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イコクの兵士達

二足歩行兵器『ルーマ』に乗ってメリル奪還に乗りだすロロアちゃん。


しかし、そこに待っているのは権利団体の面を被った異国の兵士達だった・・。

「はぁ、はぁ。よし、やるぞ。やるぞ私!!待っててね!メリル!!助けにいくよ!!」


私はティーセットをクッキーをリュックにしまうと急いでルーマに乗り込む。


緊張と恐怖で心のフィンが激しく回転し、両手をパンパン叩くとヘッドギアに付いているケーブルをコックピットのスロットに差し込んだ。

頭の中に操縦方法がダウンロードされ、残りのエネルギー、ガトリングガンや小型ミサイルの残量が目の中に表示される。

「はぁ・・はぁ・・。コクン」

生唾を呑み込み、操縦桿を握る。

緊張するけれど、さっき飲んだココアの温かさが私の気持ちを後押ししてくれる・・。


ガーーオォン!

「おおお。」

メカニックな音と共に右と左の操縦桿を手前に倒して立ち上がった。

操縦桿を右と左にリズム良く交互に倒す事で歩きだす。

歩くリズムは、画面に上から下に流れる表示をバーが過ぎる所でタイミングよく操縦桿を倒す事で進むようだ。

シュワッ・・・ガシン!

シュワッ・・ガシン!

おぉ、進む進む。


次に左に搭載されている小型ミサイルだ。

間違ってはいけないので声に出す。

「ウェポンは、親指のボタンを半押しにすることで銃身を稼働し、深く押す事で発射します。わわ!ああ!!!」

ボタンを半押しにした瞬間、けたたましい音とともに勢いよくミサイルが複数射出された!

一回押すと止まらない!


ミサイルは我先にシュルシュル飛び出すと、工場の扉に穴をあけ大爆発して吹き飛ばした。

爆発があまりにも近くだったので、私も爆風で腰をぬかす。

「ケホッ!ケホッ!半押しの感覚が絶妙過ぎるよ!!」

私はコントロールの画面にデコピンするとヘッドギアを被り直して立ち上がる。


「今の音はなんだ!!!」

「何があった!?」

破壊された扉から複数の金属を伴った足音がする。

ミサイルは『ー再装填中ー』と表示が出ているので、ガトリングガンのボタンを半押しにした。

が!!

「きゃーー!!」

ガトリングの銃身が回転したと思ったら細かい光線の弾丸が飛び出した!!

その勢いで工場の壁が破壊され、自身の威力で跳ね上がったガトリングガンは空に弾丸の放物線を描き、制御しようと下に倒したら地面がえぐれる!!!


「うわぁあ!!」

「何者かがルーマに乗ってる!!退避!!退避!!」

「ガードロボを起動させろ!!中に入れさせるな!!ぎゃああ!」

ガトリングが退避する兵士達をかすめて1人に命中した。

兵士はパッと霧のようになると木っ端微塵に弾け飛ぶ。



なかなか『半押し』の操作が難しい・・!

私は逃してなるものかと、残りの兵士達をガトリングを振りまわしながら進んでゆく。

「プルーテ!!!プルーテ!!」

「ワルタオル!!!!」


ドゴォッ!!!ガシャン!!!

私は破壊した扉を無理やり体でこじ開け、落とし穴を跨いで越える。

中は驚くほど広く、天井に巨大なアームと天井に付いたままの宇宙船の胴体の一部が付いていた。

おそらく宇宙船の一部をここに集めて、ドックでまとめて組み立てるのだろう。


兵士たちは異国の言葉を話しながら何かのボタンを押し、作りかけの宇宙船を開けて中に隠れた。


その瞬間

ビーーーッ!ビーーッ!と言うアラームが工場内に響いた。



ガトリングガンが『冷却中』で撃てなくなり、小型ミサイルが『装填完了』になる。

「行けぇええ!!!」

私は叫ぶと兵士達が逃げ込んだ宇宙船にミサイルを叩き込んだ。

宇宙船が爆破してバウンドし、遠くに飛ばされて爆発する。


シュワッ・・・ガシン!

シュワッ・・ガシン!


よしよし、操作に慣れてきた!

メリル!待っててね!必ず助けに行くから!!


宇宙船のフロアを通り、次のフロアを隔てる隔壁を過ぎる。

規則正しく置かれた2メートルくらいの四角い冷蔵庫みたいな機材があり。

それを劣化したプラスチックのようにバキバキ言わせながら、倒したり踏み潰したりして強引に進んでゆく。

異国の言葉で何かを鼓舞するようなポスターと横断幕があり、投票用紙のような紙の入った袋がそこら中にあった。


パキュン!!!

「きゃっ!」

火花が散って慌てて伏せる。

「エルカイザー!!アルメニドゥルーテ!!」

見ると片腕を失った兵士が何度も倒れながらスパークピストルで必死の抵抗をしていた。

さっきの宇宙船が吹き飛んだ時に奇跡的に出られたのだろう。


「アルメニドゥルーテ!!ウワッ!」


パキュン!!


しかし硬い装甲を持ったルーマには及ばず、兵士は腰を抜かし、紙を撒き散らしながら必死に逃げようともがいている。

ミサイルもガトリングもルーマの懐に入られたら射程外なので踏み潰そうと片足を上げた。



「グアアアアア!!!サーダギルデ・レンダイホーー(サーダ将軍に栄光あれ)!!!!」

遂にルーマの巨大な足が兵士を捕らえ、踏みつぶす。

兵士は異国の言葉を叫んで絶命した。



その他、タイヤにトゲトゲが付いた形状のロボや、頭にツインスパークライフルが付いたガードロボが出てきたが私の敵ではなかった。


ルーマは、強いて弱点をあげるとすれば装甲が薄くてエンジンルームがある背中か、ミサイルとガトリングの射程に入れる事ができない懐だろう。

でも、懐に入ればルーマの強烈な蹴りは回避できず。

背中に回っても360度銃座が回る機銃があるので反撃にあう。


そして二足歩行故の圧倒的な機動力も凄まじい。


こんな物が複数出てきたら私も敵わないし、その時の恐怖は想像を絶する物だろう・・。



『ロロアちゃん!ロロアちゃん!聴こえる!?』

しばらくするとママから通信が入った。

「ママ!!どこにいるの?メリルは見つかった!?」

『いないみたい!もしかしたら地下のフロアにいるのかもしれないわ!でも気をつけて!エレベーターの前に複数の生体反応があるわ!防衛陣地をーーザザーッーー電気を復旧してーーザザーーッ!!』

「ママ!?ママ!?」


ふと前を見ると次のフロアに続く隔壁が閉じられていた。

ロックされていると言うより電源が入っていないようで、なんとなく隔壁に書いてある図形を見る限りエレベーターがあるようだった。


グォーン・・・。

と言う音で、壁についてる起動灯が点灯し、隔壁の上に付いているランプが点灯した。

どうやら『電気を復旧』はママがやってくれたらしい。

なら『複数の生体反応』『防衛陣地』は?


私は考えていると隔壁のゲートが左右に開いてゆく。

男達の怒号と、ガヤガヤとした人が移動する音が聞こえるも、私は驚きのあまり動けなかった。



口火を切ったのは兵士の叫びだった!

「プルーテ!!!!」

「きゃーー!!」

私は兵士と目が合った瞬間、思わず前に屈んでミサイルとガトリングを同時に押した!!

その途端、数百倍の弾丸と野戦砲の雨あられがルーマのボディに降り注ぐ!!!

私は思わずヘッドギアの耳のハッチ塞いだ。

ルーマが気持ち悪くガタンと揺れ、脚の油圧系統が破壊された事を画面で教える。


私は闇雲にガトリングとミサイルを撃ちまくり、ライトを敵に向けた。


しゃがんでいたので機銃が吹き飛び、小型ミサイルのポットが脱落する。

隔壁が開くのがわかっていたら、もっと後ろから隠れて撃てばよかったと後悔する。

しかし回避しようにも脚の関節が壊れ、バスターを撃とうにも頭をあげたら吹き飛ばされてしまうだろう。

それほど私は敵の射程にまんまと入ってしまったのだ・・!



「きゃあああああ!!!」

遂にルーマの画面が割れて、弾けて熱せられた鉄の破片が私を襲う!!

エアロ(油圧システムに使う液体)が噴き出て顔にかかり、私の体を弾丸が掠める。


壊れる!壊れる!!


私の放った何かが引火して、遠くで爆発を伴った衝撃波を感じる。



その時だった。


何かのアナウンスが入って、一斉に水が降り注いだ!

「わっぷ!!こ・・・これは!!」

耳のハッチを開けると、大量の水の降り注ぐ音が聞こえる!

どうやら電力を復旧したことで本来の緊急消火装置が作動したようだ。




「す・・すごい・・!!」




水が工場の照明でキラキラ光り、私は絵も言えぬ美しさに立ち上がると空に向かって手を伸ばした。





水はエアロや燃えた煤や焦げを洗い流し、弾丸で空いた穴からコロコロと水が逃げだす。

私は恐怖と緊張感の極限状態が振り切って解放され、使用済みの電解水をそのまま漏らしてしまった。


アンモニア成分は検出される前に流れ・・私は自分の生理現象に任せる。


敵の方を見ると、みんな攻撃をやめて唖然としながら私を見ていた。



・・・・。


私は両手を広げて降り注ぐ水を感じ、ゆっくり目を閉じて息を思い切り吸った。

兵士達が私のやろうとしていることに気付いてバタバタと動き出す。



そして工場に響き渡るように叫んだのだった。


「サンダァアアアア!!!!!ブレイク!!!!」


カッ!!!!ドガアアア!!!パァン!!!ビリビリビリ!!!


と、身体が光り輝き、私の全身から龍のように電流が迸る(ほとばしる)のを感じた!!!


全ての電気照明が破裂し、ルーマの電気系統が火花を散らしながら私を祝福した!!!

兵士達が一斉に私の電撃で飛び上がり、悲鳴すらあげる暇なくもがき苦しむ!

野砲が電撃で爆発し、スパークライフルが破裂する!


その瞬間、恐怖の一線を超えた電撃という名のシンバルが私を駆り立て、快楽に近い何かを感じながらサンダーブレイクという名の強烈な電撃攻撃を兵士達が『納得』するまで工場内に流し続けた!!!


「あはっ!!あはははは!!あはははは!!!」


私は電撃を流しながら笑い続けた。


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