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死にかけの英雄とお医者様な僕  作者: ギンギン
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晩御飯を食べ終えたら、キリカさんが皿洗いをしてくれた。というか、エメリアさんに言われ、仕方なさそうにやっていた。ガチャン、ガチャン大きな音がするけど、大丈夫かな。

 皿洗いを終えると、二人は洗濯物を畳んでいる僕の近くへやってきた。


「ロン、少し話がしたい。今後の私の治療についてだ」


 真剣な眼差しでキリカさんは僕を見る。


「結論から言うと、お前には旅に同行してもらいたい」

「はい?」

「治療は毎日継続しなければならないのだろう? だが私はこの村に留まることはできない」


 だからついてきて欲しいと。ずいぶん身勝手な話だ。この村には僕しか医者がいない。正式な医者ではないけれど、それでも治療ができるのは僕だけだ。


「申し訳ないのですが、それはできません。この村には僕しか医師がいませんので、旅に出てしまえば村の人が、まともな治療を受けられなくなります」


 二人は黙り嫌な沈黙が流れる。そんな怖い顔しても行かないからね。


「ロン医師、魔物との戦争が終わったことは、ご存じですよね」


 急に話が変わる。エメリアさんどうしたの?


「もちろん知っていますよ。11か月前、勇者様が魔物の頭領を倒して魔物はもう現れなくなったって聞きましたよ」


 三年間、続いた戦争も終結したと、父さんが言っていた。


「ええ、そうです。魔物というのは本来、この大陸におらず魔法陣を通って別大陸から侵攻してきました」


 へぇ魔法陣か。それは知らなかったな。


「その大陸を行き来する魔法陣と魔物の頭領達を、キリカが倒すことにより、戦争は終わりました」


 今なんて言った。


「あのぅキリカさんが魔物の頭領を倒したって……」

「はい。そう言いました」

「魔物を倒したのは勇者様と聞いたんですけど」

「その通りです。今あなたの目の前にいるのが勇者キリカ・クロースです」


 キリカさんが勇者? そんな馬鹿な。だって勇者といえば、筋肉ムキムキの強面なおじさんをイメージしてたのに。


「約一年前、私達大陸軍は魔物軍の本拠地を発見することに成功しました」


 エメリアさんは何も知らない僕に語るように教えてくれる。


「そこに勇者キリカを中心とした精鋭部隊で奇襲をかけました。敵軍は大混乱に陥り、十四人いる頭領の内十二人を撃破することができました」


 頭領ってのは、リーダーみたいなものなんだろう。十四人もいることにも驚きだが、それをほとんど倒してしまうとは、さすがこの大陸最強クラスの人達だ。


「あっちなみに、倒した頭領の十二人は全部キリカ一人で倒してますよ」


 キリカさんやばすぎ。


 


 



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