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異世界で女神様の使い魔になりました。   作者: 東 純司
平穏な幕間/嵐の前の五日間
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27 三日前/勇者一行のダンジョン攻略


 「右八、左十!……全部〔ナイト〕!」

 「ラウル!押し返すぞ!」

 「後方〔メイジ〕六!シフルさん!」

 「もうやってる…《土雷の針山》!」

 「…メイジ全滅。増援〔レッドオーガ〕」

 「ナイト全滅!レイン、タッチだ」

 「お任せを!」


 〔ゴブリン・ナイト〕〔ゴブリン・メイジ〕〔レッドオーガ〕の集団と戦うのは勇者パーティーの面々。

 ここはダンジョン階層四十二階。

 タケル率いる勇者パーティーは現在ここに居る。

 確認されている三つのダンジョンの中で、最も深部まで攻略されているこのダンジョンは、最終到達地点八十九階。

 タケルたちはまだ半分にも達していない。

 というよりも、たった数日でここまで来た事に驚くべきだろうか。


 「コイツらただの魔物じゃねぇか!ダンジョンに居るのは〔ダンジョンモンスター〕だけじゃないのかよ!しかも何か外より強えし!」

 「何処からか入り込んでそのまま住み着くヤツらも居るって説明したでしょ!そしてダンジョンと共存したヤツらは〔ダンジョンコア〕の強化も受ける。同じ種類でも外とは別物って考えてって…座学でも教えたはずなんだけど!?」

 「忘れた!」

 

 戦いながらも言葉を交わす余裕がある二人。

 珍しく言葉が荒れてる賢者シフルは、勇者が召喚されるまで王族の教師の一人だった。

 「忘れた」と抜かしている第二王子【ラウル・ユスティファーナ(人族:王子/拳闘士"金剛拳")】にも指導をしているはずなのだが……相手が正真正銘の馬鹿では賢者も形無しだ。

 馬鹿とはいえど、勇者パーティー(ここ)に居る以上は武人としては超一流。

 こと武においては金剛拳という二つ名が付くほどの、正に天性の才能も持つのだが……頭が残念過ぎるのが本当に残念だ。

 おかげで王族でありながら政治事には出禁を食らっている。


 「これも適材適所、王子たちの中ではこれはこれでバランスが取れているのではないでしょうか。王子三人が協力し合えば国に仕える者としては安心できます…タケル殿、右です」

 「りょーかい!」


 【レインハルト(人族:王都騎士団副団長/騎士"聖騎士")】はそう語る。

 王都騎士団の王城・王族護衛部隊として、王子たちを幼い頃から知るレインハルト。

 王位を継ぐ第一王子は、全分野を満遍なく修めた秀才。

 次王を支える第二王子は知将として、第三王子は武人として、それぞれ王族としての役割に合った才能を授かっていると。

 正直第二王子の普段の会話を聞いていると知将とは思えない節のほうが多いのだが……平民から王都騎士団副団長という役職まで上り詰めた男が認めているのであれば、確かにそれだけの物を持っているのだろう。


 「索敵結果ー、敵影増援なしー、コイツらで終いー」

 「ピピ殿はもう少し報告をしっかり話して貰えないだろうか?若干が気が抜けると言うか…」

 「努力はするー、けど慣れるほうが早いー?と思うよー?」


 【ピピ(狐人族:上級冒険者/精霊術師)】。

 希少な精霊術師として雇ってきたピピは少しマイペースな所はあるが、上級冒険者として披露してきた腕は確かである。

 狐獣人としての勘の鋭さも捨て置けない個人技能だ。

 ここまでの罠類は全て、誰よりも先に彼女が発見し解除している。

 索敵範囲も圧倒的に広い。

 現状のパーティー貢献度一位と言ってもいいだろう。 

 

 「はいラスト!――勇者様、最後は私が仕留めましたよ!」

 「うんお疲れさま。メルトも相変わらず良い腕してるね」


 ラストアタックを披露した【メルト・ウォルス(人族/弓使い"鷹の目(ホークアイ)")】。

 一度視界に収めた相手であれば、死角であろうと見逃さない空間把握能力を持ち、そして乱戦の中の数センチの穴すらキッチリと通してくる弓の腕。

 当主の犯した数々の罪により爵位を剥奪されお取り潰しとなった元貴族家の娘。

 勇者パーティーの一員であるために処罰を先送りにされた彼女は、平民に落ち、今後の功績も処罰と相殺されてしまうにも関わらず、懸命かつ笑顔でその力を発揮してくれている。

 

 「……罰せられたくないから頑張ってるだけだろ」

 「ブルガー、あんまりそういう事は言わないでくれ」


 【ブルガー(龍人族/召喚従魔士)】

 魔物や魔獣・聖獣と契約し、召喚・使役する従魔士のブルガーは思考が後ろ向きで若干言葉がキツイ事が多い。

 ただ、一般公募枠から採用された彼は、志望動機で〔報酬で病気の家族の治療と経済支援〕が目的と語っていたため、悪い奴ではないのだと思う。

 そもそもそこまで人格に問題があれば審査で跳ねられているだろう。 


 「――さて、これで次なる階段は確保し、四十二階層は制覇した。休憩はいるか?」

 

 全員返事はノー。

 まだ午前だ、ここでへばられても困る。

 数日で四十二階層まで来れたのは、確かに最短記録ではあるだろうが、現在の最深記録は八十九階だ。

 まだ半分以上、しかも進むごとに難易度は上がる。

 連携練度の向上が主目的とはいえ、魔王軍を相手にする面々がこんなところで躓いてはいられない。


 「よし、じゃあ水分補給が終わったら次に進もう。」


 

 ダンジョン攻略進行状況:クリア階層四十二階。

 次層:四十三層。

 今はまだ(・・)順調である。

 

 

 「――何か《鑑定眼》の表示項目が増えてません?」

 『少し調整しました』


 今話から《鑑定眼》による情報表示項目を少し変更しました。

 表示情報が増えただけで本編ストーリーには影響はありません。


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