87 孤児院経営者
-数刻後
@教会 礼拝堂前
神父に文句を言うべく教会に入ると、見知った顔がいた。孤児院の幼馴染達で、今は神父見習いをしているロイドと、シスターをしているメリアだ。
「あっ、ロイドにメリア!」
「ああ、カティア。お帰りなさい。」
「カティア、いつも子供達にお菓子持ってきてくれて、ありがとね〜!」
2人は、孤児院を出て行く年齢の14歳になっても、孤児院を出て行かずに、残って神父の手伝いや、孤児院の管理、子供達の世話などの職員のような事をしているのだ。他にも、そういう者が数名おり、孤児達の就職先の一つになっていると言える。
「そういえば聞いたよ、Cランクに昇格したらしいじゃないか。おめでとう!」
「カティア、凄いね〜! 私達の中だと一番出世してるんじゃないかな〜?」
「ありがとう。…それで、2人も神父に用?」
「うん、リサイタルの練習するからオルガン弾けって頼まれてたんだけど…。」
-ダダダダダダダダダッ!
「とまあ、この状態でね。」
「あの調子で入れなくて、困ってるの〜。」
礼拝堂の扉の向こうからは、銃声や怒鳴り声が聞こえてくる。神父が誰かと戦っているのだろうか?
「神父と戦うなんて…いったいどこのバカなの?」
「そうなの〜、私も驚いちゃって〜。」
「でも、誰だろ? 今は特にトラブルは抱えてない筈だけど…。」
「どうでもいいわ! どいてロイド、止めてくる。子供達が怖がってるわ!」
「カティア、危ないよ〜!?」
「あっ、扉を開けるなら気をつけてね。」
カティアが礼拝堂の重たい扉を開けると、そこには何と再び見知った顔があった。自分の家の居候であり、同じチームの相棒であり、同じ師匠の弟子同士…そう、ヴィクターだ。そのヴィクターが、ジェイコブ神父と至近距離で、お互いに拳銃を突き出しながら睨み合っていたのだ。
「な、何やってんのよ貴方達ッ!?」
* * *
-同時刻
@教会 礼拝堂
-ダダダダダダダダダッ!
神聖な筈の礼拝堂の中で、神父のアサルトライフルが火を吹き、長椅子や調度品に穴が開いていく。何ともシネマティックな状況の中、俺は加速装置を駆使して、弾道を避けながら礼拝堂の柱を盾に、神父に接近していく。
流石に、加速装置を使用していても、弾速が早く、かつ連射力のあるアサルトライフルの弾幕を、正面から突破するのは危険だ。遮蔽物を利用して、ジリジリと近づくのが賢明な判断だ。
と思っていたのだが、逆に神父に距離を詰められる恐れがあることに気がついて、後悔した。
(しまった…近づくのは早計だったか?)
カティアへの理不尽に、つい感情的になっていたのかもしれない。
だが、ここまで来たらやるしか無い。弾幕がなんだ!距離を詰められる前に、こっちから攻勢に出てやる!なるようになれッ!
俺は意を決して、神父の制圧射撃の真っ只中へと躍り出た。
-ダダダンッ!…カチッ!
数秒の乱射の後、神父のアサルトライフルの弾が切れる。と同時に加速装置を切り、神父に迫る。
(貰ったッ!!)
このまま接近して、弾倉をリロードされる前に、体術で拘束してやる!そう考えていたら、神父はリロードなどせずに、アサルトライフルの銃床の背を握ると、銃口を突き出しながら突進して来た。
「おらぁッ!」
「うおっ!?」
突き出された銃口を、身体を逸らして避ける。まさか、向こうから接近戦を挑まれるとは思わなかった…。突然の事に驚いたが、何とか避けることができた。
銃剣格闘術のようなものだろうか? 神父の突きは鋭く、もし筒先に銃剣が付いていたら、確実に攻撃を食らっていただろう…。
「チッ!」
神父は、そのまま流れる様に俺の顎目掛けて、肘打ちの要領で銃床を振り上げる。俺はその攻撃を、上体を後ろに逸らして避けた。だが、神父はそれを見透かしたように、振り上げた銃床を、そのまま叩きつけるように、俺に突き出してくる。
上体を、後ろに逸らしている状態への追撃…。普通なら、こんな体勢が崩れている状態で避けることはできない。だが俺も、ついうっかりこんなガバガバな避け方をした訳ではない。ロゼッタと特訓して習得した、必殺技を試す為だ。
「はっ!」
「何ィ!?」
俺は上体へを後ろに逸らした上体を、さらに逸らして、そのままバク転する要領で、足を振り上げる。俺の脚が、神父のアサルトライフルを蹴り飛ばし、俺はそのまま一歩後方に着地する。いわゆるサマーソルトって奴か?
…映画のシーンで見てから、一度やってみたかったんだ。一つ願望が叶った。
神父は武器を失って体勢を崩したが、すぐに後ろに飛び退いて体勢を整えると、チラリと視線を床に落とした。その視線の先には、先程俺が投げた積み木により、神父が落とした拳銃があった。
「…くっ!」
「させるかッ!」
神父は、拳銃に向かって飛び込んだ。神父が動くのと同じタイミングで、俺も神父に向けて、拳銃を引き抜きながら走る。
神父は、腰を床につけたまま上体を起こすと、拾った拳銃を俺に突き出す。と同時に、俺も拳銃を神父の額へと突き出して、お互いに銃を向き合わせるという、映画でよく見る膠着状態となったのだ。
「…はっ、やるじゃねぇか!」
「アンタもな!」
その時、礼拝堂の入り口から、聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「な、何やってんのよ貴方達ッ!?」
「ああん?」
「…カティア?」
「ヴィクター、何で貴方がここにッ!? てか、何で神父と戦ってんのよ!?」
「そ、それは…。」
カティアの他にも、入り口からキャソックを着た青年と、修道服を着たシスターが入って来て、神父と俺を引き離す。
「はいはい〜、二人とも銃を下ろして下さ〜い!」
「あーあ。また随分と暴れましたね、神父?」
「ああ、久々に楽しかったぜ!」
二人が神父との間に入り、俺は銃を下ろした。
「で、何があったか聞かせてもらうからね!?」
* * *
-数分後
@ウェルギリウス孤児院 院長室前
「ギャハハハハハッ!俺が悪の親玉だァ!? コイツは傑作だぜぇッ!!」
「いや、その見た目なら普通そう思うだろ!?」
「……。」
「まぁ確かに…神父は…ふふっ…。」
「あ、悪の親玉…ぷぷっ…!」
「あん?何笑ってんだよお前ら! おら、ロイドはガキどもの面倒、メリアは客に飲み物でも用意しやがれッ!」
「はい。では…。」「は〜い!」
カティアと一緒に礼拝堂に入ってきた二人…この孤児院の職員だそうだ。二人は院長室の入り口で一礼すると、部屋から出て行った。
「おい、カティアも黙ってねぇで紹介しろや。自慢の相棒なんだろ?」
「自慢? カティアが俺を?」
「ち、違う!そんなことしてないッ!!」
「よく言うぜ…。っと、俺の紹介がまだだったな…俺はジェイコブ・A・ウェルギリウス。この孤児院の院長をやってる。」
「…ヴィクター・ライスフィールドだ。カティアの自慢の相棒ってヤツだ。」
「ぐ…もうっ! 本当に何なのよッ!!」
「ギャハハハッ! お前、気に入ったぜッ!!」
神父が右手を差し出してきたので、その手を握って握手をする。
ジェイコブ神父…彼は裏社会の人間でもなければ、悪の親玉でもなかった。彼は真っ当な?孤児院経営者であり、ちょっとだけ…いや、かなり顔が恐ろしく、奇抜な性格の持ち主というだけであった。
神父は元レンジャーだそうで、曰く「昔はヤンチャしてた」そうだ。彼は多分、俺が戦った執行官達よりも強い。今までに、相当な修羅場を潜り抜けてきたのだろう。
「で、アンタが悪い奴じゃないってのは分かったが、結局カティアは何でアンタに金を?」
「そ、それはヴィクターに関係な…」
「ああ、それな。コイツ、ちょうど2年位前に、街中で大暴れしてよ?」
「いや!黙りなさいよッ!!」
カティアの制止を無視して、神父はゲラゲラ笑いながら、事の顛末を話す。
「何でも、パーティー組んだ連中に嵌められて、酒をたらふく飲まされたらしくてよ。」
「あっ…。」
「おおかた、コイツを酔い潰して輪姦そうとしてたんだろうが、コイツは酔って大暴れ…駆けつけた警備隊にも怪我人をだして、大騒ぎだったって訳よ。」
「…何か他人事に聞こえないな。」
「それでその時、身元引受人の英雄ガラルドは、任務で街にいなくてな…で、仕方なく俺に泣きついてきて、俺が賠償金を肩代わり…借金娘カティアの完成って訳よ。」
「なるほどな…アンタも散々だったな。」
「だろ?」
「な、何よ…!?」
俺と神父の視線が、カティアを射抜く。
まったく…心配して損した。何だよ、結局また借金かよ…。カティアめ、本当にダメ人間じゃないか。
「で、借金はあとどのくらい残ってるんだ?」
「ん、ああ。もうとっくに完済してるぞ?」
「「 はぁ!? 」」
「3、4ヶ月前か? 確かそん位の頃に、返済は終わってるぞ?」
「ど、どういうことッ!? じゃあ、今まで私を騙してたの!?」
「騙す?人聞きが悪い…。テメェの借金だろうが!自分で額面の管理くらいしろや!いつまでガキのつもりなんだ?」
「そ、それはそうだけど…てか、過払い金返しなさいよ!」
「過払い金だぁ? 今までのはな、テメェの孤児院に対する寄付金だろうが。返す義理は無いな!」
「そんなッ! ヴィクターも何か言って!」
「いや、カティア。お前が悪い。」
「何で!?」
確かに、カティアが俺に対して借金を抱えていた時も、コイツは借金があとどのくらい残ってるか聞いてこなかった。かといって、カティアが自身で残高を計算している訳でもなく、借金の管理は債権者である俺が行なっているだけで、カティアは全くの無関心だったのだ。
もし俺じゃなかったら、カティアは延々と借金を返し続けることになり、気づいた時には借金の額面を遥かに上回る額を支払っていたことだろう。
聞けば、神父も俺と同じように、カティアの借金は無利子にしていたようなので、かなり善良だろう。カティアに、むしろ感謝するべきだと諭したら、納得はしていないものの、神父に対する追求は諦めたようだ。
「カティアは、もっとちゃんとした方がいいな。」
「ま、今回の件は授業料って事だな! 寄付金は、ガキどもの腹の足しにはなるだろうよ。」
「…わかった。けど、納得はしてないから!」
「あ?利子つけてねぇのに、感謝もできねぇのかこの女は。」
「てか、カティアが酒飲まなきゃいい話だろ?」
「うっ…。」
「飲み物お持ちしました〜!」
メリアと呼ばれたシスターが、飲み物を持って来てくれたので、神父と話しながら頂く。カティアは、俺達の会話に飽きたのか、メリアと共に部屋を出て行った。…子供達と遊ぶらしい。
「神父。アンタ、元レンジャーなんだって? まだ現役でもいいんじゃないか? 相当強かったぞ。」
「そう言ってくれるのは嬉しいが、俺ももう歳だ。それにこう見えてな…俺は孤児院経営が夢だったんだよ。」
「そうか、意外だな。」
「良く言われるぜ、なんせこの見た目だしな。」
自分の見た目に自覚はあるのか…。それにしても、孤児院か。崩壊後の世界で、孤児院なんてやっていけるのだろうか?
公的な支援がある訳でも無いだろうし、パトロンもいるようには見えない。かといって、教会は機能しているようには見えないので、お布施も無さそうだ。
考えてみれば、子供達を養っていける余裕はなさそうなのだが…。
「そういや、孤児院って経営大丈夫なのか? 普通なら、貧しいイメージがあるんだが。」
「そうか? ウチは毎年、黒字経営だぞ。」
「黒字? 何かやってるのか?」
「気になるか?ま、別に隠すもんでもねぇしな…ついてきな。」
* * *
-数分後
@ウェルギリウス孤児院 倉庫
神父に連れられて、孤児院の敷地内にある、大きな倉庫に入る。中は広く、あちこちに木箱や樽が積まれており、いかにも倉庫らしい内装なのだが、奥から何やら音がしていた。
「ほら、こっちだ。」
神父について倉庫の奥へ入っていくと、そこには作業場の様な空間があり、10歳前後の子供達がセカセカと働いていた。
「し、神父ッ!?」
「こら、サボんじゃねぇッ!! 気にせず作業を続けろ!」
「は、はい!」
子供達が、俺達に気づきこちらを見てくるが、神父の言葉に皆作業に戻る。
「あれは…ハンドロードか? 子供に弾薬を作らせてるのか!?」
「ああそうだ。」
作業場には、8台ほどのレバーの付いた機械が並び、子供達がガチャリガチャリと、銃の弾薬を作っている。他にも、薬莢を黙々と選別する子供達や、できた弾薬を箱詰めしている子もいる。
「どれ、見せてみろ!」
「は、はい!ど、どぞ…!」
神父が、できた弾薬を1つ取ると俺に渡してきた。
「ヴィクター、見てみろ。」
「…これは、5.45mmか。これがどうしたんだ?」
「へっ、分からねぇか。いいか、これはここいらじゃ一番質の良い弾薬なんだ。」
「質の良い弾薬?」
「ああ。撃ってみりゃ分かるが、命中精度が他のと段違いだ。この街で出回ってる弾薬は、殆どがどっかから流れてきた物か、ここ北部地区の工場街で作られた物だ。
他のだと、作業が雑なのか知らねぇが、ひでぇ時は弾が詰まったり不発だったり、散々な目に遭う。」
俺が使っている弾薬は、全てノア6で製造した物だ。弾薬と言えば、工場生産された、品質が均一の物というイメージが俺にはあるが、崩壊後だとそうもいかないのか。
「これならガキでも作業ができるし、人件費もタダ。さらに、質のいい弾は需要もあるから、買い手にゃ困らないって訳よ。」
「なるほど…。だが、子供にこんな作業させて飽きられないのか? 俺が子供のころ、こんな作業させられたら速攻で逃げ出したぞ?」
「そこんところも、ちゃんと考えてある!…おっ、そろそろ時間か。」
-ジリリリリッ!
「な、何だ?」
突然、壁に掛かっていた時計が鳴り、子供達は作業をやめて、倉庫を出て行った。すると入れ違いに、さっきとは違う子供達が入ってきて、黙々と作業を始めた。
「ガキに集中力は無い。タラタラやってたら、生産量も弾薬の質も落ちちまう。だから、こうやって1時間で交代させてるんだ。ちなみに、弾薬製造は1日1回までにしてるぞ。ガキは腐るほどいるしな!」
「なるほど…。だが弾薬製造だけで、孤児院が黒字になるのか?」
「それ以外にも色々やってるぞ、例えば酒とかな。」
神父は、倉庫の樽を指差した。
「あれは今度出荷する分だが、ウイスキーとかワインは熟成すんのに時間がかかるだろ? そして、年代物は高値がつく。この倉庫の地下はセラーになっててな、定期的に酒を卸してるんだ。」
「な、なるほど…。」
確かに、酒は寝かせておけば値段は上がる。崩壊前にも、ワインやウイスキーに投資するというものがあったはずだ。さらに街なら人口も多く、酒の需要もある…理にかなっている…。
「他にも、ガキを使って探偵モドキや、頭の良いガキには、街の商店からの経理代行やらせたり…後は、信心深い馬鹿向けに冠婚葬祭なんかの事業とかか…。ま、色々やってるな。」
「…神父…あんた相当頭いいだろ?」
「何だよ、今頃気づいたのか?」
この神父、ただのクレイジーな奴って訳では無さそうだ。話を聞く限り、かなりのやり手だった…。
俺も、グラスレイクの難民村という問題を抱えているので、神父の話は為になる。彼に、色々と相談するのもいいかもしれないな…。
-2時間後-
あの後、神父と金儲けの話で長々とおしゃべりしてしまった。すると突然、運動場から銃声が聞こえてきた。
「何だ?」
「ああ、訓練の時間だな。」
「訓練?」
「ガキの希望に合わせて、職業訓練をしてるんだ。普通、孤児なんて厄介者扱いされるだろ? だが、ある程度手に職ついてたら話は別だ。」
「あんた、ちゃんと子供達の事を考えてるんだな。」
「まあな。それに、訓練で何か作らせたりして、それが売れりゃ儲けになるしな。」
「で、この銃声は何だ?」
「レンジャーとか、警備隊みたいな戦闘職希望者だな。最近じゃ、カティアみたいな奴のせいで、女の子の希望者も増えてきてよ…。」
この孤児院は、戦闘訓練まで行っているのか!? もはや、街から独立できるのではなかろうか…。
「だが、戦闘職希望者が増えたら、孤児院の損失にならないか? 訓練で弾薬や武器を使うんだろ?」
「いや、それは無い。訓練で使う弾薬は、ウチで作ってるのを使う。で、奴らが孤児院を出て行って、戦闘職に就いた時に、奴らは他の弾薬の質の悪さに嫌気がさして、ウチのお得意様になるって寸法よ!」
「流石すぎるッ!?」
「それに…ほら、見てみな?」
運動場を見ると、カティアや他の大人たちが、子供に射撃訓練を施していた。
「…脇を締めて…そう、そんな感じ。重心をもっと前にして…そう…そのまま狙って撃って。」
「うん…。」
-パァンッ!
「よし、その調子!」
「ありがとう、カティア姉ちゃん!」
カティアは、俺が見た事の無い笑顔で、子供達と接している。彼女の知らなかった一面を見る事ができた。
「あんな風に、カティアみたいな奴が、こうしてよく手伝いに来てくれる。あんな風に、他のレンジャーに師事して得た技能を、子供達にタダで教えてくれるんだぜ?」
「なるほど…。で、成功した子供は新たな広告塔として、孤児院製の弾薬の販促兼、子供達の教育係となる…と。」
「なんだ、分かってるじゃねぇか。」
「だが、供給が追いつかなくなったら…いや、その時は値段を上げればいいのか。それでも売れるんだろうし…。」
「そう言う事だ。」
-数時間後-
あの後、俺も子供達の戦闘訓練に付き合う事にした。神父から話は、俺の村運営の参考になったし、そのお礼代わりだ。
孤児院の子供達は、とても礼儀正しく、接していて微塵もストレスを感じない、いい子達だった。カティアが定期的に来るのも、納得できる気がする。
「あばよ、また来いや!」
「ああ!」
「ヴィクター、随分と神父に気に入られたのね?」
「ああ、カティアの話で意気投合してな。」
「何よそれッ!?」
「冗談だよ。…それにしても、いい子達だったな。」
「でしょ!? あの子達を死なせる訳にはいかないの!だから、こうやって私が毎週教えに来てるって訳よ!」
(…こりゃ、神父の思惑通りになってるな。)
普通なら、戦闘訓練のインストラクターとして、金が取れるはずだ。
(ま、自分が幸せなら、それでいいか…。)
幸せそうに微笑んでいるカティアを見て、本当の事は話さない事にした。
ロゼ《リサイタルって、何でしょうか?あまり聞かない言葉ですね。》
ヴィ《独奏会とか、そんな意味だ。多分、ギター持ってたしそれでも弾くんじゃないか?》
ロゼ《どういった曲を奏でるのでしょうか?》
ヴィ《ハードロックだってよ。ドラマー募集中って話だが…。》
ロゼ《…孤児院で養成できるのでは?》




