世界観・設定(AM)
AMとは……
アーマードマニュピレーター。通称、AM。元は、レガル共和国による南極大陸開拓事業に利用する為に開発された、大型のパワードスーツ。開拓事業が国際世論の反発を受け中止された後、宇宙開発での利用の為に目をつけた連合に、技術を有償供与した事により軍事転用され、発展していった兵器。大きさは約8m前後。
装甲を施し、武装すると兵器になる事から、連合と共和国の軍需企業間で共同開発が行われ、次第に両陣営の陸戦兵器としての地位を獲得していった。ただし、認識には双方に違いがあり、連合側は兵器であると公言していたが、共和国側はあくまでも作業用機械の一種であるとの見解を示していた。
操縦者の電脳とAMをリンクする意識操縦により、自分の手足を動かす感覚で操縦する事が可能となっている。その為、操縦者自身が戦闘訓練で身につけた技能が、そのままAMの戦闘にも反映でき、訓練期間を短くする事ができるという点で画期的だった。
初期の作業用パワードスーツに改造を施し、武装させた第1世代型、初めから戦闘目的に設計されて短距離飛翔能力を獲得した第2世代型、遠隔操縦も可能になった第3世代型がある。
第2世代型までは、作業用パワードスーツ時代の名残りである、二本の操縦桿がコックピットに備え付けられており、操縦桿によるマニュアル操縦が可能だった。
動力は当初、バッテリー駆動方式だったが、第1世代型では内燃発電機関を搭載する事で、出力向上に伴う電力消費を補っている。また、連合軍では第2世代型以降の機体に“受信機”を搭載しており、外部電源方式を採用していた。
連合では、兵器の一種類として運用されていたに過ぎないが、逆に共和国では“兵器ではない”事から、民間企業(PMC)により積極的に運用されていた。
ペットネームは、神話の巨人や神、英雄などからとられているのが特徴。
以下ネタバレ注意!
作者の備忘録的側面もあります。まだ、登場していない機体や、載せられない設定もあります。
◇◇◇ 連合軍機 ◇◇◇
【AM-3 サイクロプス】
数々の試作の果てに完成した、初の量産型AM。第1世代型AMで、元となった作業用パワードスーツの出力を向上させ、装甲を施し、専用の武装を装備させて完成した。その結果、ガッシリとした無骨なデザインとなっている。
ガスタービンエンジンを搭載しており、シリーズ方式で駆動する他、駆動系には一部油圧機構を搭載している。
崩壊前、連合軍では既に退役しており、予備兵器として保管されていたが、闇ルートで流れた本機が、同盟陣営の内紛やテロで使用されていたりと、AMの中でも一番仮想敵である同盟と戦っていたといえる。
[種別]第1世代型AM/MAM
[所属]環セデラル洋大陸間経済連合軍、モルデミール軍
【AM-5 アルビオン】
第2世代型AM。第1世代型と比べて、最初から戦闘目的で開発されている。“受信機”の搭載により、衛星からの電力供給を受けられる為、ほぼ無限の稼働時間を持つ。同時に内燃機関の廃止により、被弾時の安全性の向上と、軽量化による機動性の向上が実現した。
また、スラスターを用いた限定的な飛翔能力を獲得している。
第3世代型が主流になりつつあった崩壊前の世界でも、第3世代型への更新がなかなか進まずに、まだまだ現役であった所も多い。
ノア6にも数機が保管されている。
[種別]第2世代型AM
[所属]環セデラル洋大陸間経済連合軍、モルデミール軍
【AM-9 プロメテウス】
連合軍で採用されている第3世代型AM。
陸、海、空、宇宙全ての軍で運用する事を前提に開発が進められ、汎用性の高い機体構成となっている。また、この機体からコックピットの操縦桿を廃し、操作系を完全に電脳直結型にした為、動かすには操縦者の電脳化が必須となる。この結果、従来機では難しかった遠隔操縦が可能になり、戦略の幅が広がった。
前世代機と比べ圧倒的な機動性を誇っている他、宇宙空間での運用を考慮してスラスターが強化されており、三次元戦闘能力が強化されている。また電力供給・蓄電機能の向上により、パルスレーザーやビーム砲といった光学兵器や、レールガンなどの兵器を運用できるようになり、攻撃力の向上が図られた。しかし、これらの兵器は総じて高価だった為、通常は従来型の兵装が用いられていた。
ノア6にも1機だけ保管されており、主にロゼッタの乗機となっている。
[種別]第3世代型AM
[所属]環セデラル洋大陸間経済連合軍
【AM-U1 ネフィリム】
AM-9を基に、連合が独自発展させ開発した機体。連合側は、『第4世代型AM』と謳っており、卓越した運動性とパワーを持ち、崩壊前に開発された機体の中では、最強の戦闘力を有すると言われていた。
限定的ながら、重力下での飛行能力を有している他、専用コンテナによる、大気圏突入能力を備える。来るべき将来戦に備え、宇宙空間での使用が想定されている他、連合の宇宙空間での優位性を活かし、衛星軌道からの空挺降下により敵目標に対する奇襲攻撃を可能にしている。
ただし、上記の戦術をとる関係で、必然的に特殊部隊専用機となっている他、一度宇宙に運搬する必要がある上、機体の武装搭載量も限定されてしまうという問題がある。また、機体価格が非常に高価だった為、製造されたのは少数であったと言われる。さらに、上記の戦術と機体の機密保持の為に、地上配備はされていなかった(軌道上のガブリエルなどのセラフィムに少数が配備)。
[種別]第4世代型AM
[所属]環セデラル洋大陸間経済連合、
◇◇◇ 共和国のAM ◇◇◇
共和国におけるAMは、あくまで作業用機械であるという認識であり、法的に兵器とは認識されていない事から取得・開発・改造が容易であった。その関係で、国内の民間企業が積極的にAMを運用した。共和国は国防の大半を民間企業に外注していた為、AMは共和国における主要な戦術兵器となり、世界中の戦場(主に同盟陣営の内戦や、連合内の政情不安定な国や地域)にその姿を見せるようになった。
共和国においてAMは、重量級AM(HAM)、中量級AM(MAM)、軽量級AM(LAM)の3つに分類され、戦闘において積極的にAMを運用しているのが特徴となっている。
また、連合とはAMの共同開発を行なっていた仲ではあるが、連合の持つ無線給電技術は開示されなかった為、共和国製AMでは動力源として内燃機関や、バッテリーなどを使用しているのが特徴。その関係で、莫大な電力を消費する光学兵器を避けて、実弾兵器を多用する機体が多いのも大きな特徴となっている。
●重量級AM
通称HAMと呼ばれる、大型のAM。通常のAMよりも一回り大型であり、大きさは13m〜15m前後。砲撃や制圧用途に用いられ、重装甲かつ大火力を誇る物が多い。また水陸両用機といった、特殊な用途の機体も存在する。通常のAM用武装はサイズが合わない事が多く、機体によって独自の武装を持つ。
共和国独自のカテゴリーであり、連合では戦車や装甲車、戦闘機等を使用する為に運用される事は無かった。
明らかに兵器であるが、共和国はあくまで作業用重機の一種であると主張していた。
【H-305 アングルボザ】
共和国陣営に運用されていた、重支援AM。
【XH-666 スルト】
共和国が開発していた機体。
●中量級AM
通称MAMと呼ばれる、基本的なAMの総称。連合諸国で採用されていたAMは、ほぼ全てがこのMAMに分類される。汎用性に富み、幅広い任務に対応できるのが特徴。
【M-3】
連合との共同開発により誕生した、初の実戦型AM。連合のAM-3 サイクロプスの共和国仕様であり、機体構成はサイクロプスと殆ど同じである。
【M-7】
連合軍の次期主力AMを決めるコンペに向けて開発された機体。だが、無線給電システムの搭載を前提にしたAM-5 アルビオンに敗れ、連合軍での採用を逃した。その後は、共和国の各企業により購入・運用される事となった。
特徴は、高度にモジュール化された機体構成であり、パイロットの好みや戦術に合わせて、簡単に仕様変更が可能である事。規格は公開されており、様々な企業が独自のパーツやモジュールを製造していた。
【XM-54 フレスヴェルグ】
初の核融合エンジン搭載機。
核融合により生み出される莫大なエネルギーを用いた、『核推進CO2ジェットエンジン』を搭載している。このジェットエンジンは、大気中の二酸化炭素に触媒とエネルギーを加える事で炭化水素を精製し、それを燃料に稼働する。このエンジンを用いた飛行能力が、この機体最大の特徴であり、航空戦力の少ない共和国陣営の貴重な戦力となるべく、一定数が量産され、初期作戦能力を獲得していた。
だが、核融合炉の小型化に難があった事から、肝心の融合炉が機体背部に寄生する様な形となり、防御面ではかなりの不安がある。
●軽量級AM
通称LAMと呼ばれる、比較的軽量なAM。主にコストの削減を目的に開発された。AMに使用されている高価な装甲や、電子機器、センサー類などを極限まで省略しており、機体の単価を安く抑える事に成功している。共和国では、最も多く運用されていた。
主にHAMやMAMの随伴機として用いられ、単価も安く、機体が軽量で輸送しやすい特徴から、高価なHAMやMAMを揃えられない中小企業や、フリーランスの傭兵などに人気があった。大企業でも、ハイローミックス運用や、低強度紛争への傭兵派遣で運用していた。
【XJL-004 ジークフリート】
某企業が、自社の宣伝用に試作した特別機。次世代型LAMを謳っており、分類上はLAMに該当するが、その実態はAMの利点である汎用性を捨て去り、対AM戦専門に特化した“駆逐AM”とでも呼ぶべき代物である。
身体のサイボーグ化を含む、種々の調整を施した選抜のエースパイロットの搭乗を前提に、パイロットの身体負荷を無視したピーキーなカスタムが施されているのが特徴。対AM戦……それも接近戦に特化した機体構成をしている。
特筆すべきなのは、『タルンカッペ』と呼ばれる光学迷彩を搭載しており、機体の隠蔽や、接近戦時の奇襲などに用いられる。ただし、バッテリーの消費が激しい為に、長時間の使用には限界がある。
軽量化の為、装甲は極限まで削られているが、代わりに大出力のスラスターを装備しており、軽量な機体重量も相まって、戦闘時は変態的とまで言える機動性を発揮する。戦闘機動時は、スラスターから自機以上の巨大な噴射炎と噴射光を放つ為、相対するパイロットは、まるで目の前で爆発が起きたような錯覚に陥る。
当時のAMには珍しく、パイロットのブラックアウトやレッドアウトによる機体制御不能に備えて、AIデバイス搭載用のマウントが設置されており、バックアップを受ける事が可能。
専用の武装として、『グラム』と呼ばれる大型のプラズマカッターが標準装備されている。グラム起動時は、剣の如くプラズマが細長く放射される為、迫力がある。しかし、決して見掛け倒しという訳ではなく、AMを一撃で葬る威力を持っている。
しかし極端な軽量化と、開発当初から射撃兵装の運用は考慮されていなかった為、武装はグラムのみとなっている。その為、グラム1本で戦闘を行う必要があり、パイロットには相応の技量が要求される。
[動力]全個体アルミニウムバッテリー
[武装]グラム
◇◇◇ アイゼンメッサー研究所製 ◇◇◇
ヴィクターが村長を務めるグラスレイクに亡命してきた“グエン・アイゼンメッサー”と、その孫娘である“エルメア・アイゼンメッサー”の住まい。同じく亡命してきた旧親衛隊メンバーの機体整備の他に、発掘した遺物のレストアや研究、新たな機械や武器の開発などを行なっている。
グラスレイクの技術の中心であり、ノア6からの資料提供と、“巨人の穴蔵”から発掘してきた“万能製造機”とマザーコンピューターにより、崩壊後の世界では充実した開発環境が整っている。
ヴィクター達の活躍により終結した、モルデミール事変後、継戦派の将校や敗北を認めなかった者達が武装解除に従わず、セルディア各地に潜伏を始めた。
彼ら残党は野盗と化し、中にはAMまでも運用する者達も存在する。その為、モルデミール軍残党が運用するAM等の兵器に対抗する為、アイゼンメッサー研究所にて製作改造されたAMが、グラスレイク守備隊等に運用される事となった。
【ER-01 タイタン】
巨人の穴蔵から回収したり、討伐したモルデミール残党軍から鹵獲したAM-3 サイクロプスをレストアし、戦闘力を削ぐべくデチューンを施した機体。グラスレイク(ヴィクター)が方々から回収してきたAMが過剰になった為、作業用の重機として、主にカナルティアの街とモルデミールに売り出すべく作られた。
改修はアイゼンメッサー研究所が行っており、コックピットブロックや関節部などの重要部位を除き、装甲を崩壊前の特殊多層分子複合装甲から、ただの圧延鋼板に貼り替えている。これにより防御力の低下を図り、万一の敵対時の撃破を容易にすると共に、機体シルエットを元のAM-3から変えて、機体を識別しやすくしている。ただし、コックピットブロックの装甲には手をほとんど加えていない為、乗員保護能力はAM-3とさほど変わりは無い。
また、パイロットの認証を簡略化しており、従来の電脳認証や腕時計による認証から、スティック状のキーを差し込む方式に変更されており、キーさえあれば誰でも動かす事が可能となっている。
【ER-02 ギガス】
操縦支援システム“ヘカトンケイル ver.2”を導入し、アイゼンメッサー研究所により魔改造されたAM-3 サイクロプス。グラスレイク守備隊AM部隊の隊長機。
元モルデミール軍親衛隊の隊長、ギャレット・ロウの乗機であり、彼の要望にアイゼンメッサー研究所が全力で応えた結果、原型を留めないほどの大幅な改造が施されている。
具体的には、隊の主力機であるAM-5 H2との歩調を合わせるべく、ノア6より供与された“ドラコーン”と呼ばれる外装式スラスターと燃料タンクを背部と腰部に装備し、限定的な飛翔能力を獲得している。だが、その結果機体が大型化し、操縦が極めて難しくなっている。咄嗟の近接戦闘に備え、ドラコーンは戦闘中にパージする事が可能であり、僚機の手助けがあれば再装備も可能である。
また、AM-3に元から備わっている油圧機構を活かして、固定武装として左腕に、油圧式の3本爪タイプの大割圧砕機を装備している。
【AM-5 H2 アルビオン改】
操縦支援システム“ヘカトンケイル ver.2”を導入した、AM-5 アルビオン。グラスレイク守備隊の主力機。
元はグラスレイクに亡命した、旧モルデミール軍親衛隊のパイロット達の乗機である。グラスレイクで塗料が不足している事から、カラーリングはかつての親衛隊機ほとんどそのままの状態で、エンブレムのみグラスレイク守備隊のもの(吠えるピューマ)に置き換わっている。
基本構成は、ヘカトンケイル ver.2を導入しただけのAM-5であるが、運用上の都合(モルデミールの内紛に秘密裏に介入する事)から、ECMを搭載しており、戦域の通信やレーダーを遮断・制限する機能が付与されている。
また、元々AM-5が搭載していたスラスターも復活しており、短時間・短距離の飛翔や、地上スレスレを水平飛行(俗に言うホバー)して敵機との距離を詰めると言った、高度に戦術的な機動も可能となっている。
モルデミール各地で目撃されており、その外観(親衛隊のカラーリング)から、“親衛隊の亡霊”と噂され、残党軍から恐れられている。
◇◇◇ AMの武装 ◇◇◇
AMは、電脳とのリンクによる操縦が前提となっていた為、武装は人間が扱う小火器に似た形状を取っている。一応、操縦桿によるマニュアル操縦でも動かせるが、一定の動作しかできない為、戦闘時の柔軟性に欠ける。
また共和国では、機体により(主にHAM)専用の武装が用意されている場合があり、注意が必要である。
【50mmアサルトライフル】
AM用の携行火器。人間で言うアサルトライフルに相当する。
50mm口径のテレスコープ弾を使用する、ブルパップ方式の機関砲。徹甲弾や多目的榴弾など弾薬の選択により、幅広い目標に対応可能。
AMの基本的な武装の一つであるが、崩壊後の世界では砲弾の製造が技術的に難しい為、使用されていない。
[運用組織]環セデラル洋大陸間経済連合軍、レガル共和国PMC
【130mmバトルライフル】
AM用の携行火器。人間で言う対物ライフルに相当する。
旧式の戦車砲を流用した長距離戦闘用の武装で、主に狙撃や砲撃に使用された。ちなみに、バトルライフルという名前が付いているが、ライフル砲ではなく滑腔砲である。
主にAMの戦術がまだ確立していなかった第一世代型AMの武装であり、崩壊前の時点で既に時代遅れとなっていた。(長距離砲撃が発生し得る開けた戦場は、AMよりも戦車の方が有効だった。)
反動が非常に大きい為、基本は機体の肩部で砲を固定し、伏せ撃ちもしくは膝撃ちの姿勢で射撃する。
崩壊後の世界でも限定的ながら使用されているが、AMのセンサー類の劣化や砲身の劣化などで、長距離での正確な射撃は期待できないようだ。
[運用組織]環セデラル洋大陸間経済連合軍、レガル共和国PMC、モルデミール軍
【30mmガトリング砲】
AM用の携行火器。4砲身のガトリング砲で、高い発射速度を誇る強力な武装。
主に歩兵部隊支援の為の制圧射撃や、強襲用途を想定しており、対空・対地を問わず用いられた。
[運用組織]環セデラル洋大陸間経済連合軍
【ミサイルポッド】
AM用の外装式多連装ミサイルランチャー。AMの肩や腰、脚などに装着され、対装甲目的や支援砲撃目的で使用された。
任務に応じて様々な形状の物が用意されており、小型でミサイルの本数が少ない可搬性の高いタイプから、大型でミサイルの搭載量が多い重武装タイプまで、色々と取り揃えてあった。
また、操縦者の判断でパージする事も可能で、撃ち切った後、デッドウェイトとなる事を防止できた。
[運用組織]環セデラル洋大陸間経済連合軍、レガル共和国PMC
【パルスレーザー】
AM用の携行式光学兵器。使用に際して大量の電力を必要とする為、電力供給機能が強化された最新の第三世代型AM、HAMしか使用できない。
外観はアサルトライフルの様な見た目をしており、運用方法もそれに近い。
長時間の連続照射と迅速な目標撃破の為に、複数の発振器を内蔵しており、これを一定時間の照射で切り替えたり、過給電した後に同時照射する事ができる。崩壊前のパイロット達は前者をARモード、後者をBRモードと呼称して使い分けていた。
[運用組織]環セデラル洋大陸間経済連合軍
【レールガン】
AM用の携行式電磁投射砲。使用に際して大量の電力を必要とする為、電力供給機能が強化された最新の第3世代型AMか、HAMしか使用する事ができない。
かなり大型の為、装備中はAMの取り柄でもある、高機動戦闘が難しくなってしまう。また、発射毎に大量の電力をチャージする必要がある為、連射速度は低い。
その分威力や射程は絶大で、現時点で存在する、ほぼ全ての兵器を撃破できると言われている。
[運用組織]環セデラル洋大陸間経済連合軍
【ハチェット】
AMの近接戦闘用兵器。柄の先に幅広いブレードが付いた、独特な形状をしている武装。両手でも片手でも扱う事ができる。
AM黎明期(南極開発計画時)に開発された多目的ツールで、人間で言う斧やピッケル、バールのような役割を担った。
当初は木々の伐採や砕氷、採掘作業といった、工具目的での使用が想定されていたが、AMの兵器転用に伴いAM用の近接武器へと改造されていった経緯を持つ。
ブレード部に、高周波振動装置が搭載されており、戦闘時は敵戦車の砲塔をくり抜いたり、敵兵器の弱点に突き刺したりして使われた。
装備としては旧式であり、主に第一世代型AMの基本装備となっていた。また、AMを作業用機械と認識していた共和国軍のAMは、後述するプラズマカッターより、ハチェットの方が普及率が高かったと言われている。
モルデミール軍AMの基本武装であり、実戦で確実に相手を撃破出来る武装として認知されている。
[運用組織]環セデラル洋大陸間経済連合軍、レガル共和国PMC、モルデミール軍
【プラズマカッター】
AMの近接戦闘用兵器。人間で言う、ナイフに相当する。大型のプラズマ切断器で、敵の装甲を瞬時に溶断する事が出来る。
よくあるロボットアニメのように、カッター同士で鍔迫り合いするような事はできないので、AM同士でお互いにプラズマカッターで戦う際は、相手の攻撃を回避するしかない。その為、軽量で高速な第二世代型以降のAMの基本装備になっていた。
[運用組織]環セデラル洋大陸間経済連合軍
【AM用火炎放射器】
崩壊後、モルデミールで開発された兵器。敵の村や街を焼き払う目的で使用される。
燃料タンクは防弾仕様となっており、歩兵用の小火器程度であれば防ぐことができる。また、誘爆したとしても、AMは充分に耐えることが出来る為、問題ない。
[運用組織]モルデミール軍
【30mmアサルトライフル】
崩壊後、モルデミールで開発されたAM用の携行火器。上述した、50mmアサルトライフルが使用するテレスコープ弾の製造が技術的に難しかった為、その代用として開発された。
使用する弾薬は、崩壊前の物と比べると素材も構造も異なる為、AMや他の兵器に有効打を与えられるとは限らない。
モルデミール軍のAMの、基本武装となっている。
[運用組織]モルデミール軍
【105mmショットキャノン】
崩壊後、モルデミールで開発されたAM用の携行火器。人間で言う、ショットガンやグレネードランチャーに相当する。
旧式の榴弾砲や山砲を元に開発された武装で、専用のキャニスター弾や榴弾を使用し、主に対人用の面制圧や、ミュータントの駆除に使用されていた。
砲身とグリップが直線上に位置する、独特なデザインをしており、発射時の反動を制御しやすくしている。
使用されるキャニスター弾のペレット(散弾の粒)には、安価な鉄製の物が用いられている。
[運用組織]モルデミール軍
【30mmサブマシンガン】
産廃と化した、モルデミール軍の30mmアサルトライフルを再生利用するべく開発された武装。アイゼンメッサー研究所製。人間で言う、サブマシンガンに相当する。が、対応する拳銃などは存在しない。
銃身の短縮化や冷却機能の追加、ハンドガードやストックの撤廃、機関部の見直しなど、大規模な設計変更や軽量化により、元とは別物の武装になっている。
片手で構える事が出来る為、ウェイストシールドと一緒に構えたり、両手で二丁持ちすることも可能である。
また使用弾薬の見直し(高硬度鋼製弾芯のAPCR等)により、AMへもダメージを与える事ができるようになっている。
[運用組織]グラスレイク守備隊
【40mmコンバットライフル】
モルデミール軍残党の使用するAMに対抗する為に開発された武装。アイゼンメッサー研究所製。人間で言う、バトルライフルに相当する。
崩壊前の対空砲や、歩兵戦闘車の主砲に使用された砲を元にしており、徹甲弾や榴弾などの各種弾薬を発射できる。モルデミール軍で使用していた30mmアサルトライフルよりも、装甲目標に効果的なダメージを与える事ができる。
グエン・アイゼンメッサーがモルデミール軍在籍中に研究していた装備であり、グラスレイクで万能製造機とコンピューターを与えられて、すぐに完成に漕ぎ着けた経緯を持つ。
基本は単発、もしくは3〜5発のバースト射撃(過熱防止と銃身保護の為に、連射に制限が設けられている)で用いる。
[運用組織]グラスレイク守備隊
【ウェイストシールド】
AM用の盾。アイゼンメッサー研究所製。廃棄されたAMなどの崩壊前の兵器から剥いだ装甲材を利用している。全面に爆発反応装甲のタイルが貼られており、実弾兵器に高い耐性を持つ。その反面、被弾時に周囲に破片が飛ぶ為、主に外征する部隊がAMと対峙する際に使用する。
30mmサブマシンガンを併用する事で、攻防一体の運用が可能。また、緊急時には投棄する事も可能。応用技として、盾で敵機に体当たり(シールドバッシュ)する事で、爆発反応装甲を誘爆させ、一時的に視界を塞いだり、体勢を崩す事が可能。
[運用組織]グラスレイク守備隊