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終末世界へようこそ -目覚めたら世紀末でした-  作者: ウムラウト
本編

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89 休日・それぞれの日常

-翌朝

@ノア6 ヴィクターの私室


「ん…朝か…。」

「ヴィクター様、おはようございます。」

「おはよう、ロゼッタ。」


 目を開けると、金髪の美女が…(略)

 そして、チラリと反対側を見ればカイナが裸で眠っている…。俺とロゼッタが喋っていても起きないところを見るに、昨夜は相当疲れたのだろうか。


「あら…。カイナ、カイナさん…起きて下さい。」

「う〜ん、後少し…。むにゃ…。」

「もう少し寝かせておこう。初めてで疲れてるんだろ。」

「それもそうですね…。あ、出られるのですか?」

「ああ、ちょっと走って来る。」

「では、いつもの時間に朝食を用意しておきます。食事はこちらに?」

「いや、食堂だ。皆んなで食べよう。」

「承知しました。」


 運動着に着替えて、ノア6での日課である、早朝の運動をする事にする。普段、ノア6の外にいる時はやらないが、たまには真面目に運動しないと身体が(なま)ってしまう。

 カイナを起こさないように、部屋から出て訓練場に向かう。


 昨日の、ジュディとしたトレーニングと、カイナとロゼッタとのセックスで、身体がバキバキだ。だが、こんな時こそ、充分な食事と適度な運動が必要だと、俺は思う。個人的に、筋肉痛でも有酸素運動をするかしないかで回復が違う気がするのだ…。



 訓練場に入ると、先客がいた。ジュディだ…。どうも俺に気がついてないみたいだ。

 ジュディに追いつくように走り、後ろから声をかけて挨拶しておく。


「はっ…はっ…はっ…。」

「ジュディ、おはよう。」

「はっ…はっ…ッ! お、おはよう。」

「驚かせて悪い! それじゃ後で食堂で…!」


 運動中の人間に声をかけるのは、本来ならマナー違反だが、無言というのも寂しいだろう。

 その後、気の済むまで走り込み、シャワーを浴びて、食堂で飯を食べる。


「うう、まだ挟まってる気がするっす…。」

「カイナ、大丈夫?」

「まあ、慣れだね。初めのうちはそんなもんだよ。」


 三人娘は、口調の矯正を解除したせいか、素を見せてくれているように見える。だが、矯正の影響は少なからずあったようで、ジュディがたまに敬語を使ってきたり、暗い性格だったノーラが、明るくなったように感じる。

 食事をしながら、皆で談笑している。やはり、彼女達を連れてきて良かった。ノア6も賑やかになるし、ロゼッタを一人ぼっちにさせなくてすむ。


「カイナ、まだ痛むのか?」

「へ? いや、大丈夫っす! ご主人様、上手だったんでッ!」

「そ、そうか…。痛かったら、ロゼッタから塗り薬貰ってくれ。」

「へぇ〜、アタシの時とは違って随分優しいじゃないか、この色男。」

「茶化すなジュディ。今日はノーラの番だが、大丈夫か?」

「ふ、不束者ですが、よろしくお願いしましゅッ!」

「ププッ…ノーラ、噛んでるっす!」

「うるさいカイナ! は、恥ずかしいんだから…。」

「先に経験したウチが、イロイロと教えてあげてもいいっすよ?」

「…いい。」

「経験なら、アタシの方が多いわよ?」

「それでしたら、私の方が。」

「…うぅ。」


 ノーラは、恥ずかしいのか、耳まで真っ赤にしている。……これで、やっぱり嫌とか言われたらやだな。


「よし、決めた。ノーラ、飯食ったら早速ヤるぞ!」

「えッ!?」

「うへぇ! ご主人様、昨日あんだけヤったのに!?」


 だったら、断られる前にGoだ! 今日はハメを外そう。昼間から酒を飲んで、セックスをするのだ。

 そう考えていたら、ジュディから思わぬ援護がきた。


「な…なぁ、アタシも混ざっていいか? 薬はちゃんと飲むからさ…。明日には街に出るんだろ? このままだと、仲間外れになる気がして嫌なんだ…。」

「マジか……。よし、全員かかってこいや! 今日はハメを外すぜッ!!」

「久々だけど期待してるよ、ご主人様? それに、カイナの“イロイロ”ってやつも見てみたいしねぇ?」

「えっ…ウチもっすか!?」

「ロゼッタ、全員分の水着を用意してくれ。もちろんレジャー用…なるべくエロいやつで!」

「わかりました。見繕ってみます。」


 食事を終えた俺達は、全員で水着に着替えた。…何故水着なのかと言うと、ある映画で、金持ちの男がジャグジーで、水着を着た女達と戯れているシーンがあり、それに憧れたからだ。


 その後、皆んなで水着のまま過ごし、一緒に映画を観たり、プールや大浴場に入ったり、気が向いたらセックスをしたりと怠惰な一日を送ることにした。


「まあ、あまり生産的とは言えませんが、ヴィクター様のリフレッシュになるのでしたら、たまにはこういう日があってもいいかもしれませんね…。」



 * * *



-夕方

@ガラルドガレージ


 フェイは、ギルドでの仕事を終えると、ガラルドガレージを訪れていた。


「お邪魔します!」

「あ、フェイさん。お帰りなさい!」

「モニカ、ヴィーくん帰って来てる?」

「残念ですが、まだ帰ってないです。」

「そっか…うん、そうだよね。明日まで留守にするって、言ってたもんね…。」


 すっかりとヴィクターの通い妻になっているフェイだが、習慣になってしまったのか、ヴィクターがいない時でも、こうしてガレージに足しげく通っていた。最近では、ギルドの寮にいる時間よりも、このガレージにいる時間の方が長いくらいだ。


「カティアは……クエント達と依頼受けてたわ、忘れてた。」

「カティアさんも、明日の昼には帰って来るって聞いてます。隊商(キャラバン)の護衛だとか…。」

「うん、知ってる。その依頼、受付したの私だからね。カティアにそろそろ、ここに住まわせてもらうおうか相談しようと思ってたのに…。」

「えっ、フェイさんここに住むつもりなんですか!?」

「うん。ヴィーくんもいるし、寮よりこっちの方が賑やかで楽しそうだし。」


 もはや、ここに半分住んでいるようなフェイだが、自分の着替えなどを入れるチェストなどがあったり、自分の食器などがしれっと置いてあったりと、すでにその為の布石は置いてあったりするのだ。


「私も嬉しいです!…私、昔から友達少なくて…フェイさんが仲良くしてくれて、とても感謝してるんです!」

「え…それは違うわ、モニカ。私達は友達じゃない。」

「えっ…。」

「いい? 私達はヴィーくんの、第一夫人と第二夫人みたいなものよ! つまり、友達以上…家族みたいなものなの!」

「家族…そうですね! ヴィクターさんも、そう言ってましたね! そういえば、私達って竿姉妹って言うらしいですよ?」

「…それ、絶対に外で言わないでね。」


 ヴィクターは、モニカをガレージの家事要員として購入したが、別に手を出してない訳では無かった。フェイが仕事で来れない日などは、モニカがヴィクターの相手をしているのだ。

 ちなみに、フェイが泊まりに来ると、ヴィクターのベッドには3人で入ることになるが、ヴィクターの買ったキングサイズベッドは、充分な余裕がある為に、問題は無かった。


「はぁ…ヴィーくん……早く帰って来ないかなぁ…♡」


 ヴィクターへの想いを募らせるフェイであったが、ヴィクターが既に6股してるなど思いもよらなかったのだった…。



 * * *



-深夜

@街道 隊商のキャンプ


 カティアは、クエント達と臨時でパーティーを組んで、隊商(キャラバン)の護衛依頼を受けていた。この隊商は馬車で移動しており、明日の朝にはカナルティアの街に到着する予定だった。


 隊商と言うのは、複数のトラックや馬車が隊列を組んで、野盗などの襲撃から身を守る為や、大量の物資を輸送する際に組織される。隊商には2種類あり、複数の商人達が共同で出資して組織されるものと、ギルドなどの大組織が出資して組織されるものがある。

 カティア達が受けた依頼は前者で、各商人毎で雇ったレンジャーを、自分の馬車の護衛につけている。その為、もし襲われた場合、基本的にレンジャーは自分達の雇い主の馬車を、優先して守ることになる。

 しかし、だからといってお互いに協力しないかと言われたらそうではなく、たいていは食事の準備や、移動中の警戒、夜の見張り番などは、お互いに協力する事になっている。


 現在、カティア達は夜の見張り番が回ってきて、クエント達と雑談していた。


「まさか、Cランクに上がってからも、アンタ達と組むことになるなんてね。」

「いや、今回は助かったぜ。カティアがいなかったら、ショボい依頼しかなかったからな! 隊商護衛で、しかも街と近くの村の往復なんて、中々ないぞ!」


 通常は、隊商であれば長距離を移動するものだが、今回の依頼では、近くの村まで荷物を運んで、そのまま村で荷物を載せかえて、街に帰るという期間が短くお手頃な依頼だったのだ。

 しかし、不可解な点もあった。


「そういえば……村に運んだ荷物、見た?」

「ああ。銃に弾薬、ナイフに棍棒…キングダム、【バリスタ】みたいな設置兵器まで積んであった。戦争でもする気なのかね…。」

「でも、帰りの荷物…さっきこっそり見たら、中身全部ビスケットとか、缶詰めとか保存食ばっかりだったの。戦争するなら、食料って必要なんじゃないの? 外に出しちゃっていいのかしら。」

「そうだな…。うーん、転売か?ただの輸送の中継地なのか? そもそも、今から戦争しますって空気じゃなかったし…。まあ、ヴィクターなら何か分かるかもしれないな。」

「そうね。聞いてみようかしら。」


 分からない事は、人に聞こう。カティアはそう決めると、考える事を放棄した。そして、クエントもそうすることにした。

 二人にとっては、報酬が全てであり、依頼の背景などは特に気にしないようだ。


「そういやミシェル、腹は大丈夫か?」

「は、はい…なんとかなってます……。」

「いつもの持病、だっけ? ヴィクターに相談してみたら? 医者じゃないけど、何かしてくれるんじゃないかしら。」

「い、いえ…これ以上、ヴィクターさんに迷惑かけちゃ悪いですよ。今日だって、前貰った薬のおかげで大分楽になれたんですから…。」

「その優しさを、もっと私みたいな女の子にも分けられればいいのに…。ま、お大事にね。」

「はは…。」

「ミシェル、この依頼が終わったらしばらく休みな。幸い、内職で爆弾作れる準備してあるからよ。」

「すいません。突然来ちゃったんです…。迷惑かけて、本当にごめんなさい…。」


 ミシェルの発作は、ある程度予測ができるらしく、次の発作は2日後の予定だったのだが、想像より早く来てしまったらしい。

 幸いにもクエント達のチームは、依頼以外にも内職で稼ぐ事ができる。クエントは、カナルティアの街では名の知れたスカウトであり、彼の作る爆弾や地雷は、知る人ぞ知る名品として評価されている。

 さらに、スラム襲撃作戦の成功の影響で、警備隊から爆弾の注文が入っており、作った分だけ買い取ってもらえるという、恵まれた環境にあった。


「心配すんな、ミシェル。ヴィクターのおかげで、金には困ってないからよ。ヴィクターに会ったら感謝しとけよ!」

「そうします…。」

「聞いたわよ。クエントの爆弾、警備隊長のおっさんが気に入ったって。」

「でもあの人のせいで、こっちは門潜るたびに、爆弾の催促されるようになって参ってるよ。俺は職人じゃねぇ、レンジャーだっつうの。」

「ははは! そういえば、お金貯まってんじゃない? そろそろいっちゃえば?」

「……そうだな。」


 クエントは、ある計画を立てていた。それは、結婚資金を貯めた上で、彼の天使…ギャル受付嬢ブレアに、交際を申し込む事だ。そして現在、クエントは充分な資金を用意して、後は告白するだけという状況だったのだ。


「……よし、やるぞ! 漢を見せてやるぜッ!!」

「頑張って下さい、クエントさん!」

「まあ、頑張りなさいな。」


 この依頼が終わり、ミシェルの症状が落ち着いた頃、クエントはブレアに交際を申し込んだ。だが、それが後に、とんでもない事にヴィクター達を巻き込む事になるとは、この時誰も予想できなかった…。

【バリスタ】

 廃車になったトラックなどの、リーフスプリングなどを使用して作られた、巨大なクロスボウのような弩砲。対大型ミュータントや、対車両などに用いられる。主に、車両や検問所に設置して、防衛兵器として用いる。

 弾は、対車両用に柄の先に榴弾がついたものや、通常の槍のような弾を発射する。


 容易に製造できて威力が高く、材料も豊富にある為コストは安い。だが、命中精度と弾の装填にかかる時間は、妥協する必要がある。


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 昨日、予約掲載したと思ったら、別の日になっておりました(汗

 次から気をつけます!

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