2話 中3〈First〉
実際の施設と名前が合致していますが関係ありません。たまたまです。
あと関西弁が出てるかもしれません(゜o゜;;
「私はハルフカ。ハルって呼んで。」
ハルとあったのは中3の4月。よく晴れた日だった。
俺は芝谷中学校(以下芝中)に通っている中3。その日は前日が大会でオフだったから、いつものごとく公園で暇を潰していた。そして、まだ四月なのにほぼ満開のツツジに惹かれたんだ。
花に興味はないのだがなんとなくみていた。ツツジといえば赤っぽいピンクみたいな色を想像していた。しかしここのは白い………などと考えていたらハルは声をかけてきた。
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互いに自己紹介を済ませたのはいいのだが何を話せばいいんだ?話しかけてきたならなんか話題を提示してくれ。
「ねぇ話題……」
え、俺がですか。うーんこれは困った。とりあえず自分の話でもするか?いやでも自分大好きみたいか?まぁいいか。
「えと俺は中3で芝中に行ってて、家はここらへん。」
「そうなんだ!わたしもここにすんでいるのよ。」
微笑む彼女。うん。。。かなり可愛い。ってそうじゃなくて、『ここ』?ここらへんってことか?わからないな。
「昨日何してたの?」
「俺っすか?」
「うん。」
そっからは昨日の試合で勝った話や勉強の話をした。
ただ彼女から話題を出したり話しかけたりはしてこなかった。でも彼女の笑顔をみているとそんなことどうでもいいように感じた。それくらい綺麗で華やかだった。
「そろそろ帰るっすね。」
「……また話聞きたい。」
え?まじ?
「……今日みたいな日に会いにきて。」
………はい?いや、どんなドラマだよ!ドラマでもこんな展開と設定はないよ!……まぁ暇だったらくるか。この子美人だし。うん。会いに行きたくなるな。でも、こんな天気の日っていつだよ。だいたいこんな天気だったら部活あるな。
「来れたらくるっす。」
「ありがとう!」
彼女の表情に可憐な花が咲いた。
「君はよく笑うっすね。」
なぜか首を振る彼女。
「‘君’は嫌。」
そこかーい!
「敬語もやめて。」
注文が多いようで。
「すまねっす。……じゃなくて、ごめん。」
また彼女は笑った。
「またな」
「うん。またね」
**
次の日学校でそのことを友達の翔世に話した。
「_____不思議な子だろ?」
「確かにな……。でも美人なんだろ?」
「あぁかなり。」
「誰くらい?」
「石原○○み」
「うおっ!まじか!俺にも合わせやがれ‼︎今すぐに‼︎」
「いいけど今日曇りだぜ?」
「あぁ、晴れじゃねーと会えねーんだっけ?ま、ものは試してなんぼですよ。巫零くん!」
「はぁ。じゃぁ部活終わった後な。」
「了解であります!」
……調子がいいやつだ。まぁそこがいいとかでもあるんだが。今日はグラ権(グラウンドを使用する権利)ないし筋トレだからきらくにいくか!
**
グラ権ない日って楽だけどおもんねー。
「でも石原○○みちゃん似の子に会えるんだぜ?」
「うぎゃ!」
急に話しかけられたから変な声がでてしまった。
「なに?お前エスパーなの?超能力者?俺の考え読まないで!」
「あ、やっぱり?グラ権ない日おもんねーとか考えてた?」
「あぁ」
「まぁまぁ。嬉しいでしょ?会えるんだし。」
「翔世は嬉しいかもだけど俺もうあってるし。」
………会えねーかもだし。
「そんなこといわずにさ?」
「じゃ行くか!」
おうよ!
_____15分後。公園に着いた俺らはまっすぐツツジの木のとこに訪れた。
「やっぱいねーじゃねーか!」
「えー……そうだ!名前呼ぼうぜ!」
「マジで言ってんの?恥ずかしいわ」
「シャイボーイかお前は!ほらよぶぞ?……ハルちゃーん!」
「ったく。ハルーおーい。いねーのかー?」
「_____ハルちゃーん、僕だよー。いとしの巫零♡」
バシッッ
「お前は俺じゃねーだろ!」
「痛いだろ!」
めんどくさーな。俺が殴ったんだけどな。
「いないみたいだな」
「あれ?スルー?」
しばらくの間呼んでいたが、いないみたいだったから俺らはサッカーをしていた。
「そろそろ帰るかー?」
「んー。もうちょっとサッカーしようぜ?」
「なんて?一人でやりたいからかえっといてください?」
「ひどっ!」
「………巫…零くん?」
「「っっ!!」」
ハルが後ろに立っていた。いつの間中空のほとんどを覆っていた雲は消え、紅い夕日が俺たちを見下ろしていた。