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つつじびより  作者: 相瑠 阿譜
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一章 3月 1話公園

「巫零!巫零‼︎早く起きなさい。もう11時よ!」

  ____は?11時?……………っ‼︎

「11時?学校‼︎やべっっ!」

「何言ってんの。今日から春休みでしょ。」

  あぁそうだった。てか、春休みなら起こすなよ。

  でも一度はっきり目覚めてしまってはもう寝るになれない。憂鬱ではあるがおきねーと。

  俺はサッカー部に入っているがあいにく今日は休みである。さらに、特に予定があるわけでもない。いわゆる“暇人”だ。これがあのうるさい母親にバレれば、勉強しろと絶対に言われる。

  ____予定を入れなければ。



  * *



  朝食兼昼食を終えた俺は公園に向かっていた。もちろん勉強から逃げるためである。母親には友達の家に行くと伝えた。本当に友達の家に行っても良かったのだが、今日に限って誰も捕まらなかった。全くもって最悪である。

  そんなことを考えているうちに公園についていた。ここは芝谷公園と言ってたこの遊具とまぁまぁでかいグラウンドがある。春休みだからか小学生が走り回っている。割と広い公園だからぶつかりはしないだろう。

  俺は一人になれそうな場所を探した。探し出した場所は少し傾斜になってはいるものの、花___白色の……なんていうんだっけ?………そう!つつじだ!つつじがある綺麗な場所だ。今は3月だから咲いていないが。

  適当なところに持ってきたシートを広げてスマホをいじっていた俺はしばらくするとうとうとしてしまった。さっきはねれなかったの、に…………



  * *



「____巫零くん。ねぇ、起きてよ。またお話、しましょう?」

  だれだ?またって言ったか?この声に聞き覚えはねーと思うが。

「どちら様?」

  目を閉じたまま問う。

「覚えて、ない、の?」

「ぎゃっ」

  目を開けた途端奇声を発してしまった。

  そら、女子の顔が目の前に、しかも5㌢の距離にあったらそうなるだろう。

  「覚えて、ない、の?」

  少女は同じ質問を繰り返す。そこで俺は少女と距離をあけ上から下までみてみる。

  いやー。こんなドレスみたいな服着て、金髪の人見たらさすがの俺でも覚えてるだろ。そういえばこの人、金髪なのに目黒いな。ハーフか?まぁ、どっちにしろ知らんな。

「覚えてないっす。というより知らないっす。」

  …………。沈黙。つらい。

「一昨年の4月の…後半……覚えてない?」

  脳内検索にかけてみる。『中3のとき』『4月後半』『美少女』………

  うーん。分からん。

「人違いじゃないっすか?」

「絶対あなた。名前巫零でしょう?西園寺巫零でしょう?」

「そうっすけど。うぅむ、巫零なんて名前俺くらいだもんな……。」

「やっぱり絶対あなた!」

「お前の名前は?」

「ハルフカ」

  とたんに脳にというより心に電気みたいなのが通り抜けた。記憶がどんどん溢れてくる。

  そうだ君は____

「ハル」




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