなの事を考えましょう?」
「うん・・すぅー。。」
私はバスターを出した疲労感で眠ってしまった・・。




