表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死にかけの英雄とお医者様な僕  作者: ギンギン
1/18

プロローグ

 魔物の王が死んだところで、なにかが変わることもなかった。人は、魔物の手でだけではなく人よって殺される。

 略奪は起き、争いがあり、魔物がやるか人がやるかの違いだけ。

 魔物はいなくなったのだから、みんなで仲良くすればいいのにと思うけど、やっぱりそれも難しいんだろう。悪人は魔物との戦争が終わってから、増えているらしい。

 

 現に僕も今、誘拐されどこかに輸送されている。

 爆音と共に床が揺れ、馬の声が鮮明に聞こえる。恐らく馬車の中なんだろうか。真っ暗で何も見えない。

 手首と足首には縄が、何重にも巻かれ立つことさえままならない。


「やばいなぁ、これ」


 喧嘩すらまともにやったことない僕には、この縄は硬すぎた。どうやっても逃げられない。

 このままいくと、どっかに売り飛ばされてしまう。


 何度も、腕をもぞもぞさせ自分を縛っている、縄を抜けようとするが、一向に抜けられる気配はない。


 馬車は止まることなく進んでいく。まともに整備されていないボコボコな道を。揺れがひどいせいで頭も 腰もあちこちにぶつける。


「くっそぉぉ、誰か助けてくんないかなぁ」


 もう自分ではなにもできず、涙ながらにそんな独り言が漏れた。


 すると


「んべっ」


 馬車が急に止まり、顔から壁に激突した。鼻がとてつもなく痛い。


「急に止まんなよぉ」


 鼻血を垂らしながら文句をたれるが、返事をしてくれる人は誰もおらず、その代り外から怒号が聞こえる。壁を背もたれにしてよく聞くと、人攫いの声だとわかる。誰かと戦っているのか、剣の音さえ聞こえてくる。けれどその音も一瞬で聞こえなくなった。どうなってんだ。


そんなことを思っていたら、不意に背もたれが無くなり、そのまま地面まで落下した。


「おや、人がいたのか」


綺麗な女性の声がした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ