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つつじびより  作者: 相瑠 阿譜
4/4

中3〈second〉

「あ、あ、ああぁぁのっハ……ハルフカさんですかっ?」

  なんで翔世がテンパってるんだ。

「……」

  こっちはこっちで無視だし。何なんだよこいつら。

「巫零くんこの人は?」

「俺の知り合いだよ。昨日のこと話したら会いたいって。だから連れてきたんだ。」

  ハルは翔世のほうを不思議そうに目を向け、微笑みかけた。俺は一瞬胸が針に刺されたように痛んだ。

「私……違うなぁ…僕?いや、俺は石実翔世と申すものでございます。えぇと。巫零殿の保護者であります!!!!」

  バシッ

「アヒィン」

  翔世は痛そうにお尻をさそる。

「俺が保護者だ!」

「そんなのどっちでもいいだろ!叩くなよ!」

「よくねぇー」

「ふふ。」

  笑い声。今ハルに笑われた?最悪だ!翔世のせいで俺の印象だだ下がりじゃん。へんなやつっておもわれたかな。まぁ変人なんだけど。

「仲がいいのね。私はハルフカです。よろしく石実くん。」

(可愛いなこの子♡)

  翔世が耳打ちをしてくる。よくよく翔世を見てみると、何と首まで真っ赤である。

「あの金髪も、白いワンピも可愛いけど、それでいて顔は清楚なお嬢様!かわいすぎだな!」

「ありがとう。」

  あーあ。聞こえてたみたいだ。顔がみるみるうちに赤を通り越して紫っぽくなっている。乙女かよと思いつつ

「そろそろ帰る時間だぞ。お前塾あるんだろ。」

「え?もうか?」

  なぜかハルが残念そうな顔をしている。そんなにこいつといたかったのか何気にショックである。

「私一人になっちゃう」

  何だそんなことか。

「でも俺塾だし」

「巫零くんだけでも!」

  俺だけか。俺はいいけど翔世がどうだろう。嫉妬しそうだ。

  ちらりとそっちを見ると何かを訴えるようなめで翔世が見ている。口が動いて、

 [情報あつめて!]

  利用するという手があったか。あくどい奴だな。

「いいよもう少しだけだからな」

「やったぁ!」

 ハルが嬉しそうだと何だか心があったかくなった。


 * *


「_____でさ。それで今日あいつを連れてきたんだ。」

  今日翔世を連れてきたわけをはなした。

「もしかして私人気者?」

  キラキラした目で見つめてくる。ハルは本当にコロコロと表情を変える。

「石実くんってどんな人?」

  翔世のことなんか考えたことない。そうだな、ちょっと痩せてるけどよく食べて、ゲーム大好きで、バカで、すぐ調子のる。あとは一緒にいて楽。これをまとめて

「ゲーム大好きお気楽ボーイ」

「見た目通りって感じね」

「だろ?」

  ハルと話すのは楽しい。だけどなんか時々苦しくなったり悲しくなったりする。なぜだ?あ、

「!」

「どうしたの?」

「いや、ちょっとな」

「?」

  やっべぇ情報収集忘れてた!

「なぁ、ハルってどこの学校?」

「?いってないよ?」

  え、不登校か?あんまり触れない方がいいか。

「じゃぁ何歳?」

「わからない」

  わからないってどういうこと?冗談?言いたくないってこと?えっと、つぎいこうか!次っ

「ハマってることは?」

「真似をすること」

  なんかかわいいな。ハルだからか?

「変わってんな。誰の真似するの?」

  ハルは悩んでいるのか首を傾げてうなっている。

「うーーん。人間?」

  悩んだ結果がそれですか。さっきから質問の答えが答えになってないな。もう終わりでいいかな。

「巫零くん、時間大丈夫?7:15だけど……」

  え?7:15?6:15じゃなくて?

 チラァっ

「っ!やっべぇ!ごめん俺帰るわ!」

「ばいばい」

  俺んちの家の門限は7:00だ。いつも30分かけて来てるのにっ。今から帰ったらいったい何時になるんだ。やばすぎるっ!

  結局俺は持ち前の運動神経で7分で帰ったが、キーチェーンがかけられていて20分間の締め出しを食らったのであった。


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