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 ◇


 合同練習の二日目は入れ替わりで試合をとり行うこととなった。全員の成長を目の当たりにしながら、伊月は試合を見守った。部内戦が始まれば自然と部内の空気は張り詰める。それは必然である。最後の試合に出られるか出られないかが決まるのだ。総当たり戦が斗洲高校のやり方だと顧問の古藤先生から聞いていた伊月は、いつ頃から準備をするか考える。そして――必ず試合に出られないメンバーがいるという現実に顔を歪ませたくなった。

 致し方ないことだ。もしかしたら、今の一年生がレギュラーに入るかもしれない。今の二年生にとって最後の試合であろうとも、それは避けられない現実だ。実力至上主義云々など関係なく、勝負の世界なのだ。実力は当然、運も、勝利への執念も必要になってくる。

 部内戦は、唯一、仲間が敵同士となる闘いだ。それを彼らは知っている。今、一緒に練習をし、時折笑い合い、高め合い、同じ目標に突き進もうと努力している全員が、仲間が、敵になる。これを乗り越えて、レギュラーの座を手にしなければならない。

 どの部活動も、同様の試練が待ち受けている。仲間を蹴落として突き進まなければならない過酷な世界がこの先に待ち受けている。どう受け止め、消化し、呑み込めるか。

「心の強さ、か」

 一度心を圧し折ったことのある伊月にとって、それについて彼らにかけてあげられる言葉はない。ただ、同じ舞台に上がれずとも、すべてに立ち会おうと伊月は決めていた。どんな結果が出ようとも、責任を持って見届けなければいけない。それが役目であり、使命なのだ。

 すべての試合が終わり、日程も終了する。

 雪はまだまだ降り止まない。身体から湯気を上げる選手らが大きな声で最後の挨拶を交わした。


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